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終戦のエンペラー

2013年08月06日 | 映画・DVD
色々考えさせられる映画だった。
日本の歴史に関わる映画を観るといつも思うのだが、日本人で自国の歴史について知らない人が多いように思う。

海外にいる日本人留学生が、天皇や原爆等について意見を求められても、歴史を知らないため自分の国に関する議論なのに参加できないという話はよく耳にする。
日本の詰め込み型教育の問題だよね。ちっとも興味が湧かないんだもん。

他のアジアの国のような極端な敵国教育は論外だけれども、せめて自分の国については史実をきちんと学ばせるべき。
終戦直前、東京大空襲で10万人以上の日本人が犠牲になった事すら知らない若い世代がいるんだもんな。言い方変えたら大虐殺だよな。

閑話休題
日本の無条件降伏により終結した太平洋戦争。
この戦争責任は誰にあるのか、天皇は有罪か無罪か。この調査報告をマッカーサー元帥から命じられたフェラーズ准将が主役の映画。
戦争により分かれなければならなかったかつての恋人を、調査のついでに探すのだが、米軍の空襲で死んでいた事を知る。
これが実際にあった話なのか、フィクションなのかは分からないけど、ここは映画の本筋ではない。

GHQの本部は皇居の側に建つ第一生命本社ビルに置いたのは何かの本で読んだ事がある。
天皇陛下の玉音放送原盤を、日本の降伏を良しとしない陸軍の一部が強奪しようとクーデターを起こしたという話も読んだ。そんな話を思い出させつつ、映画はナルホドナルホドと進んでいく。

終戦直後に焼け野原になった東京の様子は当然見たことないけど、東洋っぽくてアメリカが作ったセットなんだなあと思わせる。

伊武雅刀さんや西田敏行さんといったそうそうたる俳優が出演しているけれど、天皇役の片岡孝太郎さんがすごく良かった。
終盤にほんの少しだけのシーンなんだけど、グッときたね。全部がこの最後のシーンに集約されている。

マッカーサーがとても中立の立場で、結果的に天皇の罪を問わなかったんだけど、その事を日本人は感謝しろよと言っているような押し付けがましさを感じた。
それ自体、正しい判断であったと評価はしている。