Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

アンプの出力について

2009年08月08日 | ピュアオーディオ

アンプの出力について、以前は雑誌の影響で「大出力」に拘っていましたが、D130を使うようになって「管球アンプ」に向かい、プッシュプルよりシングルアンプに移行してきています。

「Trail仕様の管球パワーアンプ」を手元に9セット持っています。プッシュプルが5セット、シングルアンプが4セットになります。プッシュプルの方が「馬力」が有り「音の厚み」等出易いと思いますが、シングルの「ピュア」な感じも捨てがたいです。

500Wだ600Wだと云ってマッキンのMC2500やMC2600を欲しがっていましたが、現在手持ちの管球アンプと比べると「音質」で負けて、「SN比」で負けて、「コスト」で負けて、「重さ」で負けています。出力もわずか2W/chです。逆に2Wぐらいまでを綺麗に出せる半導体アンプが少ないのでしょうね。

皮肉なものです。「音質」を求めて行くと「重低音」より「反応の速さ」や「質感」の方向に好みが向いてしまいました。

重低音が欲しければいつでもウーハーユニットを交換すれば出来ます。

6l6g_singl2

自宅の6L6Gシングルアンプにも慣れてきて、このアンプでメインにしても大丈夫と思えるようになりました。非常にシンプルなアンプです。ノイズがほとんどありません。プリアンプのボリュームが9時の位置が定位置です。10時の位置を過ぎますとSPのサウンドが一変します。D130でも本来の性能を出すには最低出力が有るようです。

現在は予備球を集めています。前段管も10セット以上になりました。


「伝送ロスについて」思う事

2009年08月07日 | ピュアオーディオ

「伝送ロス」の極小化を過去4年間に渡って調査・対策をして来ました。初めは「ケーブル材」の事から始めたのですが、今まで一顧だにもしなかった部分にも大きな「伝送ロス」が有ることを知りました。

単純に箇条書きに列記して見ます。
1)ケーブル材の材質や構造に起因するもの
2)プラグ・ソケット・SPターミナルの材質に起因するもの
3)SPユニットに使われているケーブル材に起因するもの
4)SPユニットの構造や方式に起因するもの
5)上述1)2)からCDPやアンプ、SPにも同じ事が言える(機器)
6)プラグの方式によるロスの大小
等々・・・・

上述の問題点は使用する機器全般に言えることで、それぞれの「4M」(マシン・マン・メソード・マテリアル)を見直す事だと思います。

具体例として個人的に非常に残念に思うのは、マッキントッシュの機器裏面の端子・ソケットの強度不足と材質の吟味が非常にルーズな事です。

マッキンのアンプのフロント面はイルミネーションと云い、デザインと云いオーディオマニアの心をくすぐるセンスが有ると思います。個人的には非常に素晴らしいと思っています。しかし、裏面のRCAソケットやXLRソケットのお粗末な事。材質だけで大きな「音質劣化」をしています。ここの部分が良くなるだけで相当な音質アップが出来ます。

SPやアンプによく使って有る「真鍮製」のターミナルやSP端子。これは「材質」で「伝送ロス」しています。JBL K2 S9500SE の背面の大きな「真鍮板」がこのSPのネックだと思っています。こんな所の材質なんて皆さんは「おかしい?」と疑問に思いませんか?

SPケーブルで大きく「音質」が変わるなら「ケーブルすべて」に言える訳で、出来れば良い線材にすべて交換できれば「伝送ロス」は大幅に減少できるでしょう。アンプ内部、SP箱内部も同じ事が云えます。

材質で特に注意しなければならないのは「鉛はんだ」です。この部分を「鉛レス銀入り半田」に交換するだけで大幅な改善が出来ます。半田付け箇所は数が多いので、数の分だけ効果が出てきます。

2000年以後に発売になった機器は基本的にメーカーで「鉛レス」に切り替わっています。これだけでも音質アップしていると思います。


久しぶりに「オリンパス」でベートーベン

2009年08月06日 | ピュアオーディオ

今日は外ではものすごく暑く何もする気になれません。こんな日にはクーラーのかかる部屋で音楽三昧が良さそうです。

オリンパスのウーハー LE15Aを150-4Cに交換が必要か?を考えたくて午後からベートーベンの第4,5交響曲をギュンター・バントの指揮/北ドイツ放送交響楽団の演奏で確認しています。

LE15Aはオリジナルでは「粘っこい低音」がしていましたが、このオリンパスでは「吹け切る」様な鳴り方をします。パワーアンプさえ温まればD130顔負けの「反応の早さ」で重低音を出して来ます。

このオリンパスのLE15Aは「これで良い」ですね。低域の下の方の強さが(重低音)がやはり必要です。オリンパスのシステムは8畳の部屋に置いていますので、この部屋ではそうボリュームが上げられませんが、音数も質感も私が持っているシステムでは一番のサウンドです。

一般の方の「オリンパス」のサウンドとは決定的に「質感」が違います。大音量でも非常に柔らかい音で耳当たりが良く、かと言って素晴らしく切れ込んでいきます。うるささは全く感じません。低音の「箱鳴り」も感じません。

この音の秘密は主に「専用トレール」と「Trail仕様#375」と「ルシファーケーブル」に尽きます。
特に「Trail仕様#375」の技術を獲得した為に「音数」や「質感」、「切れ込み」が違います。

#375が「吠える」、「飛んで来る」と言った独特の不具合を技術力で克服しています。これは所有する他のJBLシステムでも同じ事が云えます。

低音の鳴らし方は「トレール」でほぼ解決出来ます。中音のドライバーとホーンの鳴らし方はいろいろな実験の結果(実践経験)、「ドライバーとホーンは自然に振動させる」が基本です。

ゴールドウィングや#2350ホーンを鳴らしこむ時に、ドライバーの下に置き物を置いて高さを稼ごうとしたりしますと「ドライバーの音が死にます」。ホーンもバッフルに取り付けますと「響(余韻)がなくなってしまします」。

ゴールドウィングはハーツフィールドで使われていますが、バッフルに取り付けられていますので「響」が少なく感じます。

ドライバーとホーンの設置方法はHL88やHL90の様にドライバーのフランジ受けで専用脚を使うのが一番良いです。ホーンも「最小の点受け」が良い結果をもたらします。

#2350ホーンの設置でホーン両サイドをスペーサーで「点受け」しますと、HL-88の様な音の漂い方をします。ホーンとドライバーの設置の仕方ひとつで音の出方が大きく変わります。面白いものです。

最新のJBLでは「ホーン」が響かないように作ってあるので、古いユニットを使っているものから見ると扱いやすい「一体化デザイン」になっていると感じます。


自宅システムのウーハーのパラレル化の中止

2009年08月05日 | ピュアオーディオ

事務所のRCA箱システムの「ウーハーのパラレル化」は同じJBL同士のユニットの組み合わせで、傾向的にも似た音色の為うまくかみ合っていると思いますが、自宅は「合う・合わない」CDが極端です。

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音色と質感が合わないのとおそらくインピーダンス(テレフンケン4Ω:JBL16Ω)が合っていない事もその原因であろうと感じます。テレフンケンが低音を引っ張るような感じで聴こえると「スケール感」が小さくこじんまりしてしまう。

インピが4Ωと16Ωではどうしても4Ωの方に先に電気が流れてしまうので、これが逆だったらうまくかみ合うのかも知れません。

現状のRB46を使った状態では、こじんまりしたソースは上手く鳴りますが、オーケストラでは恰好が付きません。また別のユニットを探してトライしたいと思います。RB46は撤去せざるを得ないと感じています。JBLの#208あたりを考えています。


この頃よく聴くSP

2009年08月04日 | ピュアオーディオ

Rcabox2 最近は「RCA箱システム」をよく聴きます。
その理由として

一つには「リクライニングチェア」の導入が有ります。以前は聴きたくても「オフィイスチェア」では1時間が限界でした。「聴く姿勢」と言う「体力的」な環境も非常に大事です。

二つ目は「SPシステムは大掛かりであるがドライブ機器がシンプル」で機器のSWが3個で済むのです。CDPはSD-9500、ライントランス ST-5、プリ、パワーアンプの非常にシンプルな構成です。オリンパスシステムでは7個のSWを入れなければならない事と熱量の多さから、この時期は最悪の季節なのです。

三つ目は「ウーハーのパラレル化」の確認と表現力の豊かさです。
ウーハーの「パラレル化」は自宅でもやっていますが非常に有効です。お手持ちのSPで眠っているSPをウーハーとパラレルで繋いで音だしすると興味あるサウンドとなる事でしょう。

ツィーターやスコーカーは大きさの点から「定位」を合わせ易いですが、ウーハーは指向性が強く且つ置き場所も非常に「定位」に効いて来ます。色々と工夫をして見るのも愉しいものです。
頭の中だけで考えるのではなく「実践」して見ると「新発見」が有り楽しくなります。

SP-LE8TをD130×2発/chと組み合わせるとなかなか相性が抜群なのです。お互いの足りない所を補い合うサウンドとなり、密度が高くバランスの良い低音となります。

JAZZもクラシックもイージーリスンングもヴォーカルも何でもこなしてくれます。以前は「オリンパスシステム」を聴いてからすぐに聴くと「格落ち」の感じがしていましたが、今では「互角」かそれ以上の可能性を感じます。後はCDPとプリアンプのグレードを合わせればJBL3大ホーンシステムで1番のメイン機になると思います。

LE8Tを組み合わせてから端的に良くなったのは「ヴォーカルの定位と口の大きさ」です。#375+HL90の組み合わせではどうしても「ヴォーカルの口の大きさ」が大きかったのです。それが随分と小さくなりピンポイント化してきています。


今後のグレードアップポイント

2009年08月04日 | ピュアオーディオ

現在メインのJBL3大ホーンシステムのサウンドに満足はしているのですが、まだまだ「グレードアップ」の熱が冷めません。と言うのもまだ気にかかるポイントがそれぞれ有るからです。

まず最初は「オリンパスシステム」。
今システムで気にかかるのは低音のLE15Aの反応の鈍さ。他のシステムではD130を使っていますので「スピード感」がまるで違います。かと言ってこのシステムにもD130を使う気にはなりません。ここは150-4Cを考えています。優先順位がやや低いので「そのうち・・・」と考えています。

次に「自宅システム」。
先日ライントランスST-X-2を導入して大幅に「音質改善」しましたが、CDPにスチューダーのD732を使っているのでここはやはりD730かD731にしたいところ。現在でもAD(マイクロBL-101L+SME3012R+SPU-GE・・・C290+AD-2810のライン)よりはるかに上のサウンドを出しています。中級クラスのADPでは太刀打ちできないレベルですが、更なる上を目指したいと考えています。この707Jシステムは2面性を持っていて、小音量時でも反応の良さと質感で20cmクラスのSPシステムを寄せ付けません。大音量時はウーハーの鳴りが一変して「波動」と「弾む」サウンドを出してきます。CDPのグレードアップは第一優先に考えています。何故なら今使用しているD732をRCA箱システムに出せるから・・・。

最後にRCA箱システム。
このシステムが一番最後に組み上がった関係から、機器の充足が一番後れています。ケーブル類とSPターミナル関係は終了していて、パワーアンプも確保しています。残るはCDPとプリアンプのグレードアップです。急ぎたいのはCDP。D732かA727のいずれかかEMTの#981になると思います。EMTの981をそろそろ修理に出そうと考えています。

アンプやSP、ケーブルが揃いますと最後は入り口のソースの実力が効いて来ます。プリアンプはWE310A Trail仕様にしていますので、マッキンの復刻C-22ではこの310Aプリアンプには歯が立ちません。


ビンテージSPユニットの購入で気を付けたい事

2009年08月03日 | ピュアオーディオ

私はビンテージSPユニットを集めてSPシステムを組み上げています。今までに10セット以上組み上げたでしょうか。

40年、50年以上前のユニットを探すのですからなかなか綺麗で本来の性能を出しているようなユニットは出てきません。だいたい2セット購入して1ペアが作れると考えたが良いです。

今までに経験した不具合は、H5039ホーン(ゴールドウィング)の片方が「曲がっている」物や、#375でディフィーザーが「成型不良」(未充填)の物とかを経験しています。

外形写真で判別出来ない部分で「不具合」の有る物があります。前述した#375は「赤封印」のものでしたので「メーカー出荷検査」で抜けて出たとしか云い様がありません。また不具合を発見するまでに時間がかかりましたので「返品」も出来ません。

ウーハー類は「オリジナルコーン紙・ボイスコイル」にこだわって集めています。本来の性能を決めるのは「オリジナルな材料」と言うこだわりが有るからです。

だからと言って「すべてオリジナル」が良いとはいえません。作成された当時になかった技術やノウハウで改善してやると更に良いサウンドに変化します。

WEのトランスは本当に良い物だと思います。古ければ古いほど良い材料と難しい構造、作り方がされています。

商品は一度完成しますと企業としては「コストダウン」で利益を大きくしようと考えますので、商品の歴史や用途を考えてから購入したいものです。


位相について

2009年08月02日 | ピュアオーディオ

SPユニットのパラレル化やルシファーケーブルの開発の過程で「位相」を意識するようになりました。

簡単に云えば「サインカーブ」と「コサインカーブ」の360度の位相の中にすべての機器やケーブルが存在すると云う事です。

例えば「機器の相性」とか言われていますが、高級機器同士を組み合わせても「うまく鳴らない」場合が有ります。それはそれぞれの機器の本来持っている「位相」が近すぎるのだと思います。

「位相」は普通SPユニットのマグネットの位置の距離に対して使われたり、「同相信号」・「逆走信号」の様な使われ方をしていますが、私のイメージでは「すべての機器やパーツ、ケーブルに位相が有る」のだと思っています。

サインカーブ一つの出方をするより180度位相がずれて複数のカーブが重なって音が出てくる方が「音が豊か」になります。

これに気付いたのはSPケーブル SCS-33(化け物ケーブル)とSCS-34(ルシファーケーブル)の比較試聴をした時です。

SCS-33は1本のケーブルで出来ています、そのサインカーブは1本です。これに対しSCS-33は2本のカーブを描くように作成しました、

例えばSCS-34で「あ-------」と言う声を聴いてからSCS-33を聴くと「あッ・あッ・あッ・あッ・あッ・・・・」と云う風に聴こえます。

そもそもサインカーブで音が出るのはサインカーブの「山」の部分で「谷」の部分では音は出ません。繋がって聞こえるのは人間の脳が「イメージ」しているからなのです。デジタルの原理と同じです。整流回路で「直流」にしているからと言って「谷」がなくなった訳ではないように感じます・

原理的に「谷」の部分を補う「山」を持った「位相」成分を出せる様にすれば「音の途切れ」はなくなります。それは「なめらかさ」と「音数」に端緒に現れます。

この時は「ケーブル」だけの世界かと思っていましたが「SPユニット」の世界も同じ事が云えそうです。「SPユニットのパラレル化」の実験をしていて、同じようなユニットの組み合わせより、180度違う傾向のユニットを組み合わせた方が「音数が多くてバランスが良く滑らか」なのです。同一傾向のユニットを組み合わせた時は同じケーブル同士を組み合わせた時と同じで、「迫力(サインカーブの振幅の大きさ)は出るがバランスが団子山」の状態でとても長く聴いていられません。

そして今は各CDPやアンプ・SPにも「各々固有の位相」が有ると考えるようになりました。これが「組み合わせの妙」を裏付ける原理だと思います。

皆さんもこの「位相」を意識して組み合わせを考えてみてはいかがでしょうか?


低域のパラレル化 その後

2009年08月01日 | ピュアオーディオ

7月10日前後から自宅システムとRCA箱システムの低域(500Hz以下)をパラレル化して実験を続けてきました。
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ようやくその「表現の世界」にも慣れてきました。結果は「GOOD!!」です。

3ウェイのマルチもやっていますので、低音・中音・高音とそれぞれ単一で音の量の確認をしてみますと「全体の音の70%くらい」が500Hz以下で出ています。この500Hz以下の帯域の密度を上げてやれば「表現力」が大幅に改善できるはず???の思いから始めました。

もう一つの効果は「音のゆとり」です。1つのユニットでは「ピンピン」に張りつめたエネルギーを放出します。パラレル化しますとこの「圧力」を軽く抜く事が出来ます。こちらの方が「より自然な」音の出方になります。

結果として自宅システムでは「眼前にステージ」が出来る様になりました。音数(情報量)も非常に増えています。D130とテレフンケンのウーハーの得意とする帯域が違うのでうまく補完しているようです。
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今日はRCA箱システムにLE8Tを使って低域のパラレル化して1日中楽しんでいましたが、LE8Tを追加するとしないでは「スケール感」がまるで違います。もう外せなくなりつつ有ります。
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