SPユニットのパラレル化やルシファーケーブルの開発の過程で「位相」を意識するようになりました。
簡単に云えば「サインカーブ」と「コサインカーブ」の360度の位相の中にすべての機器やケーブルが存在すると云う事です。
例えば「機器の相性」とか言われていますが、高級機器同士を組み合わせても「うまく鳴らない」場合が有ります。それはそれぞれの機器の本来持っている「位相」が近すぎるのだと思います。
「位相」は普通SPユニットのマグネットの位置の距離に対して使われたり、「同相信号」・「逆走信号」の様な使われ方をしていますが、私のイメージでは「すべての機器やパーツ、ケーブルに位相が有る」のだと思っています。
サインカーブ一つの出方をするより180度位相がずれて複数のカーブが重なって音が出てくる方が「音が豊か」になります。
これに気付いたのはSPケーブル SCS-33(化け物ケーブル)とSCS-34(ルシファーケーブル)の比較試聴をした時です。
SCS-33は1本のケーブルで出来ています、そのサインカーブは1本です。これに対しSCS-33は2本のカーブを描くように作成しました、
例えばSCS-34で「あ-------」と言う声を聴いてからSCS-33を聴くと「あッ・あッ・あッ・あッ・あッ・・・・」と云う風に聴こえます。
そもそもサインカーブで音が出るのはサインカーブの「山」の部分で「谷」の部分では音は出ません。繋がって聞こえるのは人間の脳が「イメージ」しているからなのです。デジタルの原理と同じです。整流回路で「直流」にしているからと言って「谷」がなくなった訳ではないように感じます・
原理的に「谷」の部分を補う「山」を持った「位相」成分を出せる様にすれば「音の途切れ」はなくなります。それは「なめらかさ」と「音数」に端緒に現れます。
この時は「ケーブル」だけの世界かと思っていましたが「SPユニット」の世界も同じ事が云えそうです。「SPユニットのパラレル化」の実験をしていて、同じようなユニットの組み合わせより、180度違う傾向のユニットを組み合わせた方が「音数が多くてバランスが良く滑らか」なのです。同一傾向のユニットを組み合わせた時は同じケーブル同士を組み合わせた時と同じで、「迫力(サインカーブの振幅の大きさ)は出るがバランスが団子山」の状態でとても長く聴いていられません。
そして今は各CDPやアンプ・SPにも「各々固有の位相」が有ると考えるようになりました。これが「組み合わせの妙」を裏付ける原理だと思います。
皆さんもこの「位相」を意識して組み合わせを考えてみてはいかがでしょうか?