ニコ、酒場で戯言

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なべ presents

美しき肢体

2005-01-23 02:00:20 | 雑記
タイトルで男性陣の気持ちをガッチリとつかんだところで、
むさ苦しい相撲の話である。期待した諸君、正直すまん。

2005年の初場所は朝青龍の圧勝で幕を閉じようとしている。
その強さは、歴代の近年の横綱の中でも抜きん出ていて、
かつ、一昔前に訪れた『日本人力士を巻き込んだパワー指向』時代
に大いなる楔を打ち込んだ見事な相撲っぷりだと感じる。

私はスポーツを好きではあるが、ブームの格闘技全般は門外漢で相撲に関しても
それほど詳しくはないのだが、この朝青龍の速く、しなやかで、良い意味で
狡猾な取り口に唸ることしきりである。何よりキャラクターを
持っているという点で横綱らしい。相撲は伝統芸能なのか、それとも
スポーツ・コンペティションなのか、それともその合間のグレイゾーン
なのかは人それぞれに意見があるだろうが、どの観点においても
朝青龍は立派な横綱だと思う。横綱ってのは応援されたり同情されたり
しちゃあ、情けないですわな。日本人横綱が誕生しても、そうなってしまっては
それこそ横綱の品位を落とすのではないかと思ってしまう。

その朝青龍と並んで注目の力士といえば、私はやはり白鵬だと思う。
まだ若く(19歳)勿論朝青龍ほどの完璧なトータル値には程遠い
ものの、彼の持つノーブルな筋肉には注目することしきりである。
色が白いから美しく見えるのではない。柔らかそうな筋肉の質感が
スポーツ馬鹿の関心を惹くのである。

その伸縮(筋肉)の自在性を持って、取り口には柔軟性がある。背丈も
かなりあるためにスケール感もあるが、取り口にみられる奥行きのスケール感
もかなりあるように思う。今場所もチラっとしか見ていないが、私が見て
圧巻だったのが大関千代大海戦。今場所成績的には良くない千代大海がコンディション
の面でどうだったのかは知らないが、その大関の突き押しをかなりまともに食らい
ながら、身体のバランスと柔軟性だけ(のように感じた)で凌ぎ、体を入れ替え
逆に突き出してしまった。圧巻である。

まだ、朝青龍のように攻撃的な凄みを発散することはないようだが、
体力面やスピード面でレベルアップしていくと、これは評判通り、
大器なんだと唸ってしまった。

上に『日本人を巻き込んだパワー指向』と書いたが、このモンゴル系
の力士たちがもたらしたのは、『“お相撲さん”を逸脱した運動神経重視指向』
なのかもしれない。まあ、凄く昔の相撲のVTR(白黒時代)を観ると、その時代
に戻っただけなのか、とも思えなくもないが、これは相撲(格闘技)素人の戯言か。