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いつになっても「後で考える」原発行政

2015-02-17 23:28:11 | 社会・経済
17日は朝から大きな地震が東北でありましたね。

震度こそ4でしたが岩手県に津波注意報が発令され、
避難勧告を受けた地区もあったとのことで、
311を思い出さずにはいられなかった人も多いでしょう。

そしてその後、青森県で震度5強を記録する地震が続きました。
津波こそ起きませんでしたし、幸い大きな被害も見られなかったようですが、
311のような地震や津波はいつでも起こりえるのだということを、
改めて知らされたのではないでしょうか。


17日というと、原発から生じる放射性廃棄物の処分に関する、
国の基本方針の改正案が大筋で了承されたとのことですが、
こうした大した反省もなく原発再稼働に踏み切ろうとする動きに対する、
自然からの警告が今日の連続した大きな地震だったんじゃないかと思わせます。

その、改正案ってのはこんなカンジのようです。


 核のゴミ処分 基本方針の改定案大筋了承

 原発から出るいわゆる核のゴミの処分について、国の「基本方針」の
 改定案が経済産業省の専門家会議で大筋で了承されました。
 技術的な問題などがあれば処分を中止して回収できるようにすることや、
 候補地になる地域の住民との対話の場を設けることなどが新たな柱になっていて、
 今後より具体的な計画を策定し、幅広い理解を得ながら進めていけるかが課題になります。

 原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる“核のゴミ”は、
 地下300メートルより深い安定した地層に埋める「地層処分」をする計画ですが、
 国が13年前に始めた公募による処分場の候補地探しが進まず、
 経済産業省の専門家会議が抜本的な見直しを進めてきました。
 新しい「基本方針」の案は17日の会議に示され、大筋で了承されました。
 それによりますと、新たな柱として、地層処分の計画は維持しながら
 技術的な問題などが明らかになった場合や政策の変更に対応するため、
 埋めたあとでも処分を中止して回収できるようにすること、
 処分場の候補地は国が適した「有望地」を示したうえで、
 住民との対話の場を設けて合意を得ることを盛り込んでいます。
 また現在は、使用済み核燃料を再処理したあと、ガラスと固めた廃棄物を
 処分するとしていますが、処分までには時間がかかることなどから、
 使用済み核燃料を保管する場所を拡大することや、
 再処理せずに直接処分するための調査研究も進めるとしています。
 今回の基本方針案について、政府は今後一般からの意見募集をへて
 来月下旬に閣議決定したいとしています。
 核のゴミの処分を巡っては、安全性や政策の進め方に対する不信や不安が根強く、
 今後より具体的な計画を策定し、幅広い理解を得ながら進めていけるかが課題になります。
 会議のあと、増田寛也委員長は「安全性の観点から有望地を選ぶとか、
 地域で合意形成のための対話の場を作るとか基本的な考え方には多くの国民に
 異論がないと思う。ただ、具体的にどう進めるかはいろいろな意見があるだろう。
 まずは高レベル放射性廃棄物がどういう問題を抱えているかということから、
 国民に理解してもらわなければいけない。基本方針が閣議決定されたら、
 経済産業省が全国各地で説明していってもらいたい」と話しました。
 (以下略)


えーっと、今回の改正案のポイントは、

 技術的な問題などが明らかになった場合や政策の変更に対応するため、
 埋めたあとでも処分を中止して回収できるようにすること、
 処分場の候補地は国が適した「有望地」を示したうえで、
 住民との対話の場を設けて合意を得ること

なんですね?

ってことは、これまでは、なんか問題が起きたときに埋めた後に
回収したりすることはできなかった、つまり中止はできなかったし、
処分場候補地の住民との対話の場は設けなくてもよかった、ってことですか?


そんな行政がまかり通っていたことってのがビックリですし、
そこに目を光らせないでいた国民側も、反省しなければなりませんね。

ま、そんなことまでわかんねーよ、って状況ではあったとも思いますが、
やはり原発問題への無関心がそうさせていたのですよ。
これからはそうであってはいけません。


で、こんな改正案がどれだけ役に立つのかも怪しいですがそもそも、
最終処分ってのが技術的にできるのか、ってこともそうですし、
安定した地盤に埋めることが前提になっているのってどうなんでしょう。
日本にそんな地盤があるのでしょうか。

仮にあったとしても、人間の知見では予見できない事態、
火山の噴火や地震といったことが起きないと断定はできません。
起こりえるのです。

起こったときに、それがトラブルとなったときに、どうするんでしょうか。

300メートルだか何メートルだか知りませんが、
地震かなにかでトラブルが起こったときに、
そんな地下の出来事に対して、どんな対処ができるっていうんでしょうか。

あ、でもアレか、地下でナニか起きたかどうかさえわからないかもしれませんね。
ナニもなかったことになってしまうと。なるほどなるほど。


ま、そんなカンジで、制御できないものは制御できないんですから、
これ以上、原発を動かすなんて選択が優先されるのっておかしいと思いますが。

だって何万年管理するんでしたっけ?

人間が文明を持ってから年万年です?
まだたかだか数千年ですよ。


それでも、政府は原発再稼働ありきで今回の最終処分場の件とか、
新しい原発安全基準とかを進めているようです。

ま、仮に今後はいっさいの原発再稼働をしないところで、
今ある核のゴミはなんとかしなきゃいけない問題は残るのですけど。

厄介なエネルギーに手を出しちゃったもんですね、人間は。

よくわかんないことは後でなんとかなるんじゃね?
ってなことでなんともなることなくここまできてしまったのですよ。

そんでまた後でなんとかなるんじゃね?
みたいな方針を立て、了承したりしているワケです。


ギリシャ神話にエピメテウスという人物が登場します。
人間に火を与えて最高神ゼウスから罰せられたプロメテウスの弟で、
名前は「後で考える者」という意味です。

火を扱うことで傲慢になった人間への罰として、
神々はパンドラという女性を地上に送り込みます。
パンドラの色香に屈し、妻として彼女を迎え入れたのがエピメテウスです。

そしてパンドラは余計な好奇心から、エピメテウスから開けてはいけないと
言われていた箱を開けてしまい、世界中に災厄を撒き散らすことになったのです。


神話というのは何らかのモデルとなる事実があり、
それを題材とした物語によって後世に知恵や戒めや、
教訓を伝えようとしているのだと思うのですけど、原発の件を見る限りでは、
そうした古代人の想いは現代人に全く理解されてないようですね。
 

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