Do you remember rock'n' roll radio?

Macとか音楽とかサッカーとか気にくわないニュースとか、独りよがりの邪推と妄想

「ふくしま新発売。」品のないキャンペーンだね

2011-08-21 15:09:07 | 社会・経済
福島第一原発事故による放射性物質の放出量が現在では事故直後の
1000万分の一にまで減っている、ということですが。


 福島原発の放射性物質、事故後の1000万分の1に

 東京電力は17日、福島第1原子力発電所の原子炉建屋から今も、
 1時間あたり最大で推定2億ベクレルの放射性物質が出ていると発表した。
 放出に伴う発電所の敷地境界での放射線量は年間0.4ミリシーベルトと試算した。
 放射性物質の放出量は事故直後に比べ1000万分の1にまで減ったが、
 できるだけゼロに近づけていくため、建屋を覆うカバーの設置などを急ぐ。


今現在の放出量が1時間で約2億ベクレルで、事故直後はこの1000万倍あった、と。

ん~つまり、単位がいくらになるのがわかりませんが、
1時間あたり、2億の1000万倍ベクレルが放出されていたってことですね?


今では事故当時、そんな報道があったかどうか忘れてしまいましたけど、
これってやっぱり凄い量なんですよねえ?

今でさえ福島第一原発近くには立ち寄れないのに、
事故直後はその1000万倍の放射線が放出されていたんですよ?

でもなんかその当時って、大丈夫大丈夫って、
そんなことばかり言ってたような気がしますが、ひょっとして、
1時間あたり2億の1000万倍ベクレルって、大したことないんですか?


ここ最近、当時の事故状況が何事もなかったかのようにシレっと流される、
そんなことが数多くあるように思えるのですが、自分が懐疑的すぎるのでしょうか。


そんな原発事故の被害を被っている福島ですが、こんなことを始めたようです。





 県が「ふくしま新発売。」プロジェクトをスタート

 福島第1原発事故で大きな打撃を受けたイメージを一新し、
 全国に農林水産物の安全性をアピールしようと、福島県は17日、
 「ふくしま新発売。」プロジェクトをスタートさせた。
 「ふくしま新発売。」には、県全体が新たな未来に向かって歩みだす意味を込めた。
 専用のホームページを開設し、県産農林水産物のモニタリング結果などを公開するほか、
 首都圏での販売イベントや福島への収穫ツアーなども実施する。

 佐藤雄平知事やプロジェクトサポーターの女優三田佳子さんらが、都内で記者会見して発表した。
 佐藤知事は「放射能という目に見えない恐怖から、風評被害が深刻。
 生産者の思いを消費者に伝え、新たな信頼関係を構築していく」と述べた。
 映画「遠き落日」で野口英世の母を演じた縁で、長く福島のPRに関わっている三田さんは
 「プロジェクトを機に福島産の食べ物がスーパーなどに並ぶようにしてほしい。
 自信を持って福島のために役に立ちたい」と話した。


やること間違ってません?

というか、これじゃ被災地の農家を救うことにはならないでしょうに。
それどころか、ますます食の不安を、福島への不信を増すことになりませんか。

安全安心というなら、その根拠を示せるのでしょうか。
そういう品質保証がちゃんとあってこそ販売促進ができるというものですが、
それを等閑にしたままのPRキャンペーンにしか見えません。


全部検査した上で、汚染されてない商品だけを出荷できるなら、
そうした品質を担保できるなら、店頭に福島産作物を並べてもいいでしょう。

できないなら勇気を持って出荷を見合わせるべきです。
それこそ福島を守ることであると思います。


食べて応援するの!っていう自己犠牲精神旺盛な消費者は買えばよろしいのですが、
これが「がんばろう東北」とさるようじゃいけないんじゃないでしょうか。

原発の事故さえなければ、積極的に東北産を食べよう、は自分も大賛成なんですが、
放射能汚染がどれくらい拡がっているかわからない状況で言えることではありません。

被災地を救うという美しいモチベーション喚起しておいて、
代わりに少し被爆するかもね、でもそれも「がんばろう東北」の一部だから!
なんて下心がコッソリ隠れているようでは、これは無責任だというものです。


三田さんは「店頭に出ている商品は大丈夫」と仰ったそうですが、
それはそうであって欲しいと自分も以前は思っていましたが、
セシウム汚染牛が流通していた問題もあって、
それも信用出来ない状況になってしまったのですよ。

対策がずさんで、都合の悪いことは隠し続けているのではないか、
そんな不信が消費者をとらえているのであって、それを払拭するためには、
放射能汚染の疑いのある食品は流通させない、土壌や生産設備などを除染する、
そうした努力をし、それらが達成されなくてはなりません。


それを、がんばろう東北、ってな掛け声だけでなんとかなる筈はないのです。
こんな脳天気なキャンペーンで解決するわけないではありませんか。
それに乗っかっていかなければならない福島の生産者がかえって可哀相ですよ。


疑いの晴れない作物は流通させず、除染を優先する。

その賠償は正当に東電と政府にするなら、それこそ国民は応援すべきで、
それこそ、がんばろう東北!になるのです。


そりゃ、自治体や国の役人にしたって、いくら福島産だからって、
安全な作物があれば流通させたいという強い思いはあるでしょうし、
そのためにできることはしたいと頑張っておられる方はいると思います。

その思いがこのキャンペーンになっているのかもしれませんが、
だから、そうした広報担当の役人さんにも少しは同情するのですけれども。


でもですね、生肉ユッケで食中毒起こした焼き肉屋さんが、
流通とかマニュアルを見直して再び生肉ユッケをお店で提供するとして、

 お待たせしました! 生肉ユッケ再開キャンペーンです!

なんて始めたとしたら、どうですか?

そんなキャンペーンなどできるわけありません。
でも今回の、福島についてはたいした安心安全だと大丈夫だと流通させようとする。


たとえセシウムが検出されたところで、基準値以下だと言って、
そりゃあ短期的に何度か食べたくらいで健康被害に直結することはないとは思います。

でもそれを食べ続けることができるでしょうか。
長期にわたって食べ続けるうちに、体内に蓄積されることが怖いのです。

それがいつ、どのように影響が起きるかは誰にもわからない。
でも、ほとんど何らか影響があるだろうことは、何となくわかる。

そんな汚染された作物を消費者に摂取させる活動になり得るんじゃないかと、
なんとも脳天気で無責任で品のないキャンペーンに思えてしまうのですけど。


ま、でも、そのうちアレですかね。
どっかのスーパーで、「ふくしま新発売。」キャンペーンなんかを、
大々的にやってくれるんじゃないでしょうかね。

そこで消費者の評判も売れ行きも上々、ってなことがニュースになる。

え?
誰が買うのかって?

そりゃ、企画した役人さんの家族とか、キャンペーンを請け負った広告会社や
PR会社の社員とかその家族が、買いに出かけるのですよ。

そうやって、キャンペーンの実績を作るのですよ。


ところで、牛や鶏を一斉処分した口蹄疫も鳥インフルエンザのときと、
まったく対応が違うように思えるのは自分だけでしょうか。

この違いはやはり、放射能の影響をなるべく過小評価しようとする意思が
あるんじゃないかと疑ってしまうのですけどね。

要は、東電その他の原発村になるべく責任が及ばないような、
そういう画策の一環なんじゃないかと。どうでしょうか?