NAGAHAMA NOTE

日々、学習塾を運営していて感じることを塾長、永濱が綴っています。

ゆとり教育のねらい

2014年10月06日 23時25分06秒 | 教育の話題
学習時間の削減だけが先走った感が否めない
前回の指導要領の改訂は「ゆとり教育」と言われ
既に今は前回の内容にまでほぼ戻されています。
(土曜日の分、指導時間は減っています。)

ただ、ゆとり教育の本当のねらい、というのもあって
そこまで理解して否定している人は
あまりいないのではないかと思います。

子どもの成長過程、発達心理の観点から
その内容には大きく分けて10ほどのカテゴリーがあり
「学力の成長」はそのうちの1つです。

自己肯定や他者肯定など様々な分野の発達を
段階的に、そして総合的に見ていくことで
本当に健全で賢い子どもへと成長していきます。

それは学校のように集団生活の中でしか
体得できないものが多く
社会に出てからは学力よりもむしろ
大事な分野だと言っても良いと思います。
(部活、学園祭、休み時間、修学旅行、道徳など。)


大切なのはそれらのバランスです。
「学力」だけが著しく優れていたり、逆に劣っていては
バランスが良くないので健全とは言えません。


前回の指導要領の削減はここに注目して
「最低ラインの学力」を想定したというわけです。

学力アップばかりに時間が割かれてはいけない。
学校の教科書以上の内容に関しては
体育同様、各個人の自由にしよう!となったわけです。


残念ながら、教育者全体にそのねらいが
徹底できなかったのだと思います。

その理由は様々だと思いますが
僕も正直、ここまで深く考えていませんでした。


ゆとり教育で育った世代の人たちは今
世界で活躍されています。特にスポーツは顕著ですね。

指導要領は元に戻されましたが
時間までは戻っていません。

学校での指導はたいへんだと思いますが
自由に使える時間は変わっていません。


学力を上げるも良し、体力を上げるも良し
芸術面を伸ばすも良しです。

時間はみんな平等にあるわけですからね。
ぜひ、学力だけに目が行かないように
いろいろな分野に目を向けていって欲しいです。