The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

パーカー・ポイント狂想曲

2009-07-15 19:58:36 | ワイン
今回の『闇なべ』の出展ワインのヒントの一つに、
『P.P.100点ですか?』というのが有りましたが、
実は本当に出しました。

そのワインは・・・

1999 コート・ロティ ラ・ブロンドー ルネ・ロスタン

このワインは、アドヴォケイトが届く前に、何も知らずに買い込んだ物でして、
後で『これって、P.P.100点だったんだわ~~!』てな調子だったんですね・・・

それと同時に、ルネ・ロスタンの97’コート・ロティ キュベ・テロワールも、
数本買いましたので、100点発見後もキュベ・テロワールでお茶を濁していた、という経緯があります。

ですから、数千円で購入した100点ワインが、
手付かずにあったというのも、その辺が理由なんですね・・・

そんなことで、狂想曲の渦中から逃れていたワインだったわけです!

さて、10年の熟成を経て、
このコート・ロティはどのようにメタモルフォーゼしたのでしょう?

オソラク、見た目はポートワインのよう・・・
極限に煮詰めたガーネットの液体には、充分な輝きもあります。

茹でたアズキの風味の立ち上がりに、モカマタリの焙煎の香気、
レーズンを練りこんだチョコに、熟したプルーンとプラムの香り・・・
とにかく濃厚です!

味わいは甘く、舌触りはあくまでもシルクタッチ!
濃厚さの影に酸度が埋もれています。
しかしながら、総体的な調和のフルーツで、モッタリ感はありません!

100点と言われれば、100点にしても良しですが・・・

他の100点と比べれば、どうよ?てことでしょう・・・

最近こんな事がありました。
1982年のシャトー・ぺトリュスが、
100点から93点い格下げになったとの事・・・

まあ、点数付ける方は『メンゴ、メンゴ』ですむわけですが、
それによって起きうる価格の高騰、
すなわち『パーカーポイント狂想曲』はどうしてくれるんでしょう?

やはり、自分の舌を信じる他ないでしょう・・・

1985 ジュブレイ・コンブ・オー・モアンヌ フィリップ・ルクレール

2009-07-14 18:31:45 | ワイン
まず、1985年について言えば、ジャッキー・Rゴーも、
『偉大な年』ではあるが、『例外的』とは言えないと記しています。

つまり、ブルゴーニュの赤の当たり年、1978年や1990年、
更に加えれば1989年と1988年よりも見劣りすると、
感じているようなんですね・・・

但し、収穫された葡萄を適切な処理を行った幾つかの造り手は、
類まれなる凝縮性と調和を見る事ができたようです。

さて今回のルクレール・・・

購入経路は、平行で直接ボルドーの『グランクリュ・マグナム社』から輸入したものなんですね・・・

しかも我が家のセラーの15度C温度帯で動かさず・・・
どんな熟成具合か?興味深々でした。

大ぶりのバルーンタイプに注がれた瞬間、
湿った森林に囲まれた、ジュブレイの大地の香りに包まれました。

色合いは濃厚なガーネットに輝き、
エッジは僅かにアンバーなニュアンスを湛えます。

セミドライのプラムと熟したレッドフルーツのアロマに黒胡椒のアクセント・・・
土の風味とミネラル感の重く沈んだトップの香気は、30分の待ちで程なく消え、ふつふつと湧き立つエキゾティックなフレーヴァーが、全面を支配します。
最後に残るのは、熟成ピノには是非あって欲しい、
心温まる滋養の香り・・・24年待った甲斐がありました♪

濃密に甘く凝縮したフルーツにも、そろそろ要素の溶け込みが始まり、
85’にしては、たっぷりの心地よい酸味の下支えも相まって、
大柄で、無骨なコンブ・オー・モアンヌもフィネスといえる、
見事な調和の妙を感じるステージになってきたようです。

精霊の降りたかのようなジュブレイに出会いました。

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1999年のコンブ・オー・モアンヌですが、この値段↓


赤鬼の傑作はどうなったのでしょうか?

2009-07-14 00:35:07 | ワイン
A-ネスト・Sンガー日本語訳の『ブルゴーニュ Rバート・M・パーK-』が、
この世に出たときに、相当数のワインヒートがこの本を、
舐めるように見たそうですが、ワタクシもその中の一人です・・・

1985年はブルゴーニュの赤ワインにとって、世紀のヴィンテージと、
誉めそやされましたが、ハタシテソウなのか?という意見も、
その頃から、それなりにありました。

実際、その本の評価でも高得点は散見されますが、
ひどい物はひどい・・・

そんな中、私の目を引いた幾つかの85年ものの中に、
このワインが有ったワケです!

1985 ジュブレイ・シャンベルタン・コンブ・オー・モアンヌ  
                         フィリップ・ルクレール

R.P.が下したパーカー・ポイントは96点!

同じ85’物では、ロマネ・コンティと、
ドメーヌ・ルロワのマジ・キュベ・マドレーヌ・コリニョンが100点、
ラ・ターシュとデュジャックのボンヌ・マールが97点、
リッシュブール DRC が同じく96点という評価だったんですね・・・

赤鬼といいましたが、『ヘルズ・エンジェルス』という暴走族の幹部やら、
『クレイジーな野人』とも評されたフィリップ・ルクレールの外見と、
これが本当に熟成するのか?との思えるほど、
強烈で、野暮で、無骨な彼のジュブレイを鑑みるに、
なるほど96点ですか・・・・それもいいでしょう、
まずは一本気長に押さえておくか?
という思いで、所持しておいた代物でした。

さて、24年後の昨晩、開けた玉手箱から出てきた、
その味わいはハタシテ?

この続きは後ほど・・・

気がつきましたでしょうか?

2009-07-13 21:46:10 | ワイン
今回の『真夏の闇なべ』を開催するにあたり、
『鬼が出るか、蛇がでるか?』などや、
取り合えず『闇なべ』などというテーマなど、
何かワイン新興国のキワモノでも出るかのような演出を、
そこいらに散りばめて置きましたんですが・・・・

もうお気づきでしょうか?

ソウナンデス!

今回の『真夏の闇なべ』の出展ワインは、フランス産一本に絞りました!

どうです?
参加のワインヒートの皆さん!
終わった後の余韻・・・安定感アリマシタデショ!

保守本流のワインの流れ・・・
楽しむ事出来たでしょうか?

跪いて飲むべきワイン・・・

2009-07-13 19:33:10 | ワイン
恒例『真夏の闇なべ』には、10名のワインヒートが集合いたしました。

まあ、私事で恐縮ですが、日付が変われば7.13マイ・バースデイという、
日程でしたので、もちろん今回も1953年物を出させていただきました。

折りしも、前日にはMッシェルのT君の第一子誕生の朗報も入り、
なんとなく皆さん、最初から大盛り上がり!

まずはバロン・ド・ロートシルトのシャンパーニュをダブルで、
続いてT君持込の垂涎のレコルタン♪『ジャック・セロス』の希少キュベ、
『コントラスト』をいただけると知るや、
テンション押さえようたって無理というもの・・・

そんな感じでスタートした第119回目のオテル・ド・ヤマダ!
まずはワインリストをご覧下さい↓

1.NV Champagne Baron de Rothchild

2.NV Contraste Champagne Jaques Selosse

3.2005 Nuit St George Clos des Foret Saint George Domaine L'Arlot MG

4.2005 Gevrey Chambertin Combe Aut Moines Rene Lecrerc

5.1995 Montrachet Etienne Sauzet

6.1985 Gevrey Chambertin Combe Aut Moines Philippe Lecrerc

7.1985 Ch. Montrose St-Estephe

8.1999 Cotes Rotie La Blonde Rene Rostang

9.1953 Alsace Grands Reserve Schlumberger Traminer

という流れ・・・
これを全て目隠しで出したんですね!

キュジーヌは『Nッフ・デュ・パプ』の特別メニュー♪であります。

三つのヒントの一つ目!
『跪いて飲むべし?』ですが、
ご存知アレクサンドル・デュマの名文句ですよね!

その跪くべきワイン、モンラッシェが・・・実はでました。

それも黄金ヴィンテージの1995♪
造り手は『エティエンヌ・ソゼ』・・・

モンラッシェを語るには、このドメーヌは外せないでしょう!

トップリと黄金に色付き始めたモンラッシェです・・・

微かなマンダリンの香気に熟したプラムを感じます!
加えてモンラッシェのティピシテ、マロングラッセの風味のアクセント♪

あたかも、イスラムのモスクに迷い込んだかのような、
退廃へと誘うユラユラした香料は何でしょうか?

味わいはDRCの粘凋性はなく、壮麗な酸味に裏打ちされた、
穏やかな凪ぎの大海原を連想させる、調和のフルーツを楽しめます。

これから、10年が熟成の高原部・・・
入り口から大平原が見渡せる所に達したのでしょうか?

デュマでは無いですが、跪きたくなりました!

皆さんはいかがでしたでしょうか?
個別のコメントは後ほど・・・

ではまた!

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最近のヴィンテージでも、この値段です↓