The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

M上春樹の意識世界・・・

2009-07-29 05:27:23 | ライフ
『1Q84』が売れに売れているとの噂を聞き、
早くそこへ辿り着きたいものだなあ・・・

と考えておりましたが、この作家に関しては、
あまりのシュールさに、理解不能に陥り、途中で挫けてしまう、
そんな可能性が大いにあるわけでして・・・

ですから、肩慣らしが必要と考えました。

その最初の肩慣らしが、『アフターダーク』だったんですね・・・

そして一昨日、M上中期の長編の傑作『ノルウェイの森』の上下2冊を、
久しぶりに読み直しました。

ナゼ『ノルウェイの森』なのか?

それは来年には、映画化の予定との事・・・
そしてこの小説の時代が、ワタクシの大学生活の時代の5年前、
の背景である事・・・

もちろん、舞台は東京と仙台ではだいぶ違いますが・・・

更に、これが一番の理由でしょうが、解りやすいという事になります。

これを読む事で、ある意味『ワタクシのセピア色の異界』、
が再生されるんですね・・・

『小説を書くというのは・・・
多くの部分で自己治療的な行為であると僕は思います。』

すなわち、M上春樹に言わせれば、『何かのメッセージがあって、
小説を書くのではなくて、自分の中にどんなメッセージがあるかを探し出す為に、
小説を書いているような気がします。』(河合隼雄氏との対談にて)
ということです。

てことは、これを理解する為には、
M上春樹の意識世界まで踏み入る必要があるってこと?なんですね・・・

『ノルウェイの森』での主人公ワタナベは、
自分の周りで起こる死の側面に呑み込まれた人々と遭遇しながらも、
その呪縛から少しずつ解き放たれるわけですが、
70年代の東京での学生生活を舞台に、
ソコに至るまでのワタナベを通しての、
作者本人の意識世界の変容が描かれている・・・という事でしょう!

サア、二回目読みきったところで、
肩慣らしは充分と言えるでしょうか?

いずれ、M上は難しい・・・ですよね!
現在『ダンス!ダンス!ダンス!』を読んでいます。