普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

原発運転再開が何故これほど揉めるのか

2012-04-23 16:54:28 | 電力、原発

・原発事故の責任の99%は東電・現場の詳しいことは何も知らない原子力の専門家・現場の声が全く聞こえない不思議・読売の責任・公平なベトナム首相の意見
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読売新聞が4月11日の自民党公約原案 TPPや原発に及び腰過ぎる の社説に続いて今朝も、原発再稼働問題 自民党は傍観すべきではない と自民党の尻を叩いています。
前回の社説と内容は似たりよったりですがその概要です。
・長年原子力政策を進めてきた自民党が、政府に全ての責任を押しつけ、他人事のような態度を取るのは理解しがたい。原発の再稼働に向け、政府を積極的に側面支援すべきではないか。
・谷垣総裁は「再稼働を行わなければ、日本経済の混乱やいろいろな不都合が起こる」と述べ、自民党の総合エネルギー政策特命委員会がまとめた中間報告でも「万全な安全確保と地元住民の理解・納得を前提」に、再稼働を推進すると明記したにもかかわらず、再稼働に向けた自民党の動きは鈍い。
・自民党は、東日本大震災の復興策で政府に様々な提言をしてきたように、原発問題でも再稼働を後押しする建設的な意見を提示してはどうか。自民党の政策の一貫性を示すことが肝要である。
・中長期の原発政策についても、自民党の姿勢は物足りない。次期衆院選公約の原案では「10年で国民的議論」と、結論を先送りした。原発に批判的な議員を党内に抱え、方向性を打ち出すことができなかったためだ。
・太陽光や風力など、再生可能エネルギーの拡大を期待したいが、確かな展望があるわけではない。石原幹事長が指摘する通り、古い原発を廃炉にするだけでなく、より信頼性の高い新型に置き換えていくことも必要だろう。
・谷垣総裁は原発の活用を含む、現実的なエネルギー政策の策定に指導力を発揮してもらいたい。

・民主党も地元から理解を得るためにも、無責任な「脱原発」路線と決別するのが筋である。
[私の意見]
・読売の指摘した点総て賛成です。
・自民党の「10年で国民的議論」よりも当面の対策を示し、十年先の方針は今から直ぐでも議論するのが元の政権与党の自民党の責任です。
・この問題がこのようにこじれた理由ははっきりしています。
a.政府が今回の事故は政府にもあるとしたこと。
勿論事故後の菅さん以下の処理の責任は政府にもありますが、事故の起こした責任は99%は東電にあります。
 何故なら原発の運転・保全の責任は東電にあるからです。
 つまり原発を運転する以上、現場の人達は学者や監督官庁の保安院より細部に亙って知って置かねばならないし、事故を起こさないようにするのが、東電と現場の責任だからです。
 学者や保安院からいわれなくても設備を維持し改善して行くのは現場の責任であり、その意見を取り上げるのは東電の責任です。
 事実今まで知られた事故の原因は、非常用電源の喪失、その設置場所が福島第二では原子炉建屋にしたのに第一はそのまま、ベント弁の不具合、燃料タンクの流失、はっきりはしないが配管の一部の破損の可能性、計装機器の浸水などなど現場でしか判らないか、現場で気付くことばかりです。
 それと現場の人がやり勝ちな不具合点の監督官庁への隠蔽体質。とくに東電関係の原発トラブルの隠蔽は他の原発に比べて遥かに多いようです。
 その責任がはっきりしないことが事柄をややこしくして、政府・国会の事故調査委員会は肝心の事故の直接原因の解明はほったらかして、事故後の処理ばかりつついています。
 そして大飯原発の運転再開で地方自治体から、事故原因の解明もなくそれに基づく安全基準もないと反対されて居ます。
 もし原発事故の責任が少なくとも99%だとすれば、後は放って置いても、原発を持つ会社は設備の運転、改善に万全を期すると思います。
 何故なら原発事故発生→会社の破産になるからです。
b.現場の人達の意見が聞こえないこと
現場の運転や設備保全をした経験から言えば、何かトラブルが出た時、個々の設備のメーカーに相談することはあっても、余程理論的に難しい問題で無い限り、学者やその道の専門家に訊きません。
 何故なら彼らは上記のような細かいことは何も判らないからです。
 現場に詳しい人ならこの事故原因の解明に福島第一の現場の人は無理としても他の原発の運転・保全の人達、機器や計装のメーカーの専門家、管理上の問題があるならその道の専門家を呼ぶのが普通と思うのに、政府・国会の事故調査委員会の人選は、社会学者から文学者まで。
 これでは一年経っても結論が出ないのは当然です。
c.福島第一と他の原発を一緒くたにしていること
福島第一と他の原発は同じか、同じだから似たような事故が起こるのか
 直ぐ判るのは同じ災害に遇って福島第一は事故発生、福島第二、女川は無事停止しました。事故調査委員会はこの違いを調べるべきです。
福島第一と玄海の新鋭機の比較
福島第一→原子炉型式:沸騰水型軽水炉、運転開始:1971年~1978年、地域:地震の多発地帯、大津波の歴史
玄海→原子炉型式:加圧水型軽水炉、運転開始:1997年:地域:福岡県西方沖地震の際震度4、津波に襲われた歴史なし、堅固な岩盤上に立地
だから原発の運転再開は個々の条件を考えてその有無を決定すべきです。
・反原発派の特徴はレッテル貼りと自分の都合の悪いことは目を瞑る原発安全神話:政府は原発のリスクがあるとして設置の自治体に何らかの形で補償金支出
原発は悪→どこの原発は同じではない
原子村の学者は自己の利益優先→中には真面目な人もいる 
政府は総て信用ならない→信頼されないのは自業自得
関係官僚は自己保身→中には真面目な人もいる
・自民党とそれを批判する読売新聞へ
 自民党は読売の指摘を真摯に受け止めるべき、国会の自己調査委員会のメンバーの入れ換え、自己の直接原因を早急に解明させること
 読売新聞は自社の社説を通すために、福島第一の事故の直接原因を解明すること。
 そして福島第一と再開を予定されている原発の違いを説明すること。
・公平なベトナム首相の発言
 それにしても反原発のムードに流されている日本国民は、ベトナム首相の日本の原発について「ハイレベルな技術と安全性を信用している」、「日本は事故を教訓としてさらに技術を発展させると信じている」と言う公平な意見を率直に受け止めるべきだと思います。

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2 コメント

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Unknown (あき)
2012-04-23 19:16:14
 最初に必要なのは吉田所長の証人喚問じゃないかな?当事者に、あの日、起こったことを語ってもらわねばね。そうじゃないと東電のせいというブログ主さんの見解もあてになるまい。
 もう一つは、原発の現状について真実を述べて欲しいものだ。ウラン燃料が地下800Mにあるという説もあるからね。
 原因も現状も究明せずになぜ、再稼動を急ぐのかな?全部、止まっても、差支えなしがばれるのが恐いのか?
 ま、今年は幸運なことに冷夏だろうから、ゆっくり、考えられる。大地というものは冷やされたら温まりにくいものだよ。厳冬だったものね。
Unknown (Unknown)
2012-04-25 23:09:56
>大地というものは冷やされたら温まりにくいものだよ。厳冬だったものね

日本経済もいっしょだな。

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