普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

小泉改革推進派の人達へ

2009-06-17 11:08:11 | 麻生内閣

 昨夜のNHKの「クローズアップ現代」の「人に優しい企業の挑戦」~もの作り復活の条件~で、
 正社員のリストラ・給料カットが常識の今、「人や給料に一切手をつけない会社」が注目され全国から視察が相次いでいる。豊橋市にあるプラスチック部品メーカーは、受注が半分に減ったのに解雇なし・自宅待機なし・給料ボーナス保証を守っている。なぜそれができるのか?「不況の時は攻めの経営、好況時は守りの経営」の実践。つまり、景気がいい時こそコストカットで内部留保を増やし、それを使って、不況時に雇用を守ったり、次を見据えた投資にあてる長期的視野の経営)。根底にあるのは「社員こそが開発力の源泉」という信念(人を大切にする経営)だ。
 と順調な運営を続けている会社の紹介をしていました。
 一方、長野県伊那市の食品メーカーは、「急成長は敵を社訓として48年間増収増益を達成した。利益を公共施設の建設など地域貢献にあてる姿勢に共鳴、全国から優秀な人材が集まる。アメリカ型の「株主最優先」「社員はコスト」の考え方が見直されつつある今、こうした企業の姿から「会社は誰のために何のためにあるのか」を改めて考える。 (番組紹介より)
と言う趣旨の放送がありました。
 番組紹介にはありませんが、従業員には本業の他に必ず自分がやりたいことを申告させその開発研究でデンプンからの各種糖質開発を事業として特許を多数取得。そこから得られた莫大な収益でさらに新たな研究を行っている研究開発型の企業の岡山の林原グループ も番組で
紹介されました。

[小泉改革がもたらしたもの]
 私は日本型経営(世界で勝ち抜く為に)で日本型経営の特徴について次のように書きましたが小泉改革と政府の指導で矢印の様に変化しました。
1.家族主義的経営従業員を大切にする考え)→従業員はコストと言う物扱いする
(1)年功序列賃金、終身雇用→成果主義の導入、非正規社員の増加
(2)協調的な労使関係、企業別労働組合→組合に属さない非正規社員の増加
(3)会社への忠誠心に基づく小集団活動→忠誠心の低下と徹底した合理化→活動の衰微
2.系列・企業集団の形成→持ち合い株の放出
3.長期的視野に立つ研究開発投資とシェア拡大のための積極的投資→目先の利益の追求
4.政府と産業界との緊密な関係(日本株式会社) →規制緩和→企業の自己責任
5.系列・企業集団の形成とその中心としての銀行の株保有→株の放出→株価の下落
6.優れた生産管理→余裕のないまでの徹底的合理化→小集団活動の停滞、技術伝承の遅れ
7.短期的な利益追求より長期安定を求める→目先の利益追求
8.投資機関の軽視→企業は株主のもの
(その他書き忘れていたので追記します)
9.企業活動による社会貢献と言う企業理念→企業倫理の低下または喪失

 小泉ー竹中路線が強力に進められた結果は、中国の台頭→日本企業の競争力の低下と言う避けられない現実もありましたし、世の風潮に流された凡庸な経営者の責任もありますが、今回の金融・経済危機で、企業での大減産、大量のリストラに成りました。
 もし日本企業が長期的な視野に立つ経営など、伝統的な良い所を活かしていたら、比較的健全だった日本の金融状況なのに日本経済が世界で一番大きな被害を受けずに済んだかもしれないのは、NHKが紹介した企業の例でも明らかです。
 小泉改革は今回のように、企業活動への大きな影響をもたらしただけでなく、地方の疲弊、医療・介護体制の崩壊、社会福祉や教育関係の予算削減など数々の改革の負の部分を示しています。
 そしてそれが安倍・福田・麻生の各政権へ野党の攻撃の焦点となっています。
 私は安倍さんのときにも、小泉改革の継承でなくて脱却または改革の負の部分の修正を唱えるべきだと書いた様に、3人の首相も政治家としての責任はあります。

[改革派、上げ潮派の人達へ]
 然し、改革派・上げ潮派の中川秀直さんの「麻生さんが今あるのは小泉改革のお蔭でと言うことを忘れるな」との批判には首を捻ります。
 それともう一つ「麻生さんが衆院の3分の2条項を使えるのは、小泉さん郵政解散で大勝したお蔭だから、郵政民営化のことをとやかく言うのはおかしい」と批判するのも可笑しいと思います。

 私は川柳、戦争が好きな国から護られる
で、
 「ヨン様に振った手を純ちゃんに振り」
 靖国参拝と言う宗教問題を軽薄にも政治の約束の公約にして、中国、韓国の関係を悪化させ、ホリエモンを選挙に担ぎ出し、裏切った同志に刺客を送るなどした小泉さん。
 小泉さんにアイドル並にきゃーきゃーと手を振る小母さん達。
 日本はどうしてこのような軽薄な国になってしまったのだろう。
と書いたことがあります。
 (そう言えば、ブッシュさんの前でプレスリーの真似をしてみせた小泉さんの姿を見て、戦前派の私は大変恥ずかしい思いをしたことを思い出しました。)
 つまり小泉さんが大勝したのは、ヨン様並みのふわふわした小泉人気と、裏切った同志に刺客を送った意外性に乗せられた、マスコミが選挙中と言うのに、小泉さんや刺客など中心に一方的に自民党に有利な放送したお蔭です。
 つまり郵政選挙の小泉さん大勝は軽薄な無党派層とマスコミのお蔭で、郵政改革の中身を良く知った上で小泉自民党に投票した訳ではないのです。

 中川さん達のやらねばならぬことは、麻生さん批判をマスコミの前で批判することでなくて、
目の前の小泉改革の負の部分の修正を行うこと
 たとえば西川さん擁護一本槍でなくて、そのやり方に問題があれば、その修正をさせる。
・外国人労働者1000万人導入論が示すように、日本経済が大きな割合で成長し続けるかいなかの見直し
・改革に弱腰?の麻生さんをマスコミの眼の触れぬところで叱咤激励をすること
・そして当面の改革の負の部分が修正できたところで、改めてさらなる改革の推進をする
ことだと思うのですが。

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1 コメント

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小泉改革 (晴耕雨読)
2009-06-17 23:26:26
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・。最近の小泉改革の評価を見るにつけ、この言葉が浮かびます。もっとも小泉元首相が奢れる平氏だというわけではありません。小泉政治の評価はもっと時が経って定まるものと考えています。現在の社会の問題点がすべて小泉改革のせいのように言われることが多いのですが、私などは必ずしもそうでないと感じています。小泉改革では聖域なき構造改革を進め、結果として弱者と呼ばれる人たちに痛みを与えましたが、もしあの時小泉氏ではなく凡庸な指導者が政権を担っていたと考えたらどのような日本になっていたでしょうか。政治を主導するものにはいつの時代でも何らかの批判があるものです。現在の自民党と民主党の立場ような関係でしょうか。おそらくこれが指導者の宿命なのでしょう。もちろん指導者になるような人はそんな批判は気にしていないでしょうが。
ブログの内容から少し外れましたが、「年功序列賃金→成果主義の導入」に関しては、私のつたない経験からしても、小泉氏が首相になるずっと前から時代の要請(企業が積極的に進めていた)として進められ、特にその恩恵を受ける若い人たちからは支持されていたように覚えています。
このブログはいつも楽しく拝見しています。今後とも活躍をお祈りします。
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