[経済財政諮問会議の戦略]
2月1日の毎日新聞の報道によれば、
経済財政諮問会議で新経済成長戦略として「共生」重視を前面に出した骨格が固まったそうだ。
その概要は
・「つながり力と環境力」がキーワードで、成長重視の色彩が濃かった安倍政権と比べ、地域・企業間連携や経済と環境の両立など「共生」重視の視点を前面に打ち出した。
そしてその砕いてきな戦略として、
1,「革新的技術創造」では、温室効果ガス排出をゼロとする革新的な技術開発などを目指す「環境技術のトップランナー構想」を盛り込んだ。
2.「グローバル」では対日直接投資倍増の目標達成に向けた環境整備や金融資本市場の競争力強化を柱として打ち出した。
3.「全員参加の経済」では、女性や高齢者、若者の雇用拡大や安定化に取り組む「新雇用戦略の策定」や、消費者の側に立った規制改革の推進を重点項目に示した。
経済は素人の私は、2.の金融問題は判らないが、少なくとも1.と3.に付いての新戦略の方が、今までの小泉さんや安倍さんの時の規制改革、成長一本槍の経済政策より、より現実的だと思う。
私はかねてから書いてきたように、安倍さんは小泉改革の継承でなくて、見直しまたは脱却を唱えるべきたと書いてきた。
そして今更言っても仕方がないが、安倍さんの中途半端な政策→地方の疲弊→参院選大敗→突然の退陣となってしまった。
参照:カテゴリー→安倍内閣
[病んでいる地球]
私は経済成長一本槍の政策は何時か見直すべきときが来ていると思っている。
参照:日本経済と社会問題の見直し
そのキーワードは地球は小さいと言う事だ。
・止まらない温暖化で南極、北極の氷が溶け始めている。
・バイオ燃料増産のためのアマゾンなどの熱帯雨林の伐採→温暖化
・アフリカ、中国、モンゴルの砂漠化が止まらない。
・石油の価格の暴騰→値上げラッシュは石油の枯渇化と無縁ではない。
・有限の鉱物などの自然資源もいずれ石油の二の舞だ。
・世界的な格差が拡大→貧困、社会環境の悪化や内乱、戦争
など、どれをとっても世界的な経済成長と密接に結びついている。
経済成長の目的は結局は幸福の追求だと思う。
皆は豊かになることとして経済成長を目指してきた。
その結果が、金持ちなどごく一部のを除いては、上記のような人類にとってとても幸福とは言えない事態が地球に発生している。
今こそ市場経済主義や金儲け一本槍の方向にブレーキを掛け、その軌道修正の時が来ていると思う。
[日本の役割]
1.日本は狭い国土の上に山地が多いために、僅かな平野での急激な産業の発展のために地球上で真っ先に各種の公害問題を引き起こした。
そして今は、世界有数の公害防止の技術を持っている。
2.エネルギー資源が乏しいことから、世界トッブクラスの省エネ技術が生れた。
最近ではまだ完成に遠いかも知れないが、資源小国ならではのリサイクル技術が生れてきているようだ。
3.市場経済主義の恩恵を利用して、工業製品の輸出で得た利益を国民に還元して、僅か一時期ではあるが「一億総中流意識」を持たせるほどの、理想的共産主義社会と呼ばれるような社会を作った。
以上は全て狭い国土と、狭い日本だから出来る国中に行き届いた政策から生れたものだ。
このことは市場主義経済でもやり方によれば、上記のような問題を避けながらやって行けることを示唆しているように思える。
詰まり日本は資源のない狭い国土で生き抜いて行くノウハウや技術を持っているのだ。
それを経済成長とともに多くの問題を起こしている小さい地球へ活用しない手はないと思う。
日本は洞爺湖サミットで、日本の環境、省エネ技術を訴える予定だそうだ。
日本はさらに地球に優しい持続可能な日本型資本主義を確立し、それを世界に広めて行く余地はあると思う。
つまり戦略会議の言う「つながり力と環境力」と「共生」だ。
格差の少ない社会を作るためのノウハウの蓄積と世界への発信だ。
何度か書いたが、日本は今まで数々の世界への貢献をしてきた。
・(日本の行動は正当化できないが)日本は侵略国との汚名を受けながら、世界二次大戦で世界中の植民地開放の少なくとも引き金を引いた。
・「兎小屋」とか「エコノミック・アニマル」と批判されながら、世界第二の経済大国になり、当時 Nies と言うシンガポール、マレーシャ、韓国などが先進国となる口火を切った。
・また私の個人的な意見ではあるが、日本は戦後の冷戦終結の一役を担った。
詰まり、ソ連の首脳が共産主義体制を放棄を決心させた理由の一つに、敗戦国であり資源が殆どない、日本とドイツの経済発展と、それに伴う世界への発言力の増大、それと日本に続くアジア諸国の経済力の増大にあったと思う。
日本は今こそ資源の無い狭い国土で得たノウハウと技術を活かして、小さい地球が抱えているまた今後予想される問題の解決に貢献すべきだと思う。
それが過去の物言わぬ旧植民地の人たちから感謝されている植民地開放と違って、世界中から感謝されながら日本が世界に貢献する方法だと思う。
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ガソリンをめぐってもめていますが、そもそも、石油のような貴重な資源を、燃やしてしまうなんて馬鹿ではないかという問題意識を持っているようには思えません。
石油は、医薬、農薬、カーボン繊維のような付加価値の高いものに使用すべきであって、ガソリンなどのようにエネルギーにすべきではないと考えます。
温暖化は結局、カーボンの問題ですが、この環境問題への無関心が、ドル、円の没落、一方、ユーロ高の原因ではないかと思います。
付けたしですが、ソ連の没落は、掘削技術の更新をしなかったためのバクー油田の枯渇のせいだろうと思います。ロシアの興亡は、石油次第です。
ヒトラーがまっすぐ、スターリングラードに進撃したのは、ソ連の力の根源をバクー油田と見抜いたせいだと思います。
わが国の公務員の非能率も、共産主義ソ連に、引けは取りませんから。
私のブログでは洞爺湖サミットを主題にしつつ、鯨を含む海洋資源と海洋開発の重要性と、将来性などについて書いてみました。是非ご覧になって下さい。
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