普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

民主党内閣が支持基盤の自治労との団体交渉?国家公務員へのスト権付与

2010-12-23 07:12:34 | 外交・安全保障

 今日の産経のWeb版では下記のような過激な報道をしています。
  反民主の傾向の強い産経の報道ですから、割り引いて見る必要もあるような気もしますが、民主党の政策の弱点を突いているようです。
国家公務員へのスト権付与、実現見込めず 繰り返されるマニフェスト詐欺
 民主党の公務員制度改革・総人件費改革プロジェクトチームは22日、国家公務員への争議権について、「一定制限下に付与を検討する」とした改革案をまとめ政府に提出した。だが、スト権付与は野党の反発が必至で実現は見込めない上、昨年の衆院選マニフェストで掲げた公務員の総人件費2割削減を実現できる見通しは立っていない。公務員制度改革は、民主党政権にとって「最後の砦」といえるテーマだったが、今回も約束は守られそうにない
 民主党は衆院選マニフェストに、支持団体である自治労が求めた公務員の労働基本権回復を打ち出した一方、国民受けのいい総人件費2割削減を盛り込んだ。 改革案では、この両立を図るため、まず大幅な給与削減に向けた労使交渉の実現が必要だと指摘し、平成24年度からの人事院勧告制度の廃止を明記した。
 政府は1月中に法案の細部を詰め、来年の通常国会での法案提出を目指す。だが、官公労による民主党支援の選挙活動などに苦汁を飲まされてきた野党側には「スト権を与えたら収拾がつかない」との懸念が強い。
政府の有識者懇談会の報告書も「国民との関係で難しい課題が多い」と指摘している。
 加えて、「そもそも労使交渉をしても人件費2割削減なんて無理。自治労も本音は現状維持だ」(人事院幹部)、「国民にどういうメリットがあるのか」(政府筋)などと政府内にも冷ややかな声がある。
 公務員制度改革に限らず、民主党マニフェストの目玉政策の現状は惨憺たるありさまで、ほとんどが中途半端に終わっている。
 結局、議論が生煮えのまま、人気取りを目的に見切り発車で掲げた政策が次々に頓挫し、民主党政権の信頼性を損なっている。
 「スト権付与について知恵は出し切った。付与で押し切るにしろしないにしろ、どちらにせよ議論は沸騰するのだから、菅内閣が決断するしかない」

[私の意見]
・民主党内閣とその支持団体の自治労の団体交渉
 この提案がもし自治労と関係のない自民党政権ならその提案理由も判ります。
 然し自治労を地盤としている民主党内閣と自治労が団体交渉する場面を想像するだけで、おかしな経過を辿ることは明白です。
 一般企業では御用組合と言う言葉があります。
 この場合の主人側は勿論企業で組合は使用人で明らかに企業側が有利な立場です。
 日本の民主主義の国ですから国民が議員を選びます。
 民主党の場合で言えば自治労は上得意のお客さんです。
 普通の商売で言えば、売り手がお客さんにペコペコ頭を下げて何とか買って貰おうしします。 (選挙の時の候補者がそうです。)
 そのお客さん相手の団体交渉なんて---、民主党内閣は平身低頭して何とか給与を2割下げさせて貰えないでしょうかと、自治労に拝み倒すしかありません。
 それで自治労が支持する民主党のために自分達の給与を2割削減しても支持せねばと言うでしょうか?
   そんな団体交渉などどこの世界にあります?
 私は自民党政権なら考えられる制度だと書きましたが、その自民党でさえ反対している制度ですから、完全に機能しない制度です。
・公務員経費2割削減がマニフェスト詐欺?
 産経はこの問題を約束していて実施しないのはマニフスト詐欺だとしていますが、この公約こそ詐欺ではないが詐欺紛いの公約です。
地方分権推進に伴う地方移管、国家公務員の手当・退職金などの水準、定員の見直しなどにより、国家公務員の総人件費を2割削減する。
○公務員の労働基本権を回復し、民間と同様、労使交渉によって給与を決定する仕組みを作る。
 前にも書いたように、民主党内閣で自治労との団体交渉で給与削減などは絵に描いた餅であることが判ります。
 残りは地方分権推進に伴う地方移管だけが現実的な政策です。(参院選の時はこの項目だけしかありませんでしたが、それで気が引けたのか衆院選では公務員の手当て、定員の削減んなど入れております。)
 (これから先は何度も書いてきましたので、何時も訪問されている方は(・)付きの所は飛ばして読んで下さい。)
国庫負担は変わらない公務員経費削減 
・詰まりこれを読みますと地方分権で公務員を地方自治体に派遣する。
・財政難に喘ぐ自治体はその公務員の給与分を政府に要求する。
・政府は多分地方交付金の形で支給する。
・結果的には国庫負担は変わらない。
 この事実は野党も産経を含むマスコミも殆ど触れて居ませんが、これが国会に法案として上程されると大騒ぎに成りそうです。
 然しその旨をマニフェストに書いてあるので産経の言うようにマニフェスト詐欺にはなりませんが、どう考えてもごまかしの公約です。
 それにしても問題なのはその前提となる地方分権の話は殆ど出ていません。
 出先官庁の統合の話は少しでましたが、今の所それ以後の報道は全くありません。

  私が何時も書くことですが、民主党の政策は政権党の政策の穴を突くだけの補足的な野党の政策です。
 政権を取った今こそ、政権党としての責任ある立場からそのマニフェスト全体を見直すべきだと思います。
 世論調査で見るように、今でも民主党に優しい国民は政策の変更をしても良いと言っているのですから。

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