普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

日航が米国のデルタ航空の傘下へ? 

2009-09-12 10:18:14 | 政策、社会情勢

 テレビやネット上で政府から50%の資本提携を受けてスタートした日本を代表する日本航空が米国のデルタ航空の傘下へと言う報道が流れました。
 その概要は読売の日航、米デルタが資本支援…エールフランスも
に依りますと概要次にようなことだそうです。
  経営再建中の日本航空は11日、世界最大の航空会社、米デルタ航空と、欧州最大手のエールフランス―KLMの2社から出資を受ける交渉に入ったことを明らかにした。
 デルタの出資額は数百億円規模に上り日航の筆頭株主になる可能性がある。
 日航は1987年の民営化を経て長く日本を代表する航空会社と位置付けられてきたが、現在は深刻な業績不振に陥り、政府の監視下で再建途上にある。
 日航は2009年4~6月期決算で税引き後利益が990億円の赤字を計上、資本が目減りしている。2社の出資で財務基盤を強化する考えとみられる。
 ただ、航空法の規定で、海外資本は日本の航空会社の株式の3分の1未満しか持てない。株主総会で重要議案を単独で否決できる「3分の1超」を握れないまま、欧米2社がどこまで経営の主導権を発揮できるかは微妙だ。
 銀行団には外資の出資に拒否反応もあり、今後の協議は曲折も予想される。

 一方JALの合理化の動きに対して労働組合は、赤字の原因は路線の低収益性=日航7労組が意見書 によると、日本航空の7労働組合は、同社が策定中の経営改善計画に関し「赤字の原因は人件費(の高さ)ではない」などと大幅合理化をけん制する意見書を発表した。赤字の真の原因は内外路線の収益性が低いためとしており、11日に同社と国土交通省に提出する。そうです。

[私の意見]
・日本人の救出を拒否したJAL
 日航やその労働組合に関しては私個人にも苦い記憶があります。
 私はイランの某企業の技術支援のリーダーとして赴任していましたが、私の個人的な事情で代わりの人と交代してまもなくホメイニ革命が起こり、国内の混乱を避けるために、全員引上げることになりました。
 駐在地のイラン南部からテヘランまでは、砂漠と荒涼とした山地の連続で途中山賊がでるかも知れないと言うので、現地のイランの人達が同行することになり、日本人は車内で身を伏せたままでイランの人達だけがいるように見せかけての一昼夜の旅となりました。
 詰まりイラン人も命を掛けて日本人たちを護ってくれたのです。 (イラン人は多分今でもそうだと思いますが多くの人達が親日家です。)
 然しやっとの思いでテヘランに着いても、日本向けの飛行機がありませんでした。
 つまり日本とイランを結んでいた定期便はJALしか無かったのですが、同社は(多分労働組合の反対があったのだと思いますが)乗務員の安全が確保できないとして、イランに残る帰国を待つ人達を見捨ててしまったのです。
 私の元部下と私に代ってくれた人も、多くの日本人と同様に他国の飛行機で、先ずヨーロッパへ飛びそれからやっと日本に帰国しました。 。
 後日NHKで当時有名だった「プロゼクトX」でも親日国のトルコの飛行士が命を懸けてテヘランに飛び多くの日本人をイスタンブールまで乗せたことを伝えていました。(しかしその時も何故JALが飛ばなかったと言うことは報じませんでした。)
 その時の私の感想はNHKの訴えたトルコの人の勇気や人類愛へ称賛もありましたが、先ず浮かんだのは日本人の命を他国に頼らねばならない日本人としての恥ずかしさと、勇敢な航空会社を持つ他国への羨ましさでした。
 そしてJALやその労働組合員たちの人員輸送の責任放棄した彼らの本分を忘れていたことへの怒りでした。
 日本政府も多分同じ考えだったのでしょう、その後間もなく自衛隊が運用する政府専用機を採用しました。

・古色蒼然としたストを続ける組合(日航の組合については注記をご覧下さい。)
 当時の国内では、労働組合の強い企業が組合が、協力的な組合を持つ企業から遅れをとるのが次第に明らかになり、企業の生き残りを図るために、次第に多くの組合が企業に協力姿勢を取るようになり、左翼の人達に言わせれば「御用組合」となり今日にいたっています。
 一方国鉄では頻発するストに対する国民の反感が、中曽根さんの国鉄民営化推進の後押しをしました。
 そして民営化後のJRのストの話しは聞いたことがありません。
 然しJALやANAのストは今に至っても日常茶飯事です。
 然し飛行機のストは国民に取っては、JRに乗り換えれば済むので余り大きな批判がないので、最新鋭の飛行機を運営する企業で、今となっては古色蒼然としたストライキが今まで行われ、その度に企業の業績やイメーシ゜を落としているのです。
 JALやその労働組合に関して言えば、ホメイニ革命のときから今まで国民の輸送を担うと言う社会的責任を忘れ、そしてその本分を考えれば、国鉄スト全盛時の言葉を借りれば、「お客様を人質に取って」のストライクをするにも限度があることを忘れているのだと思います。
 今回の組合の意見書を国土交通省に提出するなど、未だに「親方日の丸」の考えが抜けきらないような気もします。
 そしてその結果があわや米国のデルタ航空から乗っ取られるかと言う、日本に取っては許されない立場まで日航を追い込んでいるような気がします。
 勿論会社側にも多くの問題があるのかも知れないので一概に組合ばかり批判は出来ないとは思いますが、組合側も今までの自分たちの行動に問題は無かったかと反省すべきときに来ていると思います。
(正確には他の企業やJRなどの労組に比べる遅すぎると思いますが。)

 然し組合の中では今までと違った動きも出ているようです。
 「JAL便利用して」客室乗務員らが街頭でPR」
では、経営再建中の日本航空の若手社員らが9日昼、東京・千代田区のJR有楽町駅前で日航便の利用を呼びかけるパンフレットなどを配布した。
 少しでも再建の役に立つ取り組みをしようと社員有志が企画したもので、制服姿の客室乗務員やパイロットら約65人が参加した。
 配布に参加した副操縦士の一人は「一人一人が会社のために何ができるか考えた」と話した。10日夕、11日朝にも同駅前で行う予定で、11日朝には西松遥社長も参加する。と
報じていますが、これこそ企業と企業内組合のあるべき姿だと思います。
 日本一の日航が外国企業に呑み込まれたり、牛耳られる前に企業とその従業員が何をすべきかた誰でも判ることです。
 古くさい言葉ですが、労使一体で経営改善すること、企業活動を通じて社会に貢献することを忘れないことに尽きると思うのですが。

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*注記:日航労組について
 
Wikipedia
によると基本的には労資協調路線を取っている7労組のうち乗員組合や客室乗務員組合、機長組合などは共同歩調を取り、いわゆる「日航5労組」として活動してきた。これらの「組合は、過去に過度な給与・待遇を求め大々的なストを行ったことや、特定の政党や、左翼活動家と関係を持つなどの活動を行った事を理由として、「アカ」組合と呼ばれる。
 日本航空が経営再建を進めている中で、「5労組」が、『安全のために十分に休息を取る必要性』を理由として、業務移動時のグリーン車やファーストクラスの使用や通常出勤時のハイヤーの使用(なおこれらは同社内では管理職社員のみならず、役員でも行われていない)を要求してきたことに対して、「会社の経営状況を省みない非常識ともいえる要求をしている」として、乗客や株主の中からも「特権意識丸出しの労働貴族そのものの非常識な要求だ」との批判がある。実際に、個人筆頭株主の糸山英太郎は「元々高賃金の日本航空が存続をかけてリストラをしている最中に、一切の賃下げを認めない労組が八つ(引用文のまま)とはお客様の理解が得られない」と発言している。

 


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2 コメント

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Unknown (腰抜け外務省)
2009-09-12 23:07:16
管理人さん、

私は旧IJPC、現在のBIPCにイラン・イラク戦争後に初めて入った日本人です。皆さん大歓迎して下さいました。

不思議な御縁ですね。
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日航は死んでいる (しゃちくんは野良猫)
2009-09-13 12:32:32
親方日の丸。残すはNHKですかね?
今年の3月に日航はストライキをやってましたが、なんて世間知らずの集まりなのだろうか?と呆れてしまいましたよ。最近では歯科医も余っていてボーナス無しの月給50万円なんて聞きますが、パイロットは年収¥1000万円超えは当たり前なのでしょう?業績が悪ければ給料下げれば済むのに、労働組合がわるいのか?小さい会社ではボーナスが出ないとか珍しい話ではないから住宅ローンが払えなくなって、築10年以下の物件とかいっぱいありますよ!自分の周りと比較すれば世間とずれてる部分はいっぱいみえてくるのに・・・
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