普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

「吟社くろがね」紹介「また逢おうその一言に生きていく」

2019-03-25 11:36:46 | 川柳
川柳くろがね」3月号より
前月号鑑賞 小川清隆 選評
「日の丸に庶民泣かせた過去がある」   吉野 つとむ
 昭和十六年、太平洋戦争が始って以来、日の丸と言えば兵隊さんを連想していた。軍事教育のもと日の丸を背に外地で戦っている兵隊さんのことを思えば、何もかも我慢を強いられた。日の丸と言えば戦争と重なってくる。もう戦争はしたくない。

「また逢おうその一言に生きていく」   矢野  隆
 人は別れる時には、さよならとかじゃまたねとか言う。フランス語でさようならはアディユー(Adieu)、また逢いましょうはオルボワール(Au revour)縮めてアバと言う。ふうてんの寅さんもアパと手をあげて消えていったまま、戻っては来ない。みんなが待っているのに、もう逢えない。

「どん底を知った男の笑い皺」     陣内いっこう
 七坂八坂、難難辛苦、人生山あり谷あり、奈落に落ちたり、蟻地獄の中でもがくこともある。長い人生、決して平坦な道ばかりではない。どうにもならぬとわかったらもう笑うしかない、開き直るしかない。

「意気地ない犬から先に吠え掛かる」   安川 聖
 吠える犬は決してひとを噛まない、といわれている。 弱いから吠えるので、人が近づけば逃げる。吠えるのはひもの長さだけの自己主張である。噛む犬は吠えもしないでゆっくり至近距離まで来て、いきなり噛みつく習性がある。吠える犬は危険ではない。吠える男に実行力はない。

本社句会「自由詠」(雑詠)合評
 司会:古谷龍太郎
 左の数字は上位の得点、句の下の欄は個々または全体的な指摘、「」内は参考句
5・ひれ酒にしますと小声隅の席
 報告句になっている。「ひれ酒にしてと小声で逸ノ城」と大小の対比をするか、「ひれ酒にしてと小声で美女独り」
4・今晩も老眼鏡が本を読む
 平凡、もっと面白く。老眼鏡→ハズキルーペ。「老眼鏡が今日も発禁本を読む」
4・花満開ご遠慮願う雨女
 女→男もある。その通り。もう少し面白く。「雨女を酒の肴に花の宴」
 ・合格を祈る夜食にある温み
  ある温み→平凡。このままでは「合格を祈る夜食が暖かい」、捻ると「合格へ夜食がはっぱ掛けに来る」
6・生かされる命を思い切り食べる
  命→動物や野菜などの命
 ・懺悔室夜毎通うは神父さん
  牧師は結婚出来るが神父さんは出来ないと解説あり
18・口下手は日記の中で吼えている
  は→説明、「が」にすべき
 ・ふる里は父母逝きて遠くなる
  は→説明、「が」にする。逝きて→口語体に。遠くなる→他に言い方はないか。「父母が逝きふる里視野の外になる」
7・春うらら春の命を使い切る
4・懐かしい人人人の店閉い
  懐かしい→具体的に。閉い→仕舞いが普通。「昔からの人人人の店仕舞い」
3・約束を蒸発させて春光る
  蒸発させて→自分の意志で?全体としての意味不明
 ・野仏の鼻のかけらを探そうか
  野仏の鼻のかけら→この着想は良いが全体の意味が判らない。「鼻かけた野仏さんに春帽子」
10・着膨れたこころの隅に綿ほこり
   佳句
 ・買った客そっと試食のある老舗
  言いたいことは判るがこの句から直ぐには読み取れない。佳句に遠いが句の意味は「安い店で買った老舗の試食品」
 ・猫の目が少し構えと寄って来る
  構えと→「構えてくれと」の意味
 ・平成の最後の花見盛り上げる
  最後の→最後と
6・去る者は追わず貫きまた独り
  貫き→片言。「去る者は追わずと独りコップ酒
5・晩酌で古里捨てた傷洗う
  晩酌で→「角打ちで」とすると更に句が良くなる
筆者注:今回は助詞一字の誤りの指摘が多かったようです。参考句は作者の考え、評者の意見を忖度して試作したもので必ずしもベストではないので念のため。

第57回北九州芸術祭川柳大会のご案内
期  日 平成31年4月14日(日)9時30分 開場
場  所 ウエルとばた(JR戸畑駅そば)2F
課題と選者(各題2句)出句締め切り11時30分 開会13時
「仕 切 る」  北九州  青木 ゆたか 選
「異   常」  糟 屋  中村 鈴女  選
「おしゃべり」  大 川  渡遺 桂太  選
「  脇  」  北九州  唐鎌 美鶴  選
「まるまる 」  熊 本  黒川 孤遊  選
「パ ー ト」  福 岡  萩原 奈津子 選
「明   白」  中 間  古谷 龍太郎 選
会費 2,000円(参加賞・発表誌呈)
 賞   順位賞・各題秀句賞・投句者賞
欠席投句 4cmX21cmの句箋に各1句記入(無記名)
投句料  1、000円(発表誌呈)4月10日必着
    住所・氏名(ふりがな)を明記して下さい
投句先  〒801-0882 北九州市門司区清見2-3-3
     高橋久仁子 宛 TEL&FAX O93-332-0483
主管   北九州川柳家連盟

上野十七八・石橋睦朗
第47回句碑まつり川柳大会のご案内

日 時 2019年5月19(日)9時30分開場
   出句締切11時30分 開会13時
会場 八幡西生涯学習センタ-折尾分館
   北九州市八挿西区北鷹見町13-10
   JR折尾駅東口・オリオンプラザ4F
課題と選者(各題2句)
 「ときめき」太宰府  小池 一恵  選
 「節目」  北九州  安川 聖  選
 「スリル」 糟屋   河野 成子  選
「重ねる」 福岡   小川 清隆  選
 「限界」  吉野ケ里 真島 久美子 選
 「越える」 福岡   石田 酎  選
 「ぶらり」 中間   古谷 龍太郎 選
会費    2000円(弁当および発表誌呈)
賞    順位賞・各題秀句賞・投句者賞
欠席投句 4cm×21cmの句箋に各-句・計14句(無記名)
     封筒に住所・氏名(ふりなが)を明紀下さい
投句料  1000円、5月10日(金)消印有効
投句先  〒806-0051 北九州市八幡西区東鳴水2-13-20 大塚郁子宛
     Tel&Fax 093-645-2898
主催   川柳くろがね吟社

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