普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

日本は先進国から脱落か? 

2012-04-17 14:36:42 | 経済・財政
・50年のGDPの上位を占める領土大国・米国のGDPが50年まで1.8倍になるか?・国民は貧困化に耐えられるか
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日本、先進国から脱落?…経団連の研究機関予測 
 経団連の研究機関、21世紀政策研究所は16日、2050年までの日本と世界50か国・地域の長期経済予測を発表した。
 四つのシナリオに基づいて日本経済の成長率や規模を試算したが、少子高齢化の本格化で日本は30年代以降にマイナス成長に転じ、効果的な成長戦略を実施しなければ先進国から脱落しかねないとの見通しを示した。
 同研究所がまとめたグローバルJAPAN 2050年シミュレーションと総合戦略」で、日本の人口や貯蓄・投資の動向、生産性の変化を予測して試算した。
・日本の生産性が他の先進国並みを維持する「基準シナリオ」では30年代からマイナス成長となり、41年~50年のGDP成長率は平均マイナス0・47%となる。1人あたりGDPは世界18位で韓国(14位)に抜かれる。
・女性の就業率が北欧並みに高まる「労働力改善シナリオ」でも41年~50年のGDP成長率はマイナス0・46%となり、31年~40年は0・17%のマイナス成長になる。
・一方、政府債務の膨張が成長を妨げる「悲観シナリオ」では2010年代にマイナス成長に転じ、41年~50年はマイナス1・32%に落ち込む。GDPの規模は世界9位で、中国、米国の約8分の1に縮む。
・生産性が90年~2010年代と同水準にとどまる「失われた20年が続くシナリオ」では、41年~50年は0・86%のマイナス成長となる。

 なお読売紙面では次のことを付記しています。
 政府は15年度までに消費税税率を10%に引き揚げる方針だが、財政再建をさらに進めなければ、政府債務残高は50年にGDPの約6倍に膨らむ。同研究所は①女性と高齢者の労働参加②アジアなどの新興国の成長の取り込み③財政再建と社会報償制度改革の断行などが急務だと指摘しています。
4つのシナリオでみたGDPの予測(ドル、小数点2位以下切り捨て)
  2010年      2050年
1.米国  13.8  中国   24.4
2.中国    7.9  米国   24.0
3.日本    4.0  インド  14.4
4.インド  3.4  ブラジル  3.8
5.ドイツ  2.8  ロシア   3.4
6. イギリス 2.0  イギリス  3.2
2050年の日本の位置
・労働力改善シナリオ 4位 4.1
・日本が主要先進国なみの生産性向上をしたとき 4位 4.0
・失われた20年が続くシナリオ 5位 3.5
・悲観シナリオ 9位 2.9
[私の感想]
 最初にお断りして置きますが私は今まで政治、経済は素人の癖に偉そうに「私の意見」を書いて来ましたが今回「私の感想」としたのは日本と比較している他国がどのような基準でGDPを予測したのか判らないなど、下記のような疑問がいくつもあるからです。
・最近のように目先の話しばかりの中で先を見通した研究結果を発表するのは良いことです。
・然しネットでは経団連のシンクタンクの発表のため経団連の意図が入っているのではないかとの批判があります。
 私は前々から超党派、中立のシンクタンクを設立してこの報道にある少子高齢化問題など総合的かつ長期的な視野での研究を行うべきと書いて来ましたが、これ見て改めてその必要性を感じています。 (参照:06年8月:その場凌ぎの政治から抜け出すために他のその場凌ぎシリーズ)
・50年に中国、米国、インド、ブラジル、ロシアのGDPが上位を占めるとされています。
 私は市場中心主義、自由経済、グローバル化と言っても、日本に取って固定化された領土と言うハンディキャップがあると書き例として上記の国を上げましたが、その通りの予想になっています。
・また中国の例を上げて低賃金の膨大な人口が持つ国の競争力に伍するために日本の非正規社員の増大→低賃金化と中国の賃金の上昇で何時かはある点でバランスするが、韓国の場合と違ってその時間が掛かると、当たり前過ぎて誰も言わないことを書いて来ました。 これも米国を除けば正にその通りになっています。
・経済的には日本に似て国内では飽和状態の米国、金融、軍需製品、航空機、化学製品、アイフォーンなどITの一部、農業などの国米国が、10年で13.8兆ドルから50年で24兆ドルと約1.8倍もGDPが上昇するでしょうか。
 唯一考えられるのは基軸通貨を持つ米国の政治力だけですが。
 素人考えで、社会格差から発生する問題を無視して、メキシコなど中南米や南米の国から移民を受け入れても、私の考えでは米国より遥かに膨大な低賃金の国の中国やインドと国内市場で、そして中国、インド、東南アジアの市場で中国、インドに加えて日本、韓国、ドイツなどどれだけ張り合って行けるのでしょうか。
・判らないと言えば米国での異常気象などによる国土の荒廃、中国の一人っ子政策による人口の減少、背後地の砂漠化、水の問題などなど、米国や中国の足を引っ張ることをどれだけ予測に入れているのでしょう。
・ツイッターなどを見ますと、GDPで位置が下がったからと言って先進国が後進国になるのかと言ったまともの意見や、順位が下がったと言ってそれがどうしたと言う意見もあります。
 然し「失われた20年が続くシナリオ」でGDPが3.5兆ドル、「悲観シナリオ」では2.9兆ドルになることはそれだけ日本が貧乏になることです。
 戦前から戦後まで過ごした人達は貧乏に慣れていますが、今の飽食の時代を過ごした人達はそれに耐えられるでしょうか。
 今までの外交下手の日本の唯一の決め手はODAや国連などの寄金の額でしたが、それも使えなくなり影響力も落ちることになります。
・経団連の本音は判りませんが、その指摘や提言の良い所は日本として是非取り組むべき問題だと思うのですが。

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1 コメント

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Unknown (あき)
2012-04-18 06:26:20
 経団連の勝手なトークにすぎない。だいたい、「儲けてやろう!儲けてやろう!」という経団連みたいな精神の連中では儲からない。なぜなら神が味方をしない。「人々を楽しませてあげよう」
とか「幸せにしてあげよう」とかの方が実は儲かる。
 人は”憧れ”で奮起する。松下幸之助を見て、本田宗一郎をみて、「オレもあんなになりたい」と思った中小企業経営者が多かった。だから、経済は成長した。
 経団連の会長は、孫悟空に出てくる猪八戒みたいなオトコだ。だれも憧れない。これじゃ、奮起するはずがない。経済を成長させたければ経済界にスターを登場させることだ。
 
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