岩手・宮城内陸地震で亡くなられた方達のご冥福をお祈りするとともに、被災された方達の一刻も早い現状回復、避難されている方々の、ご自宅への復帰を心から祈っております。
[自衛隊や消防隊の関係者の方達へ]
今回の岩手・宮城内陸地震での自衛隊の方達、同地区やその管轄外からも緊急に駆けつけた消防隊の皆さん方の身の危険をもかえりない、献身的なご活躍に感激しております。
特に7人が行方不明になった宮城県栗原市の旅館「駒の湯温泉」の倒壊現場でのご活躍の様子はテレビで逐一拝見しました。
自衛隊や消防隊の方たちが、全て人力で壊れた家屋の部分を取り除き、内部の被災者の救出に当たっていました。
18日のテレビでは、壊れた家屋の屋根ロープを取り付け、何十人と言う人達で引っ張って取り除いていました。
その人達もぬかるんだ土地の上に並べた足場の板の上での難しい作業のようでした。
昔の鳶工事
これらの自衛隊や消防隊のご活躍の様子を見ながら、私は戦争直後に、鳶工事の責任者をしていたころのことを思い出していました。
鳶工事と言っても建築関係の鳶工事でなくて、一般の重量物取り扱い専門の鳶工事です。
当時は大型の工事用起重機などなく、重量物を上げるのに、丸太一本(ぼうず)か二本組み合わせた(にまた、またはふたまた)ものを立て、それに取り付けた滑車にワイヤーを張り電動ウインチで巻き上げるか、チエインブロックを下げて人力で吊り上げるかの時代でした。
そのような一昔の鳶が今回のような被災現場にいたら、どのような仕事をするかと考えて見ると、多分重量物の取り扱いの専門の彼らですから、もう少し違ったやり方をしたのかも知れません。
鳶なら人が入れる様に狭い隙間を大きくするのに楔(や)をハンマーで何枚も打ち込み、その出来た隙間に板を重ねて養生(何かの原因で崩れて隙間が元に戻らないようにする)しながら次第に隙間を拡大しジャッキを入れてさらに隙間を拡大したでしょう。
これまでは普通の鳶工ですが、熟練した鳶工はジャッキに思わない力がかかって、倒れないように素人では思いつかない用心のための養生をしたでしょう。
彼らにはここをどう動かせどのような力がどの方向に加わるかという経験から得た力学の知識があるのです。
18日のテレビのような屋根などを引き下ろす作業も、どこか遠くの樹木やなければ、適当な所にアンカーを作り、それらと対象物の間にワイヤー張り、チェィンブロックや手巻きウインチなどを使って僅かな人数で安全に引っ張り降ろしたでしょう。
なにしろ家屋の倒壊の処理など数トンから十トン未満の作業は彼らの一番得意とする所です。
ここまでの私の想像は、実際の現場を知らない者の言う事で、最深約6メートルの土砂で埋まった現場、泥が腰までつかるほどのぬかるみ、いつ襲ってくるか判らない土石流などの悪条件では、私たちがテレビで見た作業方法で精一杯だろうと思いますし、私の言う事くらいは、自衛隊や消防隊の方達にとっては常識で、釈迦に説法だと言うのが的を得ていると思います。
18日のテレビで被災した人が視察にきた福田首相に、「援助のスピードが遅い、重機などまだ来ない」と言っていましたが、道路が遮断された山間部でしかもヘリコブターの使用には限界がある現状では如何ともし難いのでしょう。
今後の対策
今回は幸い直下型地震とかで、家屋の倒壊「駒の湯温泉」の旅館一軒に止まりましたが、普通ならはるかに多くの家屋が倒壊するでしょう。
山間部の多い日本では、土砂崩れや土石流による道路の遮断は必ず起こるでしょう。
自衛隊や消防隊でも今回の地震の反省で、重機の小型化、家屋倒壊や土砂崩れからの被災者の救出方法とそのための機材の研究、開発をされると思います。
昔の鳶工のノウハウを活かしては
その時重量物を取り扱う一般の鳶工事の専門家を呼んでその話も参考にされたら如何でしょう。
特に一昔の工事用の起重機など無かった時代の鳶の専門家の意見は、困難な状況での被災者の救出作業には非常に参考になると思います。
そして私は土木については素人ですが、昔の土木の現場作業の専門家も同じように貴重なノウハウを教えてくれると思います。
彼らは80代かそれ以上の年齢と思います。
彼らを今のうちに是非呼んで彼らの言った事を記録にし、新しい機械や器具の開発の形で彼らの貴重なノウハウを後世に残して貰ったら如何でしょうか。
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