うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

フェブラリーS

2013-02-18 00:18:03 | 競馬日記
スマートファルコントランセンドもいなくなったダート界。昨年のJCダート馬ニホンピロアワーズまで回避したフェブラリーSはダート初出走のカレンブラックヒルが1番人気というおかしな状態になっていました。
レースはカレンブラックヒルは直線でずるずると後退し、エスポワールシチーが粘るところをグレープブランデーが交わして一昨年JDD以来のGI勝利を挙げました。東海Sからの連勝で、エース級不在の時代に突入したダート界をリードして行く存在になってくれるのでしょうか。

グレープブランデーはマンハッタンカフェ産駒。マンハッタンカフェは産駒の勝ち星は芝に偏り、重賞勝ち馬23頭中、ダート重賞の勝ち馬はグレープブランデーと名古屋グランプリのエーシンモアオバーだけ(AWではレッドディザイアがアルマクトゥームチャレンジR3を勝っています)という芝向き種牡馬です。
グレープブランデーの母ワインアンドローズ、エーシンモアオバーの母オレゴンガールともにダートを中心にタフに走った馬でした。グレープブランデーは叔父に東京盃3着のマルカベンチャーがいますね。ダート向きの馬を出している牝系出身です。

ダートに向く他の要素を探せばまず一つはHis Majestyでしょう。日本のダートの一流馬にGraustark = His Majesty持ちが多いことを幾度となく書いていますが、グレープブランデーは祖母父がHis Majesty直仔Pleasant Colonyです。His Majestyはクロスされているわけではありませんが、父Ribot、母父Alibhai、祖母父Beau Pere(= Belle Mere)、曾祖母父Mahmoudがクロスされ、完全に働いていると言えます。
最前面系列ぐるみクロスはWhat a Pleasure内Bold Ruler。What a PleasureはホープフルSの勝ち馬です。What a Pleasure内は母父Mahmoudもクロス。
他の6代内クロス馬はSummer Tan 6 x 6。Summer Tanは1955年年度代表馬Nashua、1956年年度代表馬Swaps、1957年TRA年度代表馬Dedicate(この年のDRFとTSDの年度代表馬はBold Ruler)と、同期に3頭も年度代表馬がいる層の厚い世代に生まれ、ケンタッキーダービーではSwaps、Nashuaに次ぐ3着に入り、ピムリコスペシャル、ヴォスバーグHなどを勝った強豪でした。Summer Tan内はHeliopolis ≒ Gulf Stream、Omaha = Flaresもクロスされ、こちらも十分に働いています。Stimulusを内包しているのもいいですね。Omaha = FlaresとStimulusでVictoria Parkが能力参加します。RibotのクロスもBuchan、Papyrusを内包するのでVictoria Parkと相性がいいですね(スカイディグニティとか)。

芝向き種牡馬の仔ですが、確かにダート向きの血の働きが目立ちます。