土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

浄瑠璃寺と当尾石仏の里を散歩。

2015年04月01日 | 京都の古寺巡り



(2015.03.28訪問)


毎年春、筍を買いにうちの奥さんと当尾の里を訪ねるのが恒例なんですが今年は早すぎました。農家のオッ
チャンは「まだ半月早いで」。そこで次は当然浄瑠璃寺の拝観となります。
このお寺の古刹振りは境内全域が浄土、宝池を挟んで現世と来世を表現し九体阿弥陀さんが迎えてくれる。
ボクなんぞのクチャクチャの精神状態をいくらかでも癒してくれそうなそんな気にさせるお寺です。
ちょうど今、秘仏吉祥天女像が特別開扉されています。絶世のベッピンに逢えたことだけでも今日はグー!



▼浄瑠璃寺三重塔。





[ 浄瑠璃寺 ]
●山号 小田原山 (おだわらさん)
●寺号 浄瑠璃寺 (じょうるりじ) 通称 九体寺 (くたいじ)
●開基 伝 義明上人 (ぎめいしょうにん)
●開創 伝 永承二年 (1047年)
●宗派 真言律宗
●本尊 阿弥陀堂 阿弥陀如来坐像 (国宝) 三重塔 薬師如来坐像 (重文)
▲入山料 300円 朱印 300円 駐車場 300円
▲拝観時間 9:00~17:00
▲京都府木津川市加茂町西小 Tel.0774-76-2390
▲関西花の寺第十六番霊場
▲「近鉄奈良駅」「JR奈良駅」から奈良交通バス「浄瑠璃寺行き」で約30分 「浄瑠璃寺前」下車徒歩3分。

[浄瑠璃寺縁起]
浄瑠璃寺の草創については、永承二年創建の西小田原浄瑠璃寺が前身と云われているものの詳細は不祥。草
創に関して数説があるようで、天平十一年行基によって開創されたという説、永承二年義明上人が薬師如来
を本尊として建てたのが浄瑠璃寺の始まりとする説などあるが決定的なものはないとされています。嘉承二
年阿弥陀堂が建立、九体の阿弥陀像を安置。久安六年庭園が造られ、池を挟んで西岸に阿弥陀堂が移された。
治承二年三重塔が京都から移築され現在の寺観が整備されたといいます。



▼参道。





▼鈴なり馬酔木。





▼青空と馬酔木。





▼可愛いですネ。





▼質素な山門です。





         ▼寺号木札。





▼冴える黄色と映える青空、山門横のサンシュユ。





▼サンシュユアップで撮ると。





▼鐘楼です。





         ▼三重塔 (国宝)。





         ▼三重塔。塔高16m、檜皮葺。
          本尊 薬師如来坐像(重文) 像高85.7cm、
          一木割り矧ぎ造、彫眼、彩色、平安時代。





▼山門越しの白木蓮今盛り。





▼白木蓮、大きな株、小さい花。





▼阿弥陀堂 (国宝)。桁行十一間、梁間四間、寄棟造、本瓦葺。



宝池を挟んで手前東岸が此岸(現世)、西岸阿弥陀堂側が彼岸(来世)を表現した伽藍配置になってます。



▼中尊の左右に四体づつ九体の黄金阿弥陀さんが勢揃い (国宝)。
 それぞれお顔には微妙な違いがあり、彫技差も見受けられるので、仏師は全像違うのではないでしょうか。
 中尊 像高224cm、脇尊像高139cm~145cm。寄せ木造、漆箔。



浄瑠璃寺パンフよりスキャンした写真です。



▼阿弥陀堂前面の扉が開けられています。格子障子も開けてほしいですネ。



堂桁行十一間のうち、両端の二間を除く内側9間に九体の阿弥陀さん用の板戸が付けられており、内部には
障子格子戸がはめられている。板戸を開くと内部中央に一体と、その左右に四体ずつ計九体の阿弥陀さんを
拝することが出来るのです。



         ▼本堂横の板碑。刻されているのは南無阿弥陀仏か?
          近寄れないので定かではありません。





         ▼本堂前の石灯籠 (重文)。六角般若寺型、花崗岩、南北朝時代。
          同じ灯籠が三重塔前にも建ってます。





▼青空に鈴なり。





▼御朱印です。





浄瑠璃寺拝観の後、
この地、当尾の里 (とおののさと) は浄瑠璃寺や岩船寺など古刹を始め、鎌倉期の石像文化が息づき、山道の
あちこちに石仏、磨崖仏を見ることができます。今日は初めて当尾の里を歩いてみました。



                   ▼当尾の里石仏巡りのパンフレット。





▼自然を壊さず潰さず素敵なハイキング道が整備されています。





▼最初に出会う「三体地蔵」





         ▼弥勒の辻の道しるべ「彌勒線彫磨崖仏」
          線刻なんですが近くで見てもさっぱり分かりません。





         ▼「一願不動」不動明王立像。





▼当尾の里石仏のエース「わらい仏」阿弥陀三尊磨崖像。





▼「眠り仏」地蔵石仏。頭を手前にしてお休みのようです。





▼こんな道を行きます。





▼「からすの壷」阿弥陀如来坐像。





▼阿弥陀さんと一つ岩の側面に地蔵菩薩立像。





▼どんどん行きましょう。





         ▼「あたご灯籠」こんな妖怪いてませんでした?





▼「藪の中三尊」左阿弥陀如来坐像、右地蔵菩薩立像と観音菩薩立像。





▼寄り添うように崩れかけの石塔。





         ▼「首切り地蔵」説明には阿弥陀如来坐像とあります、なぜでしょう。





▼「大門石像群」





         ▼「大門石像群」




石仏全部ピンボケ、情けないやらアホらしいやら、イイワケなしで初心者当尾の里石仏巡りオシマイ。



▼当尾の里はめったやたら竹林の多いところです。筍はまだでした。





浄瑠璃寺門前にあるお食事処のご主人に石仏巡りの初心者コースを教えていただきました。
「まず最初に岩船寺にお参りして、当尾の石仏を巡り浄瑠璃寺に戻るのが初心者向き、途中の道が下りなの
で楽です」。と云うことで迷車大和路号を浄瑠璃寺駐車場に留め置き、浄瑠璃寺前から岩船寺前行きバスで
岩船寺に到着。今日は岩船寺拝観はパスして早速石仏巡りへ出発です。

行程3キロほど、殆ど下りなのでホント楽チンですヨ。初めての方にはオススメです。
ただバス便が1時間1本、ご注意を!




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4 コメント

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Unknown ()
2015-04-01 18:19:40
こんばんは~
私が行った時はまだ咲き初めでしたが
白モクレン元気に咲いていますね。
石仏巡りはまだ歩いてまわったことがなく
こちらで拝見させて貰って良かったです。
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Unknown (hidepon)
2015-04-02 10:48:39
彩さん、おはようございます。
ボクも当尾の里を歩くのは今回が初めてです。
この日は3キロ足らずのハイクでしたが、
ガイドパンフによると、相当広範に石仏はあるらしく、
1日かけてジックリ訪ねてみるのも、
いいかも知れませんね。
返信する
浄瑠璃寺  (もののはじめのiina)
2019-08-10 09:03:23
浄瑠璃寺の浄土式庭園が貴重でした。^^

春秋の彼岸の日には、東の薬師瑠璃光如来を顕す三重塔の真上から陽が昇り、九体の阿弥陀如来の中央の真上に陽が沈むように境内全体が極楽浄土を構成しているのだそうです。

「わらい仏」が大らかです。

返信する
Unknown (hidepon)
2019-08-20 00:27:00
もののはじめのiinaさん、
こんばんは。
浄瑠璃寺は何度も訪ねているんですが、
あれほど判り易い浄土庭園は浄瑠璃寺がベストだと思います。
四季を通じて、いろんな顔を見せてくれる境内の、
特に高台の三重塔から眺める宝池と阿弥陀堂は、
まさに極楽浄土とはここだ、といつも思います。
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