裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

リーマンの予想・2

2019年03月17日 05時13分17秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
数学では、どれだけ膨大なデータを集めて仮説を裏打ちしても、「なので、真実です」とはならない。
物理学あたりなら、「99,9999%程度の実験結果が合致したら認めます」となるところだが、数学においては、完全無欠の100%でないとだめなのだ。
どこにも漏れのない数式こそが真実であり、定理となるんである。
アインシュタインさんの相対性理論は、自然界の現象に照らしてほとんどすべてのケースを説明できるアイデアなんだけど、残念ながら、原子よりも小さな世界では矛盾が生じ得る。
数学にそんな曖昧さは許されない。
ところで、オレの好きな数学ネタがあって、下に書くんで、よく噛みしめて味わってみて。

x=0,9999・・・とする。
両辺を十倍。
10x=9,999・・・
10x−x=9,999・・・−0,9999・・・
9x=9
x=1
ゆえに
1=0,9999・・・である。

つわけで、99,9999・・・%とは100%のことではないのか?というロジックが成り立つんだけど、どこに矛盾があるか見つけられる?
それはまあ置いといて、とにかく数学においては、絶対的な正確さを証明しないかぎり、真実とは認めてもらえないんだった。
リーマン予想によれば、ゼータ関数の風景のゼロ点は一直線に並んでいなければならず、それを少しでも外れた場所にゼロ点が見つかれば、理論は破綻し、定理とは認められない。
この直線上に、ゼロ点が数十億個も(今ではおそらくそれ以上の数が)一直線に並んでおり、しかもひとつの例外もないことは確認されてるわけなんだが、そんなわずかな証拠ではまったく心もとない。
なにしろ、素数は無限にあるんで、10の一千億乗の一千億乗個の証拠を示したところで、その先に素数が永遠につづくかぎり、まるで意味がない。
また道がそれるけど、この「素数は無限にある」と証明したのはギリシャ時代の数学者・ユークリッドで、この背理法のロジックもなかなか面白いんで、一読してみて。

素数は有限個と仮定し、最大の素数をpとする。
pに至るまでのすべての素数を掛け合わせる。
2×3×5×7×11×13×17・・・×p
その数に1を足したものをxとする。
x=(2×3×5×7×11×13×17・・・×p)+1
xは、いかなる素数(カッコ内のすべての数)でも割りきれない。
2の倍数でもなく、3の倍数でもなく、5でも7でも11で割っても・・・のぼりつめて、最大素数のpで割っても、必ず1が余る。
よって、xはpよりも大きな素数である。
したがって、最大の素数は存在しない(素数は無限にある)。

今から二千年以上も前のひとがこんな考え方をしてたなんて、驚きだよね。

つづく

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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