裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

東北さすらい人助け旅・3

2011年07月22日 09時14分43秒 | 被災地ルポルタージュ
活動開始。
作業内容は、ある一軒のお宅(広大)の庭に入り込んだ泥の撤去と、流れ着いたがれきや破砕した建材の運搬。
入り口近くのヘドロはガリガリに固まってるんで、そいつは平スコで引っぱがし、ネコ(一輪車)で搬送。
庭の奥は、真っ黒な泥がまだレアで、異臭を放ってる。
そのそこここに転がる木材、ずぶぬれの古タタミ、魚アミ、発泡スチロール片、衣類、食器・・・その他もろもろを、手作業で引き抜き、瓦礫の集積所まで移送する。
たちまち、泥まみれの真っ黒な姿になる。
みんな一生懸命だ。
手を動かしつづけ、足を止めることなく、ひたすら力仕事、そして定点間のピストン輸送。
太陽が高く上がると、空気は蒸され、泥は発酵を開始し、すさまじい異臭が立ちのぼりだす。
おびただしいハエが飛び交う。
5月のハエと書いて五月蝿い(うるさい)と読ませるが、7月のハエもなかなかのもんだぞ。
しかし、ハエもムカデもダンゴムシもアリも、異臭も、泥汚れも、たいして気にならない。
周囲の仲間たちの真剣な活動っぷりを見てると、自然に力が湧いてくる。
こじき(に見えた)のおっさんも、意外や大戦力となって立ち働き、みんなを引っぱってる。
ジョシンもわがはらからになじみはじめ、「『叙々苑』のジョです」と自己紹介してる。
取材とボラ旅兼のロイター記者・リサも、コロコロのからだをゆさゆさと揺らして、庭を行き来する。
心はひとつだねえ。
みんな、東北を助けたい一心で、どろんこになってく。
それにしても暑い。
1、5リットルの水と2リットルのサイダーを持ち込んだが、入れても入れても、たちまち汗となって出てく。
休憩時間にラガーシャツを脱ぎ、きゅっと少しだけ絞ったら、温泉につかったタオルを絞るように水気が「じゃ~」としたたったのには驚いた。

疲労困憊となって、午後3時過ぎ、この日の作業はおしまい。
この日は大潮なのだ。
つまり、この地盤沈下した集落は、再び水に侵されるのだった。
日が傾き、満月がさてのぼらんとすると、本当に刻一刻と、庭に、道路に、そこここに水がしみ出してくる。
とっととバスに乗り込み、例の即席ハイウェイを逆走しないと、ベースキャンプに帰れなくなる。
大急ぎで現場を後にした。
が、この集落の復興のことを考えると、ほんとに途方に暮れそうになる。
はー・・・



被災地の写真撮影は遠慮してたんだけど、二枚だけ。
水没した(つか、流失した)家屋と、寸断された海沿いの道路。

つづく

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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