徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

3月11日と失われた週末

2011-03-12 20:12:29 | News


そろそろ取材のアポを取らなきゃ…と思っていたときにドカンと来た。
20秒か、30秒か、判断するまではもっと短かったかもしれないけれども、ちょっと長いぞ、これはいつものヤツとはちょっと違うぞと思って携帯2台とカードケースを掴んでアパートの隣にあるちょっと広めの駐車場に走った。本当は揺れが治まるまで動かない方がいいという判断もあるんだろうけれども、ウチのアパートはただでさえ古いのだ。部屋に留まった方が怖い。
遅れてアパートに残っていたおばさんや若者や子連れの若いママが出てきて、みんな駐車場の真ん中に集まった。普段はたいして挨拶も交わさないのに、こういうときは共感力が沸いているからか、何だか普通に会話するんである。またポジティブというか、いい加減というか、こういうときに明るいおばさんがいるのは助かる。彼女がいるだけで場を和ませた。
元静岡県民としては防災頭巾を被って避難訓練というのは小さい頃からきっちりやっていたのだが、実際に避難して整列している風景を見たのは初めてだったな。ということで近所の小学校の様子。



部屋に戻ってみるとこんな具合。



前々から落ちるだろうなと思っていたものは予想通り落ちた、転がった、崩れた、散乱した。その時間まで寝ていたら本棚の上に積んであった重い写真集がたぶん顔面を直撃し、文庫本の山に埋もれたと思う。不思議と本棚は倒れなかったのだけれども、この日の東京程度の揺れならばきっちり本が詰まった重い棚はほとんど動かない。
逃げている間に気になっていたPCと外付けHDはまったく無傷だったので助かった。無駄に重いパワーアンプかCRTモニターが上に落ちてきたら間違いなくアウツだっただろう(可能性はあった)。
部屋の惨状を見てSIONの「砂の城」のサビが頭に浮かんだのだけれども、今それを文字にするのは「不謹慎」なので止めておく。

東京ではJR東日本が早めに運行中止を判断したために深夜まで帰宅難民が話題になっていた。
しかし東京は震源地ではない。
福島以北の本当の被災地を観てしまうと、あまりの痛ましさに言葉を失う。TwitterのTL上には悲痛なニュースが並んだ。巨大な津波に自分の住む町が流されていく光景を涙を流しながら見守るしかない住民の皆さんのをテレビで観るだけで胸が詰まる。

そして地震発生から30時間ほど経ったわけだが、あまりにも重大な出来事が起こり続けた。
モニター越しではあるけれども、実に激動の一日だったと思う。宮城、福島エリアの自然災害はもちろんフォローし続けなければならない問題だが、今回の広域災害では全国で震災が起こるたびに懸念されていた原発の問題がついに最悪に近い形で噴出した。
世界最大級の原発で国内初の炉心溶融が起こったのだ。
オレは今回の事故をNHK、CNN、BBCを横目で観ながらTwitterを中心に今回の動きを追った。

柔らかい独裁を否定することもなく甘受し、ただ政治に飽いた日本人にとっては生活のディテールにこそ革命がある。
これは日本人の<ジャスミン革命>になるかもしれない。
事態は今なお緊迫しているのは確かだし、過剰な警戒、批判や過大な信頼は必要ないと思うし、思想も政局もアンチも必要ない。またこんな甘ったれた幻想も馬鹿げているとは思うが、しかしそんなふうにも感じている。

現在、ライブで原子力安全・保安院の会見が行われている。
まずは福島の現場の皆さんの健闘と安全を祈るしかない。

(追記 3月13日)
削除…事態の行方は…。

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