マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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西波多下津の山の神

2013年04月08日 07時46分39秒 | 山添村へ
山添村西波多下津の山の神は氏神さんの吉備津神社の傍らの山の神の碑にある。



大きな刀に農具や山の神の道具を並べている。

墨書した「山の神」の大刀もそうだが、ホウの木で作ったクワ、備中グワ、スキにノコギリ、ナタ、カマである。



白い木肌が美しい山の神の道具は格別の工芸品作り。

村では大好評だったと伝える下津住民の知り合いから聞いた。

作って奉った本人にわざわざ電話をしてくださったのはお世話になっているカメラのキタムラ奈良南店の店員Tさんだ。

下津では一年任期の区長さんが作ると云う。

こんなに奇麗に作ったら「たまらん」と話したのは次の区長さんの声。

この日で区長を引き継いで供えた道具を見本に作るというのだ。

その場で見上げてみればカギヒキがあった。

クリの木のカギヒキに藁束で作ったホウデンもあった。

村で唯一の大ホウデンだそうだ。

下津の山の神参りは暗いうちに行われる。

モチ、トコロ、コウジミカン、クリ、クシガキ、藁束を持って村の男性が参る。

上出の人は宮川で、下出の人は河内川の下の橋の袂で手を洗って口をすすいで顔を洗う。

身を清めてから山の神へ参る。

大刀や山の農具を供えて今年の豊作と山仕事の無事を祈る。

それからホウデンを作って椿の木に引っかけてカギヒキをする。

「西の国の糸綿 東の国の銭米 大根は杵ほど 蕪は臼ほど 山の神のヤッサイヤーイ」と唱えてカギヒキの作法をするという具合だ。

藁束を燃やしてモチを焼く。

訪れた時間はすでに戻られたあと。

藁の焚火の跡がくすんでいた。

御供は持ち帰るから一切がなかったのである。

(H25. 1. 7 EOS40D撮影)


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