マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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山田町杵築神社元旦祭

2013年03月20日 06時53分03秒 | 大和郡山市へ
大晦日に設えた門松。

大きく砂を盛って挿した松竹梅。

松はオン松、メン松と決まっている。

左側にオン松で右がメン松とこれもまた決まっている。

竹はモウソウチク。

そこには縁起が良いナンテンも添える。

昔は朝の5時に正月参拝をしていたという山田町杵築神社の元旦祭。

暗い時間帯に参集した。

当時は一老、二老が仕切っていて鯛や鏡餅の御供上げをしていた。



現在は総代と4人の当家が仕切るようになったが、御供は今でも一老、二老の心配りで捧げられる。

仕切り役は代わっても伝統を守る姿は変わりないと話す総代。

元旦祭の参拝は境内に上がって一同揃って手を合わす。

新しい年を迎えた正月を祝う儀式である。

下げた神饌は白酒。



コンブとスルメのアタリメを肴に正月の談笑時間を過ごす。

境内では「でんでらこ」ではないが、とんどの火焚き。

身体も温もって年頭の幸せを願う参拝者を迎える氏子たち。

顔を合わす言葉は当然ながら「おめでとうございます」である。

正月初めの会話をしている神社の門構えに牛の彫り物がある。



珍しいと思って尋ねた結果は神社に由来する。

杵築神社は明治以前まで牛頭天王社と呼ばれていた。

明暦二年(1656)八月吉日に寄進された石燈籠に牛頭天王の刻印がある。

「奉寄進 山田邑 牛頭天王御前」は素戔嗚尊を祭神として祀られている証しである。

もう一つの石燈籠は「牛頭天王 山田村中 宝暦五年(1754)」である。

牛頭天王を象徴する牛の彫り物であったのだ。

氏子の話によれば牛が田んぼを耕す風景を描いた絵馬があったそうだ。

昭和50年代にはあった絵馬。

昭和57年に宮さんを遷宮した際に所在が判らなくなったと云う。

(H25. 1. 1 EOS40D撮影)