マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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岩屋八柱神社御石洗い

2012年12月18日 09時01分42秒 | 山添村へ
八柱神社の境内に集まった岩屋の村人たちはおよそ60人も越える。

区長、宮総代の報告やお願いを伝えられて始まった御石(ごいし)洗い。

秋祭りの一週間前は村総出で行っている作業である。

作業は分担する。

大きく分けて神社本殿回りの清掃と燈籠下にある御石洗い。

本殿のみならず参籠所の屋根には積もった葉っぱや泥がある。

送風機で起こした風で飛ばして下に降ろす。

本殿、社務所は水洗いして奇麗にする。

本殿後方回りの境内森も箒で掃いて美しくする。

御石洗いの作業の中核はその名の通りの御石洗い。

数々ある燈籠下や手水舎、ムクロジのご神木回りにある玉石を拾い上げてはモッコに入れる。

石が溜まればせっせと担いだオーコで鳥居下に運ばれる。

そこにはホースが用意された。

溢れる水は井戸の水。



かつては道を下った笠間川に担いでいった。

3度の往復は力仕事。

いつしかホースから勢いよく流れる井戸水に替った。

集める、運ぶを繰り返す作業。

御石が除かれた場も奇麗に清掃する。

ホースで洗った御石は奇麗な水光り。

再びモッコに乗せて運ぶ。

元の場に戻ったかどうかは別にして揃えられた燈籠下の御石は美しい。

さて、御石は本殿前にもたくさんある。

燈籠下の石よりは少しこぶりの石。

これもモッコに乗せてオーコで担ぐ。

石垣に橋を渡した一本板。

腰をひょいひょいと動かしながら運んでいく。

モッコがゆっさゆっさと揺れるのは初心者。

ベテランは慣れている。

経験が腰つきに現れるモッコ運びである。

1時間後には小休止。

30分ほどはお茶を飲んで一服する。

御石洗いの作業は再活動だ。

その間もされていた不動滝の清掃。

清廉な滝下に流れた葉っぱがいっぱい。

堰き止められていたので容易かったと話す。

光が差し込んだ不動の滝には石仏の不動尊と薬師如来が祀られている。

ほとばしる落下の滝に虹がでた。



必ずここで拝んでから神社に参るという不動の滝は美しい。

かつては7日であった御石洗いの神社行事。

今では第一日曜日になった。

この日も氏神さんに神饌を供える八柱神社。

かつては八王子神社と呼ばれていたそうだ。



高御産日神、神産日神、玉積産日神、生産日神、足産日神、大宮賣神、御食日神、事代主神の八柱神を祀る神社は毎月初めに「さへ」とも呼ぶ月次祭をされている。

御石洗いを終えた翌週は氏神祭が行われる。

前日は宵宮だ。

いずれも当屋、堂下(どうげ)が参拝する神事である。

格式ある座杯の儀式(17歳男子の座入り儀式)であるゆえ一般人は立ち入ることができないと宮総代が話したのは宵宮の朝だった。

11月の月次祭は座杯をされた17歳男子のお礼の儀式がある。

それも一環の儀式であることから一般人は立ち入りは禁じられている。

(H24.10.14 EOS40D撮影)