マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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ハチの味わい

2011年05月05日 08時39分56秒 | 自然観察会(番外編)
丹生町で民俗行事を取材したおり、ハチ好きなご主人が捕ったハチ料理を味わった。

子供のころからハチ捕りの名人といわれたご主人。

カエルをエサにしてハチを捕る。

その足に糸をぶら下げる。

ハチを逃がして巣へ戻るのをその目印の糸を目で追いかけて山林に入っていく。

巣を見つけたらハチノコを捕る。

オヤもとってくる。

ハチはフライパンで炒めて冷凍保存しておく。

食べたいというときにネギと一緒に煮てスキヤキにする。

それが一番美味しいという。

私がいただいたのはラーメンが入った鍋に入れたハチノコを皿に盛られたものだ。

箸につまんで口に放り込んだ。

歯で噛んでみたハチノコの味はクリーミーというのか、今まで味わったことがない甘い味。

頭、足が見えるオヤも食べてみた。

味はハチノコよりも落ちるが、オツな味はビールに最適だと思った。

ちなみにこのハチは・・・・・オオスズメバチ。

ちっちゃいクロバチ?はご飯と一緒に入れて食べるそうですが、家屋に巣を作るキイロスズメバチは美味くないという。

ハチの話になれば目が生き生きとして饒舌になったご主人。

ハチと目があったら地面に伏せる。

するとハチはブーッと通り過ぎる。

戻りがあるから気をつけよと話す。

1番手はそれで防げるが、セコと呼ばれる2番手、3番手の下っ端はまっ正面からハチの攻撃を受けるのでたまらんわと弟さんは笑った。

大人になってもハチ好きは変わらない。

今ではちゃんとした防御服を着ているそうだ。

ちなみに私が体験した子供のころ。

皮を剥いだカエルの姿は思い出すが・・・。

剥き方は記憶にないが、辿っていけばそのときに見ていた女の子がキャーっていったことだけだ。

その声が記憶から剥き方を消してしまった・・・と思う。

剥き方をご主人に尋ねてみた。

足の小指辺りから剥くとツルーーと身体から頭に向けてめくれていくんじゃと言った。

食べものの話題はハチだけではなかった。

ふるさとの唄にでてくるウサギ。

うさぎ美味しいと思っていたらそれは違った。

うさぎ追いしだと後年になってはじめて気がついたと笑う。

山のウサギの通り道。

それはケモノ道だった。

そこは枝がしなっていたからすぐ判る。

山で採った苦みがあるガンタケと呼んでいたキノコ。

ダイコンとかズイキの茎と一緒に漬物にした。

ネズミヤシと呼ぶホウキダケも美味かったそうだ。

ウサギはといえばカラアゲにして食べていた。

鳥も食べた。

美味いのはツグミ。

不味いのはヒヨドリだったと話す。

そういえばハチの巣作りは雨の多い年は樹の上のほう。

少ないときは下だそうだ。

夏が暑いときはハチは少ないという。

9月になればハチノコ捕り。

どんな具合にしているか取材に来てほしいと頼まれたが・・・。

(H23. 3.27 EOS40D撮影)