マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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歳徳神社夏神楽

2007年07月27日 08時48分34秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
7月に入ると奈良市旧都祁村内の各大字の神社では夏神楽祭が日替わり順に行われます。

友田に鎮座する都祁水分神社の男性神職がそれぞれの大字の神社を訪れて夏神楽を舞います。

鈴を手に持って夏病みを祓う儀式が特徴で、各大字によってはその所作が異なります。

毎年七夕の日の7日に行われる都祁南之庄歳徳神社では、上、中、北、南、東の五垣内の氏子代表組頭や神主、総代長らが集まり神職を迎えます。

歳徳神社は国津神社の末社であるが、今日の祭事は「としとくさんの夏神楽祭じゃ」とおっしゃる氏子ら。

本来は歳徳神社前に神饌を供えて一同が並ぶのだが、生憎の雨天の様相だったことから国津神社の拝殿で執り行われた。

各神社の神殿前には三角錐型の「スズキ」モチと呼ばれるアズキメシがそれぞれ供えられる。

このスズキモチは赤飯であって、以前は神主が氏子らの50数軒分を作り配ったという。

子どものころ「スズキ」をもらっといでやと親に言われて神社に行ったことが懐かしいとおっしゃる。

この「スズキ」モチ、先っちょ食べたら夏病みせんでいいと言われ、飼っていた牛に食べさしたそうです。

現在では飼牛もいないので食べさすこともなくなったが、働いてもらった飼牛に感謝するとともに牛を大切にしていた農耕行事の名残りがスズキモチ御供に残っている。

歳徳神社の夏神楽祭は前庭に神職、神主、氏子らが祓戸神社の前に参列して祓い清めを受けてから始まります。

そのあと拝殿に上り、神職の夏祭り祝詞奏上が朗々と述べられます。

神主の太鼓打ちで夏神楽が始まると、呼出された各垣内代表の組頭が前にでて神職の鈴祓い神楽を賜ります。

暑さに負けずに健康でいられるようにと願いを込めて舞う神楽。

昔は垣内の方らの名前を呼んだ回数分を舞ったが長時間要することなので今は組頭の数になっている。

夏神楽を終えると神職は神主とともに拝礼し、最後に総代長の玉串奉奠で祭典を終える。

(H19. 7. 7 Kiss Digtal N撮影)