本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

宗教国家アメリカのふしぎな論理

2019-04-21 16:31:06 | Weblog
■本
35 2週間で小説を書く!/清水 良典
36 宗教国家アメリカのふしぎな論理/森本 あんり

35 タイトル通り14日分の実践練習と、その解説を含んだ清水さんの小説についての考え方が示され、「小説」というものをいろんな視点から考えることができます。あとがきで筆者が書かれているように、柳美里さんや絲山秋子さんなど比較的新しい作品が実例として取り上げられている点が面白かったです。また、「会話のカギ括弧の最後には句点が必要なのですか?」や「原稿の依頼はどうやってくるんですか?」など、なかなか人には聞けない疑問に答えて下さっているところも新鮮でした。最終課題の「何事も起こらない普通の日」をいかに生き生きと書くかに、筆者の小説感が凝縮されているような気がして興味深かったです。なかなか全ての課題を実践するには覚悟が必要だと思いますが、いつか取り組んでみたいという気になりました。

36 トランプ現象など、現在アメリカに内在する論理を明快に説明してくれるとても良い本です。特に、「反・知性」主義ではなく、「反・知性主義」(知性そのものへの反発ではなく、 知性と権力との固定的な結びつきに対する反発)であるということは、私も誤解していたので目から鱗が落ちる思いでした。「正しい者ならば、神の祝福を受ける」が逆になり、「神の祝福を受けているならば、正しい者だ」というマックス・ヴェーバーの論理が逆展開しているという解釈もスリリングで、トランプ大統領の強引とも思える自己弁護の背景としての納得感が高かったです。「企業トップが学ぶリベラルアーツ」と銘打つだけあって、教養の重要さを再認識させられました。


■映画 
32 世界の中心で、愛をさけぶ/監督 行定 勲
33 夜明け告げるルーのうた/監督 湯浅 政明
34 ダンボ/監督 ティム・バートン

32 大ヒットした作品ですが、原作小説は読んでいたものの、なぜかこれまで縁がなかったので観てみました。行方不明になった恋人がテレビの台風中継に映っていたり、その恋人が台風時にふと立ち寄った写真館を主人公の知人が経営していたりと、都合のよい偶然が多くてあまりストーリーには入り込めませんでした。しかし、高校生の恋人同士をみずみずしく演じた森山未來さん、長澤まさみさんは素晴らしく、二人の演技を観るだけでも価値があります。この映画を観てからお二人が後日共演した、個人的に大好きな映画「モテキ」を観たら、もっと違った感慨を得られたのかと思うと少し残念でした。

33 海外のアニメーション映画祭で賞を取ったという記憶がありましたし、以前に観た「夜は短し歩けよ乙女」が面白かったので、期待して観ました。癖は強いものの、「新しいものを創ろう」という志の高さはビンビンと伝わってきて、海外で評価が高いのも納得です。ただ、人魚が登場するトリッキーなストーリー展開や独特の映像には違和感なく入り込めたものの、主要登場人物の設定がどこか甘い気がしました。特に主人公の少年の陰の理由がわからず、突然ハイテンションになるなど情緒不安定気味にしか見えない点が、あまり共感できませんでした。素晴らしい傑作を創る可能性が高い監督だと思いますので、次回作にも期待したいと思います。

34 大好きなティム・バートン監督の最新作です。前作、「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」がちょっとマニアック過ぎる印象で観ていなかったので、久しぶりに劇場でティム・バートン監督作品を観ました。ダンボというキャラクターは当然知っていましたが、どんなストーリーかは全く知らなかったので、新鮮な気持ちで楽しめました。ストーリーは、この監督に共通のテーマ「異形のものに対する共感」を強く感じるものの、さほど癖は強くなく、細部までよく練りこまれています。ダンボが初めて空を飛ぶシーンやクライマックスの大混乱の場面など映像も大迫力で、決して子供だましではなく万人が楽しめる王道で良質のファンタジー作品です。

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