本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ダーティ・ワーク

2010-05-29 06:19:05 | Weblog
■本
43 ダーティ・ワーク/絲山 秋子
44 法人営業 利益の法則/山口 英彦

43 絲山秋子さんの短編連作集。絲山さんの作品にしては珍しく登場人物が多く、それぞれが、さりげなく関係しているという凝った構成になっています。相変わらずの格好いいクールな文体で、人間の相反する感情が丁寧に描かれています。個人的には、大病を患った女友達を訪ねる、低迷期の男性の話、「moonlight drive」が一番好きです。人間のいやらしさと気高さが巧みに描かれています(すごく月並みな表現で恥ずかしいですが)。不器用にごつごつと生きてこその人生って気になってきます。

44 あまり意識したことがなかったのですが、職業人生のほとんどを法人向けの営業に関わっているとふと気づいて読みました。経験と気合いに流れがちな法人営業を理論的にまとめたよい本です。理論だけでなく「情」の部分にもケアしているところもよいです。法人営業は扱う商材や業界も多様なので、なかなかそのまま使える知識やノウハウはないですが、そのエッセンスを理解して、少しでも行動につなげていけば成果が上がるような気がします。営業を結果ではなく、訪問件数や提案件数といったプロセスで管理をするという考え方は、私にとっては新鮮でした。導入にあたって現場の強い反発が予想されますが、それだけにうまくはまれば効果は絶大なような気がします。

■CD
19 僕の住んでいた街/くるり
20 Cosmogramma/Flying Lotus
21 Midnight Marauders/A Tribe Called Quest

21 くるりのカップリング曲集。バラエティに富んだ実験的な曲が多く、2枚組とボリュームもたっぷりでかなり楽しめます。内容が濃いので真剣に聴くと結構疲れます。癖のある曲(もともとくるりの曲はそうですが)が多く初心者向けではないですが、ファンの方には当然お勧め。

22 Radioheadのトム・ヨーク参加ということで話題だったので、あまりよく知らなかったのですが買いました。やはりトム・ヨーク参加曲が一番好きですが、機械的でありながら、どこか人間味も感じる奇妙な音で「最新型」って感じがします。

23 引き続き、A Tribe Called Quest にはまり中です。前作「The Low End Theory」よりもさらに洗練された感じです。クールで洗練されているのに、どこか生臭く、そして何より聴いていて楽しい、素晴らしい作品です。
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そうだったのか! 現代史

2010-05-23 06:17:26 | Weblog
■本
41 そうだったのか! 現代史/池上 彰
42 残念な人の思考法/山崎将志

41 中国、アメリカニ引き続き「そうだったのか!」シリーズを読んでいます。現代史の基礎知識がわかりやすく理解できる本当によい本です。支配しやすいように知識者層を虐殺する政府や自分を批判する者を許さない独裁者のことを知ると人間の限界を強く感じてしまうと同時に、その人間の限界を補う社会システムも未だ未完成であることがよくわかります。とはいえ、各国のさまざまな社会問題にその類似性(独裁者の無知や見栄を原因とする食料問題、大国や一部指導者の権力維持のために利用される民族間対立、など)が見られることからもこれらの歴史を学ぶことの重要性は一層高まっていると思います。この本で得た知識をわかりやすく子どもたちに伝えていきたいです。

42 タイトルに惹かれて読みました。プライオリティをつけて効率的、効果的に思考することの大切さを主なテーマとしている本です。最近の新書にありがちな刺激的なタイトルで注目を集めるパターンですが、「仕事は年下の方が頼みやすい(ので、年長者はコモディティ化しない能力を身につけないと淘汰される)」、「やりたいことは『やりたくないこと』から見えてくる」など、書かれていることは説得力があると思いますし、また、参考になりました。ただ、それぞれのトピックを思いつきで並べた印象が強く、コーヒーにストローを挿すマクドナルドのオペレーションを賞賛する部分などは筆者の主観に偏りすぎている傾向もあり、テーマに一貫性がある割には、飲み屋で熱血上司から思いつきで毎回繰り返されるダメ出しに近い印象を持ちました。熱血上司の説教のように有益ではあると思いますが、そんなに楽しい読書体験ではなかったです。


■CD
18 FUNKASTiC/スガシカオ

 ジャケットを見た印象ではもっとアゲアゲな感じの作品かと思いましたが、いつもどおりの内省的な曲も多く、バランスのとれた構成となっています。「サヨナラホームラン」はすごくいい曲であると同時に怖い曲です。単純な「ポップミュージック」で収まらない何かを付加しようとする高い志を感じる作品です。といっても、肩の力を抜いて聴いても十分楽しめます。
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生きるコント

2010-05-16 06:53:34 | Weblog
■本
38 生きるコント/大宮 エリー
39 「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本/竹下 さくら
40 ネオ・デジタルネイティブの誕生/橋元 良明

38 大宮エリーさんの映像作品はスピッツのPVぐらいしか観たことがなかったのですが、以前に見た「めざましテレビ」でのインタビューで、興味深い人だと思ったので読みました。ここ数年読んだエッセイの中で一番おもしろかったです。こんな風に人をポジティブな気分にさせる、クリエイティビティを持っている人が本当にうらやましいです。僕はネガティブな気分にさせるクリエイティビティはかなりのものだと自負しているのですが、そこからは何も生まれませんし。大宮さんの才能に嫉妬してしまうかもしれませんが、男女を問わずお勧めです。

39 引き続き家購入に向けて勉強中です。出版年が新しいことと、物件選びから資金計画まで網羅的に書かれてそうなので選びました。住宅ローン減税などの最近の情報も含めてわかりやすく書かれているので、目的は達成できました。タイトルに嘘はないいい本だと思います。

40 非常に乱暴に議論を単純化すると、ものごころがついたときにパソコンが身近にある世代(76世代)はパソコンを、ケータイが身近にある世代(86世代)はケータイを、動画再生可能で通信機能のある高機能携帯ゲーム機が身近にある世代(96世代)は携帯ゲーム機や動画の持ち運びを、ごく当たり前のように使いこなす、ということを各種調査結果に基づき考察した本です。「若い人はパソコンを自由に使いこなす」と思いがちですが、「86世代以降は実はパソコンにあまり習熟していない人が多い」という言われてみれば納得感はありますが、ちょっとイメージと違う考察も提示されています。ビジネス上有用な知見もあり、大学と一般企業の共同研究としてはまあ成功している内容ではないでしょうか? ネオ・デジタルネイティブはテキストではなく映像でものごとを理解するように脳の構成が変わりつつある、うんぬんの考察はかなり眉唾な気がしました。
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The Low End Theory

2010-05-08 07:53:49 | Weblog
■本
36 爆笑問題が読む龍馬からの手紙/爆笑問題
37 次世代広告進化論/須田 伸

36 現存している坂本龍馬の手紙を題材に爆笑問題さんが漫才形式で龍馬への思いを語る本です。僕はあまり坂本龍馬のことをよく知らないので、その時代背景や龍馬の人物像がわかり勉強になりました。ただ、龍馬のことを語りたいのか太田さんの生い立ちを語りたいのかや、まじめな部分とおふざけの部分のバランスが悪く、どっちつかずの印象を持ちました。本文で出てくる用語をおふざげで間違って解説する「幕末用誤辞典」も完全に余分でした。同じ爆笑問題さんの「日本原論」シリーズの方が、教養とエンターテインメントのバランスが優れていると感じました。

37 「次世代広告進化論」というたいそうなタイトルがふさわしい内容かどうかはともかくとして、論点が明確で読みやすい本だと思います。ご自身の実践とその成果に基づく知見なので、思い込みではない説得力のある地に足がついた内容なのも好感が持てます。Twitterを意識して140文字以内で要点をまとめているところも面白いです。ただ、この分野で既に語られている内容をわかりやすい言葉で置き換えたという印象が強く、筆者自身の目新しい視点は若干乏しいような気がしました。とはいえ、読んで損のない本だと思います(自分で購入せず、人に借りて読んだので若干評価が甘めかもしれません)。


■CD
17 The Low End Theory/A Tribe Called Quest

 引き続きQ-Tipにはまり中です。本作はQ-Tipが所属するA Tribe Called Questの出世作。こちらもセンス溢れる音作りが光ります。聴いていて心地よいのに、ちゃんとひっかかってくるところがすごいです。


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Amplified

2010-05-02 16:19:39 | Weblog
■本
34 電子書籍の衝撃/佐々木 俊尚
35 得をするマンションの選び方/碓井 民朗

34 キンドルやiPadといった電子ブックリーダーの普及により、読書や出版業界がどのように変化するかということを、ituneが音楽業界に与えた影響をメタファーとしつつ考察した本です。米国の最新事例を中心とした取材力はすばらしいと思いますが、考察の部分が個人的にはあまりしっくりと来ませんでした。言っていることは正しいのかもしれませんが、あまりにもネット企業を賞賛しすぎる一方で、既存出版業界に対して挑発的な表現で、本を売るためにあえて、刺激的な表現にしているのかな、と少し勘繰りたくなります。ものごとには当然よい面と悪い面があると思うので、そのあたりのバランスが若干既存業界にとっては不公平かと。とはいえ、この分野の動きを包括的に知るにはいい本だと思いますし、多作にもかかわらずネット業界の最新トピックを一定以上のクオリティで、次々と執筆し続けている筆者はすごいと素直に思います。新書にしては若干価格が割高ですが。

35 そろそろマンション購入を検討しないといけないので読みました。若干ポイントが細かすぎる気がしますが、経験に裏打ちされた知識で納得感が高く参考になります。ここで指摘されているポイントを全て満たす物件はほとんどないとは思いますが、自分が購入するにあらり優先すべきポイントを見極める意味でも役に立ちます。値段も手ごろですし、マンション購入を検討する際にまず、読む本としてはよいと思います。


■CD
15 As I Am/Alicia Keys
16 Amplified/Q-Tip

 この2作はNapsterのサービス停止に伴い、気に入った作品でかつ安価になっていたものを購入しました。

15 Alicia Keys の作品の中でもっとも押しの強い作品。個人的には、若干落ち着いた雰囲気の2、4作目の方が好きですが、外れ曲なく才能の高さを感じさせます。

16 A Tribe Called Questフロントマンの初ソロ作。いろんな意味での「やった、やられた」しか語っていないラッパーと違って、知性とセンスを感じる素晴らしい作品です。ラップに対する認識が変わりました。「Kamaal the Abstract」という作品とともに最近聴きまくっています。


■映画
14 シャッター アイランド/監督 マーティン・スコセッシ

 マーティン・スコセッシ監督の巨匠らしい重厚な演出とそれに応えるレオナルド・ディカプリオの熱演で悪くはない映画だと思いますが、上映時間が長い割には主人公にフォーカスしすぎていて、ストーリーが単調な印象が残りました。主人公だけでなくその妻のトラウマの背景をもっと丁寧に描いていたら、さらに深みがでたのではないでしょうか? 多くの人がコメントされていますが、日本の配給会社の宣伝方法はあざと過ぎです。決して謎解き映画ではありません。でも、そうしないと日本ではヒットしない映画というのもまた事実で、ビジネスとしては間違っていないやり方だとも思います。
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