本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

あいのわ

2009-06-27 07:33:39 | Weblog
■本
51 デジタルサイネージ革命/中村 伊知哉 石戸 奈々子
52 ウェブはバカと暇人のもの/中川淳一郎

51 実例が豊富で、デジタルサイネージについて知りたい方にとっては、今のところ最も適した本だと思います。でも、「デジタルサイネージ」という言葉は少し盛り上がりすぎですね。この本でも同じ内容が繰り返し語られ、さほど先進的でもないドイツやイタリアの事例が紹介されているので、実はそれほど語るべきことは多くないのではという気がしました。単純に看板のデジタル化、ネットワーク化で、そんなに目新しいことはないので、結局は数少ない成功事例のトレインチャンネルのように、いかに人の集まるところ、時間を持て余すところに設置するかにかかっている気がします。もちろん、今後、効果的に感心を集める場所の開発や見せ方の手法が洗練されて、成功事例が増えていくとは思いますが、見積もられている市場規模の半分もいけば上出来ではないでしょうか。

52 挑発的なタイトルと反比例して、地に足の着いた誠実な展開のいい本です。編集者らしく読者を楽しませようという配慮にも溢れ、面白く読めました。「ネットに過度な幻想を持つのはやめよう」というのがこの本の趣旨ですが、逆に便利な面、楽しい面を適正に評価し、1ツールとして賢く使いこなしていこうという、ネットについての愛情も感じます。梅田望夫さんがネットユーザーの中で知的レベルの高い上位5%の人向けに本を書いているとしたら、この本は残り95%の平凡な人向けに描かれた本といったところでしょうか。


■CD
17 あいのわ/ハナレグミ

 久々のハナレグミの作品。相変わらずしみじみとしていい声で癒されます。音楽的にはラップあり、ブルースあり、バラードありでかなりバラエティ豊か楽しめます。決して派手な作品ではないですが、しみじみ長く聴き続けることのできる傑作です。くるりの新作といい、僕のようなおじさんが楽しめる作品のリリースが続きうれしいです。
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松本坊主

2009-06-22 05:45:37 | Weblog
本は目標の半分達成です。

■本
49 松本坊主/松本 人志
50 お払い箱のビジネスモデル/小屋 知幸

49 ダウンタウンの松本人志さんの自伝的内容。生まれてから1998年くらいまでの生い立ちが分かります。やはり成功する人は、他人とは違う考え方を持っていて、偶然(あとから振り返ると必然?)の出会いがあり、尋常ならざる努力と情熱を仕事に注いでいるということを改めて感じました。後の「大日本人」や「すべらない話」の展開もなんとなく理解できます。まさか結婚されるとは思わなかったですが。松本さんもおっしゃっているとおり、DVD化などで評価され続ける松本さんのお笑いのクオリティの高さはやはり凄いです。映画2作目はかなり不安ですが、たぶん観に行くと思います。

50 悪くはない本なのですが、2006年の本なので、マクドナルドの現在の快進撃など、どうしても現状と合わない点が出てくるのが残念です。ビジネスモデルのケーススタディの掘り下げもどちらかと言えば結果論で浅い気がしますし、結論も常に時代を流れを読みつつ「絶えざる革新」をすべし、とビッグワードなのが物足りません。どのように時代の流れを読んで、「絶えざる革新」をしてきたかを分析することが、本当に大事なことなのでしょうが、やはり難しいのでしょうね(それができれば自分で事業をしていると言う話なので当然ですが)。僕にとって本書が有益だったのが、一貫して「マーケティングシステム」と「オペレーションシステム」というフレームワークを使って各ケースを分析している点でした。特に斬新な切り口ではないのでしょうが、共通したフレームで論じてくれているので、すっと頭の中に入ってきました。


■CD
14 ハピネス!/曽我部恵一BAND
15 Good Feeling/Travis
16 3 Feet High and Rising/De La Soul

14 前作の延長線上のポジティブさ全開の作品。ちょっと一本調子過ぎるのと、僕のバイオリズムが低下気味なこともあって、同時期に買った、くるりの「魂のゆくえ」の方をついつい選択してしまい、聴きこむには至っていません。「東京ディズニーランド」って曲は子持ちの僕としては共感できるないようでした。どうってことはない内容なんですけどね。

15 いまやベテランとなったTravisのファーストアルバム。落ち着いた安定感が持ち味のバンドですが、デビュー作だけあって、若い激しさや熱さが感じられます。2作目でブレイクするバンドに特有の物足りなさと可能性を感じる作品になっています。Travisのベストの作品とは言い難いですが、ファンなら遡って聴く価値のある作品です。彼らが何を捨て去り、何を獲得したのかがよくわかります。

16 ラップがいろんな意味での「ヤッタ、ヤラレタ」だけがテーマとなる前の傑作です。学生時代にカセットテープ!でよく聴いていたのですが、ブックオフで見つけて衝動買いしました。ゆるく、前向きでカテゴリーフリーな感じが今聴いても新鮮です。アイデア満載で「こうきたか!」と思わず笑みがこぼれます。日本のヒップホップはこの作品に多大な影響を受けている気がします。親しみやすさと深みのバランスが絶妙な作品です。ラップ嫌いの方にもお勧め。
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魂のゆくえ

2009-06-14 07:52:53 | Weblog
■本
47 経営戦略を問いなおす/三品 和広
48 恋愛の1/2/鴻上 尚史

47 タイトルどおり、利益をあげるという観点から、挑発的な文体で実践的に「経営戦略を問いなおす」いい本です。膨大な定量的なデータを元に論理的でありつつ、現状に対する危機感からか、「成長戦略」などこれまで常識とされていた日本企業の戦略について、熱く警鐘を鳴らしています。MBA的なフレームワークを復習しつつ、その限界にも触れられていて、経営戦略の概論的知識を持っている人にも、違う側面からいろいろと考える材料を提供してくれる本だと思います。結局会社は経営者の器以上には大きくならないことがよくわかります。この考えを日本と言う国家に当てはめると少し怖くなりますが。最後に筆者から、「文系学生」、「中堅社員」、「幹部社員」向けに熱いメッセージがあるので、それぞれの立場の方に特にお勧めです。もちろん参考にすべきメッセージですが、ただ、このように必ずしも戦略的に生きる必要があるかは個人的には疑問です。経営者として成功した人も、結局はさまざまな偶然(もちろんその偶然のチャンスを掴み取る才覚をそれぞれの方はお持ちだったと思いますが)に左右されていて、成功した後に見たら、それぞれの決断や出会いが重要な意味を持っていたというケースも多いような気がします。自分にあったやり方で自分の理想形に向けて、自分を高める努力をし続けるということがポイントだと思います。

48 SEXについて取り上げられている本や映画を紹介しながら、SEXについて考える本です。名作「恋愛王」の続編といった感じの本です。学生時代に「恋愛王」を感動しながら読んだにも関わらず、全く恋愛スキルが上がらなかった僕としては、この本により、充実したSEXライフが送れるということはまずないとは思います。しかし、SEXも含めて人間に対する理解を深める、ということがこの本のもう一つのテーマだとすれば、人間に対する許容範囲は少し広がった気がします。あらためていろんな人間がいて、それぞれの性に対する意識も違うなあ、と感じました。やはりテレがあるのか、月並みな感想ですみません。


■CD
13 魂のゆくえ/くるり

 前作はオーケストラとの共演という斬新なアプローチもあり、派手めな印象の作品でしたが、今回はどちらかといえばオーソドックスな作風の地味目で聴き込むにつれて良さが上がっていくタイプの作品です。夜にお酒でも飲みながらしみじみ聴くと一日の疲れが吹き飛ぶ作品です。作品の完成度と音楽に向かう姿勢の真摯さは日本の現役のバンドの中で随一ではないでしょうか? くるりというバンドに対する信頼感が改めて高まる傑作です。ある程度の年齢に達しないとこの良さはわからないかもしれませんが。
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1Q84

2009-06-07 14:19:03 | Weblog
■本
46 1Q84(2)/村上春樹

 BOOK1でも書きましたが、村上さんの作品の中では、個人的に読んでいて最も楽しい(決して明るい話ではないので変な言い方ですが)作品でした。次の展開をどきどきわくわくしながら読みました。なんとなく全盛期のリュック・ベッソンの映画のような印象を持ちました。スタイリッシュで内省的なアクション映画。二元論に落ちないあいまいな結末は賛否が分かれそうですが、ポジティブな予感が残り個人的には好きです。にもかかわらず、「ねじまき鳥クロニクル」の読後に腰が抜けたような状態になった僕としては、作品の深みと言うかインパクトという点では少し物足りなさが残りました。ウエルメイド過ぎる気もします。ひょっとしてBOOK3とかが予定されているのでしょうか?


■CD
12 a watercolor/スネオヘアー

 ポップで気持ちのいい作品。歌詞も熱すぎず、クールすぎずなんか身近な感じがして好きです。もっと売れてもいいはずなのに。当分憂鬱な月曜日の通勤のお供です。地に足のついた元気が出ます。


■映画
16 天使と悪魔/監督 ロン・ハワード
17 鈍獣/監督 細野ひで晃

16 前作に比べて移動距離が短い分展開が速くて飽きさせません。その一方で、謎自体はこじつけすぎで、イマイチのめり込めませんでした(キリスト教の知識があれば楽しめるのかもしれませんが)。ユアン・マクレガーをあの役で使えば、重要人物であることがバレバレなので、最大の謎が案外早めにネタばれします(確信犯的な側面もあるのでしょうが)。群集シーンや反物質の映像にお金をかけるのであれば、もっと、脚本に力を入れた方がよかったのでは、という気がします。悪くはないですが、映画館に行くほどではないかも。

17 戯曲では読んだことがあるのですが、映画で観てテーマがよく分かりました。ろくでもない人ばかり出てくる腹黒で残酷な映画なのに、観終わったときに、ポジティブな気分になれるところに、宮藤官九郎さんの脚本のよさとと監督の手腕を感じました。南野陽子さんがすっかり汚れ役で寂しかったです(真木よう子さんと比べるとさすがに年齢を感じましたが)。元横綱大乃国さんもいい味出してました。
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初恋温泉

2009-06-01 06:59:26 | Weblog
■本
44 初恋温泉/吉田 修一
45 1Q84(1)/村上春樹

44 吉田修一さんのおしゃれでウエルメイドな面が強調された作品。タイトルは恥ずかしいですが、温泉を舞台にした5つの短編が無難にまとまっています。高校生カップルが始めてのお泊り旅行をする「純情温泉」のような作品を、テレがなく直球で描けるところがすごいです。全体を通して、小説を読む楽しさを味わえるので悪くはないですが、やはり、「長崎乱楽坂」や 「悪人」のように生々しい人間の感情を荒々しくまとめる、吉田さんの無骨な面が出ている作品の方が個人的には好きです。

45 とりあえず1巻は読了。何人かが死に、セックスをして、また、たくさんの人が損なわれています。まだ、全体を読み終わっていないので内容の詳細についての感想は避けますが、これまでの村上さんの作品と比べてメッセージが直接的に伝わってくる気がします(さまざまに張られた伏線の多くが意外と早めに明かされていますし)。今後、テーマも含めこのわかりやすさを批判する人が多く出てくるような気がします。個人的には、早く続きが知りたいというストーリー自体の魅力に溢れ、読んでいて楽しい(辛くなる描写も多いですが)作品です。どういう結末を迎えるのか楽しみです。
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