■本
24 Twitter マーケティング/山崎 富美、野崎 耕司、斉藤 徹、川井 拓也
25 八月の路上に捨てる/伊藤 たかみ
26 ゲームホニャララ/ブルボン 小林
24 可もなく不可もなくって感じの本です。私自身がTwitterを使い始めたので、以前に読んだ類似書よりは理解が深まりました。ビジネス上の成功事例で、複数の筆者が同じ例を上げている点に、かえってTwitterのマーケティング利用は数としては少なく、まだまだ発展途上であることを物語っていると感じました。横文字を使って無理やり理論化しようとしている部分は個人的にはあまりしっくりきませんでしたが、Twitterのマーケティング利用に実際に取り組んでいる人の生の声が読めるという点では有意義だと思います。
25 久しぶりに日本の現代小説を読みたくて、吉田修一さんや長嶋有さんの新作が出ないので、「代わりに」と言えば失礼過ぎますが、ずっと気になっていた本作を読みました。タイトル作は芥川賞受賞作だけあって、こじんまりとした設定の割には妙なスケール感の感じるよくできた小説です。今の若者の閉塞感を伝えつつ、それでもあがき続けよう、というささやかな覚悟も感じられて好感が持てました。同時に収録されている他の2作も、登場人物がみんなそれなりに深刻な問題を抱えているにもかかわらず、それもひっくるめて生きていこうという、力の抜けた覚悟が感じられる作品で、妙に清清しい読後感が残ります。押し付けがましくなく、留保条件のついたポジティブさがよいと思います。
26 長嶋有さんの別名によるゲームエッセイ。前作「ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ」と比べると、紹介されているゲーム自体を知らなくても、考察の視点を楽しめる内容で読みやすかったです。ゲームを作品と捉え、作者に対して敬意を表する姿勢に共感が持てました。「ワンダと巨像」や「ICO」といった作品をやりたくなりました。
■映画
10 渚にて/監督 スタンリー・クレイマー
11 マイレージ、マイライフ/監督 ジェイソン・ライトマン
10 核戦争による世界の終わりを静かに描いた作品。放射能の汚染を待つオーストラリアの人々と原子力潜水艦により死を免れたアメリカ兵の最後の数ヶ月が、メロドラマチックに描かれています。確かアニメ「未来少年コナン」は本作にインスパイアーされていたと記憶していたので観ました(と思っていたら、コナンの原作は「残された人々」という小説でした)。世界の終わりがこんなに静かで淡々としているとは僕には思えないのですが(もっとどろどろと騒々しく見苦しいような気がします)、この静けさが、核戦争の恐怖を巧みに伝えています。今の時代ではおそらく描くことのできない(もっと明確な二元論の映画になっているはず)、古きよき時代のヒューマニズムを感じることのできる作品です。
11 傑作「JUNO」の監督作品ということと、一応、「アカデミー作品賞」にノミネートされているということで観ました。監督独特のセンスは感じられますが、正直期待外れの作品でした。主演のジョージ・クルーニーと助演女優賞にもノミネートされていたヴェラ・ファーミガは、魅力的ないい演技をしていたと思いますし、「職を失う」という重いテーマを一見軽く描く試みもおもしろいと思いますが、表向きの軽さを補完する、重しとしての「何か」が欠けているような気がしました。失業した広告マンがエンディングテーマ曲を手がけているというエピソードでその「何か」を補っているのかもしれませんが、それは作品とは異なる次元の話ですし。
24 Twitter マーケティング/山崎 富美、野崎 耕司、斉藤 徹、川井 拓也
25 八月の路上に捨てる/伊藤 たかみ
26 ゲームホニャララ/ブルボン 小林
24 可もなく不可もなくって感じの本です。私自身がTwitterを使い始めたので、以前に読んだ類似書よりは理解が深まりました。ビジネス上の成功事例で、複数の筆者が同じ例を上げている点に、かえってTwitterのマーケティング利用は数としては少なく、まだまだ発展途上であることを物語っていると感じました。横文字を使って無理やり理論化しようとしている部分は個人的にはあまりしっくりきませんでしたが、Twitterのマーケティング利用に実際に取り組んでいる人の生の声が読めるという点では有意義だと思います。
25 久しぶりに日本の現代小説を読みたくて、吉田修一さんや長嶋有さんの新作が出ないので、「代わりに」と言えば失礼過ぎますが、ずっと気になっていた本作を読みました。タイトル作は芥川賞受賞作だけあって、こじんまりとした設定の割には妙なスケール感の感じるよくできた小説です。今の若者の閉塞感を伝えつつ、それでもあがき続けよう、というささやかな覚悟も感じられて好感が持てました。同時に収録されている他の2作も、登場人物がみんなそれなりに深刻な問題を抱えているにもかかわらず、それもひっくるめて生きていこうという、力の抜けた覚悟が感じられる作品で、妙に清清しい読後感が残ります。押し付けがましくなく、留保条件のついたポジティブさがよいと思います。
26 長嶋有さんの別名によるゲームエッセイ。前作「ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ」と比べると、紹介されているゲーム自体を知らなくても、考察の視点を楽しめる内容で読みやすかったです。ゲームを作品と捉え、作者に対して敬意を表する姿勢に共感が持てました。「ワンダと巨像」や「ICO」といった作品をやりたくなりました。
■映画
10 渚にて/監督 スタンリー・クレイマー
11 マイレージ、マイライフ/監督 ジェイソン・ライトマン
10 核戦争による世界の終わりを静かに描いた作品。放射能の汚染を待つオーストラリアの人々と原子力潜水艦により死を免れたアメリカ兵の最後の数ヶ月が、メロドラマチックに描かれています。確かアニメ「未来少年コナン」は本作にインスパイアーされていたと記憶していたので観ました(と思っていたら、コナンの原作は「残された人々」という小説でした)。世界の終わりがこんなに静かで淡々としているとは僕には思えないのですが(もっとどろどろと騒々しく見苦しいような気がします)、この静けさが、核戦争の恐怖を巧みに伝えています。今の時代ではおそらく描くことのできない(もっと明確な二元論の映画になっているはず)、古きよき時代のヒューマニズムを感じることのできる作品です。
11 傑作「JUNO」の監督作品ということと、一応、「アカデミー作品賞」にノミネートされているということで観ました。監督独特のセンスは感じられますが、正直期待外れの作品でした。主演のジョージ・クルーニーと助演女優賞にもノミネートされていたヴェラ・ファーミガは、魅力的ないい演技をしていたと思いますし、「職を失う」という重いテーマを一見軽く描く試みもおもしろいと思いますが、表向きの軽さを補完する、重しとしての「何か」が欠けているような気がしました。失業した広告マンがエンディングテーマ曲を手がけているというエピソードでその「何か」を補っているのかもしれませんが、それは作品とは異なる次元の話ですし。