本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

上司は思いつきでものを言う

2011-08-27 05:59:05 | Weblog
■本
70 上司は思いつきでものを言う/橋本 治
71 孫正義 リーダーのための意思決定の極意 ソフトバンクアカデミア特別講義

70 あえて単純に要約すると、会社が大きくなって現場と上司との距離が広がったが、過去に現場の第一線で働いていた上司は、現場が変化しているにもかかわらず過去の現場での成功体験を否定することができず、結果として思いつきでもの言ってしまう、という趣旨の本と理解しました。ただ、このような単純な要約は間違いで、この本の正しい読み方は、筆者の膨大な古典などの知識を元に展開される論理展開に、いちいち唸らされながら、読んでいくことにあると思います。発想や論理展開がトリッキーなので、合う合わないがはっきりする本だと思いますが、僕は楽しめましたし、現場が大切という主張になんとなく勇気づけられました。思いつきでものを言う上司に対する対策として、「あきれる」という方法も僕好みですし。7年位前に出向して、そこの社長の指示に苦しんでいたときに読みたかった本です。

71 孫正義さんの後継者育成のための学校での講義内容を収めた本です。前半はさまざまな局面での意思決定を二者択一で質問して、それに孫さんが自分がどのように意思決定したかを解説していく形式。後半は孫さんが自身で編み出した、意思決定のフレームワーク「孫の二乗の兵法」を解説したものとなっています。前半のケーススタディは多少状況説明が荒っぽいですが、ボーダーフォン買収時などの孫さんの思考プロセスが追体験できて興味深かったです。後半のフレームワークもよくできていて参考になります。大半が結局は自慢話ですが、これだけの実績を残されている方の話なので、説得力は抜群です。あまり好きなタイプの方ではないのですが、日本のブロードバンドをここまで安く使いやすくして下さったのは、間違いなくこの方の功績なので、その面では感謝してますし、尊敬もしています。


■CD
49 Who's Next/The Who
50 Close to the Edge/Yes
51 地球の歩き方/ザ・コレクターズ

49 文句なしの傑作。ジャケットのアートワークも含めて全部大好きです。ポップさとセンスと情熱とウイットそしてスケール感、それらが全て絶妙に配合されています。40年以上も前にこんなにアイデア豊富な作品が出されていることに驚きです。この作品を聴くと、ロックがアイデア面ではほとんど進化していないことがわかります。音楽を聴く楽しさを再認識される傑作です。

50 これも傑作。重厚な楽曲が少し古臭く感じますが、巧みな構成に感心します。左脳で楽しむ音楽ってところでしょうか? プログレッシブロックがなぜ人気が出て、そして廃れていったかがなんとなくわかります。個人的には、はまって聴くというよりも、たまに聴きたくなるタイプの作品です。

51 相変わらずのコレクターズ節。今回の大震災をテーマにした曲がありますが、基本的には何も変わっていません。ポップでモッズでシンプルでポジティブなロックナンバーが満載です。直近の3作の中では、ストレートに音楽が入ってくるので一番好きです。ギタリストの古市コータローさんがヴォーカルを取る曲があるのですが、すごく歌がうまくなっているのに僭越ながら感心しました。
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永遠の0

2011-08-21 05:53:05 | Weblog
■本
67 永遠の0/百田 尚樹
68 むかつく二人/三谷 幸喜、 清水 ミチコ
69 ツイッターノミクス/タラ・ハント

67 ちょっとファンタジーっぽくなり話ができすぎている、ってことくらいしか欠点が見つからない素晴らしい作品です。特攻隊員がおかれていた苛酷な環境と彼らの清廉さ、そして、それと対称的な軍司令部の慢心と自信のなさによる失策の数々が、丁寧な取材に基づき描かれています。半ニート状態の青年が特攻で死んだ見知らぬ祖父について、当時の戦友に聞き取り調査を行う、という設定を思いついた時点で勝負ありだったのかもしれません。徐々に事実が明らかになっていく探偵小説的な要素により、グイグイストーリーにひきこまれていきます。言葉は適切ではないかもしれませんが、エンターテイメント作品としても秀逸です。こういった戦争ものはその内容の悲惨さ残酷さにより、つい読み進めるのが辛くなることが多いのですが、この作品は先の展開が知りたくて一気に読めました。お勧めです。

68 FMラジオ番組のトークを収録した本です。センスのよい会話のやり取りが楽しめます。相手の挑発に対してさらっと流しているところもあれば、何気ない普通の一言に食ってかかる場面もあり、「そうくるか」というお二人のスリリングな会話の展開が面白いです。お二人ともちょっと凡人とは違う感性を持っていることがよくわかる本です。

69 「ウッフィー」(ソーシャルネットワーク上の発言・活動により個人や企業が得られる信頼・評価)という言葉がやたらと出てくる鬱陶しさを除けば、ソーシャルネットワーク上で企業が取るべき作法を実例も含めて丁寧に解説してくれるよい本だと思います。似たようなテーマの「グランズウェル」って本を読んだときにも思ったのですが、なぜ海外のコンサルタントは自分の作った造語をごり押ししてくるんでしょうか? ソーシャルネットワークの普及により、個人や企業の取り組みが可視化され、その振る舞いの結果の伝播速度も速くなるので、結局はそれぞれが誠実でかつ親切に行動しないと、いくら表面だけ取り繕っても信用は得られない、ってことなんでしょうね。ムラ社会のしがらみを切り続けてきた現代人が、今度はネット上のコミュニティーでのしがらみに縛られつつあることが若干息苦しくもありますが、正直者が得をする社会になるのであれば、そう悪いことではないのかもしれません。


■CD
46 Paul's Boutique/Beastie Boys
47 The Band/The Band
48 One of These Nights/The Eagles

46 名作と評判の高い作品ですが、個人的にはピンと来ませんでした。トラック使いの斬新さやセンスでは「Ill Communication」の方が好きです。ほぼ完成しきった「Ill Communication」の方を先に聴いてしまったが故の低評価なのかもしれませんが。

47 しみじみよいです。デビュー作「Music from Big Pink」もよかったですが、本作の方が個々の楽曲のクオリティが上がっているかも。1曲目の「Across The Great Divide」で、リスナーを鷲掴みににして、自分達の世界観に連れて行く、力技が心地よいです。何度聴いても飽きないです。40年前の作品ですが、「良いものは良い」という当たり前のことが再認識できる傑作です。

48 こちらもしみじみよいです。ただ、全体の完成度はやはり次作の「Hotel California」の方が上でしょうか。意外とダークな印象の曲が多いです。緩急自在の構成はさすがだと思います。


■映画
40 ファンタスティック・フォー:銀河の危機/監督 ティム・ストーリー
41 カンフー・パンダ2/監督 ジェニファー・ユー・ネルソン
42 ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛/監督 アンドリュー・アダムソン

40 能天気すぎる作品。脳みそをほとんど使わずに楽しめます。地球滅亡の危機の割には恐ろしくあっさり解決できますし、その危機を防ごうとするファンタスティック・フォーやアメリカの将軍もバカ過ぎます。まあ、そこがマーベル作品のよいところかもしれませんが。

41 90分という適度な長さで、テンポよく進んでとても楽しめました。カンフーアクションの描写も観ていて気持ちよかったです。何より、ドリームワークス・アニメーション作品に特徴的な毒のあるキャラクターが大好きです。笑いどころと泣かせどころのバランスも適切ですし、子どもと観にいっても確実に楽しめる安心感のある作品です。

42 前作から1300年後ということで、どのようにストーリーがつながるかが観る前は少し不安だったのですが、思った以上に楽しめました。ファンタジックな映像は当然ですが、ストーリーも面白かったです。創造主であるとはいえ、「アスラン」が万能過ぎる気もしますが、そこを突っ込んだらだめなんでしょうね。
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せんべろ探偵が行く

2011-08-13 05:10:54 | Weblog
■本
66 せんべろ探偵が行く/小堀 純、中島 らも

 「悶々ホルモン」を読んでB級グルメ熱が高まったので、引き続き大好きな中島らもさんの飲み歩き本を読みました。中島らもさんの著書というよりも、親しい編集者の方が中島らもさん(やその仲間)との食べ歩きをまとめた本です。アルコールで心身ともにかなりのダメージを受けた後のらもさんですが、それでも仲間と楽しくお酒を飲むことが大好きな様子が伝わってきます。「どこで何を食べる」かよりも「誰」と飲むかの方が大切という当たり前のことに気づかされる本です。もちろん、素敵な店がその楽しみを増してくれることは言うまでもないですが。読んでいるととても素敵な店が、現在は結構閉店しているのが残念です。


■映画
38 紀元前1万年/監督 ローランド・エメリッヒ
39 トランスフォーマー ダークサイド・ムーン/監督 マイケル・ベイ

38 紀元前1万年のある部族の若者が、侵略者に囚われた仲間(恋人も含む)を別の部族などとも協力しつつ、さまざまな困難を乗り越え救出するという極めてシンプルなお話です。このシンプルさが結構好きだったりしますが、傑作「インデペンデンス・デイ」の監督作品としては、監督の表現者としてのエゴが勝ちすぎていて若干不満が残ります。この監督の最大の魅力は観客を無条件楽しませるエンターテイメントに徹することにあると思いますので、やはり残念です。悪い映画じゃないのですが、「インデペンデンス・デイ」や「デイ・アフター・トゥモロー」の後に作る作品じゃないですね。

39 なんかもう1、2作目のストーリーを全く覚えていませんが、やはりCG目当てで観てしまいました。トランスフォーマーのCGは凄まじく、観ていて気持ちよいですが、ここまで畳み掛けられるように見せられるとお腹一杯になりました。あんなにゴージャスなヒロインがショボイ主人公に惹かれる理由がよくわかりませんが、主人公たちには絶対に弾が当たらない、超ご都合主義も含めて、頭を空っぽにしてみるには最適の映画です。スカッとしますし。でも、やはりちょっと長すぎるかな。
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橋本治と内田樹

2011-08-06 07:24:37 | Weblog
■本
66 橋本治と内田樹/橋本 治、 内田 樹
67 次世代マーケティングリサーチ/萩原 雅之

66 以前から気になっていましたがその著書を読んだことがない橋本治さんと、この1年はまりまくっている内田樹さんの対談集です。「頭のいい人ってすごいな」というのが正直な感想です。橋本さんの「知っていることを知らないふり」をしてものを考えることや内田さんの「子どものときに幸せだったから」人を怒らせても平気、などの発言を聞くと、真似はできないですが、妙な説得力があり、思考の幅が少し広がったような気になりました。全体的にゆるい感じで議論が発散しまくっていますが、いろんな気づきが得られる楽しい本です。

67 マーケティングリサーチの「現在」と「これから」を考える上でよい本です。「テクノロジー」や「ソーシャル」の活用など、書かれている内容はこの業界でここ数年話題になっていることばかりで、それほど目新しさはないですが、それを俯瞰的に整理されているところがこの本の秀逸なところです。現場でマーケティングリサーチに取り組んでいる人だけあって、この業界にありがちな妙な煽りがなく、地に足がついた論調であるところも好感が持てます。頭の整理にとても役立ちました。


■CD
46 Ramones/The Ramones

 「The Rolling Stone Top 500 Albums」で 33位と高評価(ちなみに32位が「Let It Bleed - The Rolling Stones」で34位が「Music From Big Pink - The Band」)なので聴きました。これらの順位が前後の作品と比べると完成度と言う面ではとても及びませんが、バンドを実際に組んで演奏することの敷居を下げたと言う意味でのこの作品の功績は想像以上に大きいと思います。この作品がなければ「少年ナイフ」などのバンドは存在していなかったような気がします。全体を通して単調な印象が残ることは否めませんが、この疾走感はやはり気持ちよいです。

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「おじさん」的思考

2011-08-01 05:56:17 | Weblog
■本
65 「おじさん」的思考/内田 樹

 「倫理の根元的形態とは『お先のどうぞ』という言葉に集約される」、という箇所に非常に感銘を受けました。そして、その「お先にどうぞ」を生死がかかる局面で実践できるためには、人生において「やり残したことがない」、「死に臨んで悔いがない」状態=「幸福」である必要があるというところも。今後大きな成長が望めない、日本という国に住むおじさんの身としては、次世代への負担を極力減らすために、このメンタリティが非常に重要だと思います。独善的ではなく上手に「幸せに」歳を取って生きたいものです。


■映画
37 カーズ2/監督 ジョン・ラセター

 冒頭からスパイ風の怒涛の展開で引き込まれ、カーレースシーンも迫力十分、ラストにどんでん返しもあり、面白かったです。気がつけば主役がライトニング・マックィーンからメーターに代わっていましたが、友情という前作のテーマを継承しつつ、レースだけにとらわれず、環境をテーマにした陰謀的要素を入れスケール感が大きくなっていて、続編としては極めて正しいつくりだと思います。ただ、家族で観にいったのですが、小学1年生の次男にはちょっと長すぎたようで、終わったときはグロッキー状態でした。子どももターゲットにするならもう少し短くてもよかったのではと思います。また、3Dで観たのですが、その良さも活かせていなかったような気もします。それなりに3D映画を観ましたが、「アバター」と「カールじいさんの空飛ぶ家」以外にその良さを活かせた作品にはまだ出会っていません。大音量でperfumeの「ポリリズム」が流れて鳥肌が立ちました。やはりいい曲です。
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