本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ちゃんと伝える

2016-11-13 07:17:21 | Weblog
■本
86 グローバリズムが世界を滅ぼす/エマニュエル・トッド、 ハジュン・チャン

 「ソ連崩壊」、「米国発の金融危機」、「アラブの春」などを予言したとされ、近年注目されている、フランスの歴史人口学者、家族人類学者であるエマニュエル・トッドさんと韓国の経済学者であるハジュン・チャンさんを日本の大学教授、評論家の方が招いた、グローバリズムをテーマにした、複数のシンポジウム、対談をまとめた本です。タイトル通りグローバリズム、新自由主義を批判した本ですが、そこから、フランス人らしく、ドイツやエリートに対する批判にも広がっていきます。シンポジウムということもあってか、感情的な発言が多く、グローバリズムの進展に対する不安が募ります。国内産業保護色の強いトランプ新米国大統領の主張にも通じるところがあり、今後、グローバリズム、新自由主義がどのように修正されるか(それとも、無批判に進展していくのか)に注目していく必要があると思いました。


■CD
62 Running on Empty/Jackson Browne

 疾走感溢れるタイトル曲が大好きなので手元にCDを置いておきたくて買いました。ツアーの最中にステージやホテルの部屋などで録音された作品ということで、ライブ感やメンバーとの一体感が強く感じられる、アットホームな雰囲気に満ちた幸せな作品です。ブルース・スプリングスティーンのような派手な大御所感はないですが、普通のアメリカのお兄ちゃんという感じが好ましくてこの時期のジャクソン・ブラウンは大好きです。


■映画
77 ちゃんと伝える/監督 園子温
78 インフェルノ/監督 ロン・ハワード

77 父親と息子の絆や人の命をテーマにしたヒューマンドラマをサスペンスタッチで描いたとてもユニークな作品です。ベタになりがちなテーマをあえてベタに描きつつ、それでも、独特の個性が迸っているところが、さすが鬼才と呼ばれる園子温監督作品だと思います。監督の出身地である豊川市の描き方もとても魅力的で、地方都市の疲弊という日本映画にありがちなテーマに陥っていないところも素敵です。園子温監督の毒を求める方々には、この作品の評価はあまり高くないようですが、ありきたりなテーマでここまで観客をひきつけ、かつ、作家性を盛り込んでいる点にはただただ感心しました。素晴らしい作品だと思います。

78 ダン・ブラウン原作の芸術作品をからめたミステリーを監督ロン・ハワード、主演トム・ハンクスで映像化した第3弾です。前2作ほど評価も興行的にも高くないようですが、記憶があいまいな主人公が冒頭から事件に巻き込まれて、観客ともども訳がわからないままストーリーが進展するというテンポのよい展開に冒頭から引き込まれます。2度のどんでん返しも予想ができなかったもので、個人的にはとても楽しめました。ストーリーがあまりに急に進みますし、芸術作品をからめた謎解きはまずますマニアックになっているので、不親切に感じる場面もありますが、流れに乗っかるとジェットコースターに乗っているかのような快感が得られます。一級品のエンターテイメント作品だと思います。
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1 コメント

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Unknown (神崎和幸)
2016-11-13 17:41:08
こんばんは。

自分も「ちゃんと伝える」 観ましたよ。
素晴らしい作品ですよね。
切ないけど考えさせられました。
そのうえ安易に死をドラマチックに飾ったりしていないところも良かったと思いましたよ。

それに「インフェルノ」の原作は読みましたが面白かったです。
今回は今までの象徴学や宗教的解釈は薄めで
人口増加問題に対する科学的な切り口が新鮮だったと思います。
そのうえスピード感のある展開がスリリングで一気に読んでしまいましたよ。
ですので映画も観ようと思っています。
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