■本
73 神々の「Web3.0」/小林雅一
74 わたしたち消費/鈴木 謙介 電通消費者研究センター
73 Web2.0後の米国のITサービス動向をわかりやすくレポートしてある、いい本です。何より情報が新しいところがよいです。「web2.0」が「集合知をベースとしてデータベースの構築」が競争優位であったのに対し、「web3.0」ではソーシャルグラフのような「人間関係を解析した関係性に基づくカスタマイズ」に価値の源泉が移るというのが主な趣旨です。その流れで「コミュニティ」、「セマンティック・ウェブ」、「モバイル」、「メタバース(仮想世界)」などの最新動向を解説してくれています。発想のネタ元であるティム・オライリー氏のインタビューを惜しみなく掲載しているところも好感が持てます。筆者は意図的に使用しているのですが、「神々の」や「Web3.0」という大仰で安っぽい言葉選びは、僕は違和感を感じましたし、賛否は分かれると思います。
74 鈴木さんの「カーニヴァル化する社会」の延長線上で、「ネタ的コミュニケーション」をトリガーに消費について語った本です。ケータイ小説のヒットなど、大多数の人の実感と実際の売り上げに大きな乖離のある「見えないヒット」の分析
など、前半は非常に納得感のある内容なのです。しかし、人の影響も受けつつ自らも情報を発信するという「わたしたち拡大層」という造語が出たあたりから、少しあやしくなります。このあたりは「口コミは有効だが、マス広告も引き続き有効」という電通さんのロジックに従った結論ありきの我田引水的な展開という印象は拭えません。言っていることはその通りなのかもしれませんが、データソースが電通さんの調査ってところがよくないのかもしれません。冒頭の「下流マーケティング」に対する批判は全くおっしゃるとおりだと思います。
■CD
最近napsterでよく聴いているのはこの2つ。
どちらもとても爽やかで、秋晴れの朝に聴くと元気が出ます。
・Troubadours/Troubadours
・subway silence/giovanca
■映画
23 「パコと魔法の絵本」/監督 中島哲也
日本ではほとんど扱われないジャンルである大人向けファンタジー。この分野にあえてチャレンジして成功している、中島監督の志の高さと技量に感服いたします。主演の女の子がかわいいとか、斬新な映像がおもしろいとかいろいろな評価ポイントがありますが、実は本作は阿部サダヲさんの映画です。いつも通りのやりたい放題の怪演で圧倒的な存在感をみせています。その影響を受けて、劇団ひとりさんは少し損をしています。基本的なテーマは生と死そして記憶だと思うのですが、個人的には最後の結末は湿っぽ過ぎて少し期待はずれでした。もう少し毒気満載でもよかったのでは。とはいえ、一見の価値ある作品だと思います。
73 神々の「Web3.0」/小林雅一
74 わたしたち消費/鈴木 謙介 電通消費者研究センター
73 Web2.0後の米国のITサービス動向をわかりやすくレポートしてある、いい本です。何より情報が新しいところがよいです。「web2.0」が「集合知をベースとしてデータベースの構築」が競争優位であったのに対し、「web3.0」ではソーシャルグラフのような「人間関係を解析した関係性に基づくカスタマイズ」に価値の源泉が移るというのが主な趣旨です。その流れで「コミュニティ」、「セマンティック・ウェブ」、「モバイル」、「メタバース(仮想世界)」などの最新動向を解説してくれています。発想のネタ元であるティム・オライリー氏のインタビューを惜しみなく掲載しているところも好感が持てます。筆者は意図的に使用しているのですが、「神々の」や「Web3.0」という大仰で安っぽい言葉選びは、僕は違和感を感じましたし、賛否は分かれると思います。
74 鈴木さんの「カーニヴァル化する社会」の延長線上で、「ネタ的コミュニケーション」をトリガーに消費について語った本です。ケータイ小説のヒットなど、大多数の人の実感と実際の売り上げに大きな乖離のある「見えないヒット」の分析
など、前半は非常に納得感のある内容なのです。しかし、人の影響も受けつつ自らも情報を発信するという「わたしたち拡大層」という造語が出たあたりから、少しあやしくなります。このあたりは「口コミは有効だが、マス広告も引き続き有効」という電通さんのロジックに従った結論ありきの我田引水的な展開という印象は拭えません。言っていることはその通りなのかもしれませんが、データソースが電通さんの調査ってところがよくないのかもしれません。冒頭の「下流マーケティング」に対する批判は全くおっしゃるとおりだと思います。
■CD
最近napsterでよく聴いているのはこの2つ。
どちらもとても爽やかで、秋晴れの朝に聴くと元気が出ます。
・Troubadours/Troubadours
・subway silence/giovanca
■映画
23 「パコと魔法の絵本」/監督 中島哲也
日本ではほとんど扱われないジャンルである大人向けファンタジー。この分野にあえてチャレンジして成功している、中島監督の志の高さと技量に感服いたします。主演の女の子がかわいいとか、斬新な映像がおもしろいとかいろいろな評価ポイントがありますが、実は本作は阿部サダヲさんの映画です。いつも通りのやりたい放題の怪演で圧倒的な存在感をみせています。その影響を受けて、劇団ひとりさんは少し損をしています。基本的なテーマは生と死そして記憶だと思うのですが、個人的には最後の結末は湿っぽ過ぎて少し期待はずれでした。もう少し毒気満載でもよかったのでは。とはいえ、一見の価値ある作品だと思います。