本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

Some Loud Thunder

2007-01-31 09:08:08 | Weblog
■本
11 ブログ進化論/岡部 敬史
12 臨機応答・変問自在/森 博嗣

11 タイトルがあの名著のパクリな割にはまともな本です。でも、「進化論」的な内容は何一つかかれていません。ブログの紹介書としては読んでも損はないと思います。発売後1年経っていないのですが、この本で紹介されている事例はかなり古く感じます。この分野の進化の速さを感じます。くどいようですが、この本はこのパクリのタイトルのせいで、多くの読者を失望させたでしょう(そう悪い本ではないのですが)。

12 友人に紹介されて読みました。筆者は自分の芯を持った頭のよい人であこががれてしまいます。印象に残る回答がたくさんあり、「子供を体で叱るのを3歳で切り上げる」、「言葉が通じるようになれば叩く必要はない」という回答は今後の子育ての参考にしたいと思います。この本を読んでますます自分がひねくれた人間になりそうで少し怖いですが。一般の方からの質問に回答した続編もあるらしいので、そちらも読みたいと思います。


■CD
2 Some Loud Thunder/Clap Your Hands Say Yeah
3 Not Too Late/Norah Jones

2 傑作です。前作にも増してバラエティに飛んだオリジナリティあふれる作品に仕上がっています。力強さが増して、自信というか貫禄さえ感じます。ひねくれたポップが好きな方にはお勧めです。ヒップホップ、R&B全盛のアメリカでこんなまっとうなロックバンドが存在することがひとつの救いでもあります。

3 前2作と比較すると印象に残る曲が少なく地味な印象なので賛否が分かれる作品だと思います。まあ、もともと地味なジャンルの音楽ですから、これまでが脚光を浴びすぎていたとも言えるのですが。この声を聴くだけでも価値があると思います。独特の世界観を持ったいい声だと改めて思いました。これから聴き込みたいと思います。

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不都合な真実

2007-01-24 09:53:26 | Weblog
■本
9 インターネット・マーケティング概論/レイモンド フロスト、ジュディ シュトラス
10 マーケティング・リサーチ入門/近藤 光雄

9 昨年から少しずつ読んでやっと読了しました。少しデータが古いのと翻訳がこなれていないのが難点ですが、この分野に特化した学問的な本はあまりないので読む価値はあるとは思います。

10 前半の抽象的なお題目の部分は個人的には少しつらかったですが、中盤以降の具体的で実践的な方法論はかなり参考になりました。マーケティング・リサーチの入門書としてはいい本だと思います。


■映画

6 不都合な真実/監督 デイビス・グッゲンハイム
7 ブラザーズ・グリム/監督 テリー・ギリアム
8 シリアナ/監督 スティーブン・ギャガン

6 なぜかロッセリーニの「神の道化師、フランチェスコ」の登場人物の姿とこの映画のアル・ゴアの姿がかぶりました。愚直に温暖化対策を訴えるゴア氏の姿とプレゼンテーションの説得力に感動します。この人が大統領になっていたら、今の世界はもう少しよくなっていたのではという思いを抱かざるを得ません。どこかの知事選の結果を見ていても思うのですが、人は政治に善よりも面白さを求めているのかもしれません。確かにゴア氏よりもブッシュの方がよくも悪くも面白いことはしてくれそうですが。映画としてはゴア氏個人の家族への思いの部分を省いて、「環境」一本に絞った方がよりよかったとは思います。とはいえ、エンターテインメントとしても短くよくまとまっているので、観る価値のある映画だと思います。

7 テリー・ギリアムらしい毒の効いた作品ですが、もっと面白くなったのという印象が強いです。グリム兄弟を魔物退治を自作自演するペテン師として描いているのですが、悪役の女王とも最後までペテンとかトリックで対決していればもっと独自の世界観が生きたと思います。最後はありきたりの冒険ファンタジーで終わっています。個人的にこの監督は大好きなのですが、「12モンキーズ」でも同様の感想を持ったのですが、飛びそうで飛ばないじれったさが残ります。この監督の力量とこの設定、キャストであれば、「もっと面白くなるはずのに」という不満が大きいです。それだけ期待が大きいわけですが、その期待を裏切るところもこの監督の持つ毒の一部なのかもしれません。「フィッシャー・キング」のような文句なしの傑作をもう一度観たいです。

8 はずれでした。たぶん見た環境が悪かったのでしょう。BROAD TVの「吹き替え版」で観たのですが、アラブ語部分も日本人がアラブ語でしゃべって字幕が英語って、なんじゃこれって感じです。もともと複雑なストーリーなのにアラブ側の視点が消化不良で不満が残ります。ジョージ・クルーニーもオスカー助演男優賞に値する演技とは思えませんでしたが、この印象も吹き替え版だからかもしれません。



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国家の品格

2007-01-18 09:06:42 | Weblog
■本
6 国家の品格/藤原 正彦
7 図解でわかる Web2.0マーケティング/宮崎 哲也
8 ミクシィ(mixi)で何ができるのか?/山崎 秀夫

6 昨年一番売れた本らしいので読みました。きなくさい本だと思っていたのですが、思っていたよりいい本でした。筆者ご自身の立場もうまく作用していると思います。政治家がこんなことを書くと、国民の思考停止を狙う思惑を感じますが、数学者にとって愛国者が増えてもなんのメリットもないように思えるところが、比較的拒否反応の出そうなこの種の主張がすっと入ってくる理由なのだと思います。「マスコミが第一権力」などとんでもな主張がありますが、論理的根拠がなくても「悪いものは悪い」など結構説得力のある主張もたくさんあります「論理には出発錬が必要」でその出発点を選ぶのは「情緒やかたち」というご意見には結構「目からうろこ」の思いでした。

7 網羅的に「Web2.0」を学ぶ上では簡単に読めて役に立ちます。この種の本をたくさん読まれている方にはご存知の内容、事例ばかりだと思います。入門書ですね。

8 あいかわらず筆者の心理学用語の引用はわけがわかりませんが、SNSの立ち上げ期から着目されているので、事例も豊富ですし、歴史的な経緯を知る上では参考になります。mixiがなぜ日本で普及したかの考察も納得感があります。筆者の類似書の中では本作が一番いいと思います(新書で比較的安いですし)。逆に言えば他の本は読む必要がないと思います。

■CD
・ Rock N Roll/Ryan Adams

 最近このアルバムばかり聴いてます。ベタだけど格好いい。 J.BOYのころの浜田省吾さんのようだと個人的には思いました。この人の本領は他のアルバムにあるのでしょうが。
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長崎乱楽坂

2007-01-14 06:25:13 | Weblog
■本
3 長崎乱楽坂/吉田 修一
4 もしもウサギにコーチがいたら/伊藤 守
5 ウェブ新時代の「口コミ」戦略/小池 晋一

3 吉田修一さんの本は僕にとって当たり外れが大きいのですが、本作は平均的な作品だと思いました。抑えられたタッチで、人がダメになっていく様子が描かれます。その理由は「見得」や「やさしさ」や「時代の流れ」などさまざまですが、「やるせなさ」より、「あきらめ」に似た感情が読後感に残ります。自分の努力ではどうしようもない、なるようにしかならないことは確かにありますから。

4 1よりも具体的にコーチングについて教えてくれます。しかし、さすがに年明け早々この分野の本は3冊目なのでお腹いっぱいになりました。

5 強くお勧めしません。まず、「口コミ戦略」の本ではないのでだまされてはいけません。「ネットの普及で口コミが重視されるようになった」⇒「口コミで評価されるのでナンバー1企業しか生き残れない」⇒「ナンバー1企業になるためには企業組織を変えなければならない」⇒「Web2.0的に企業も階層をなくして現場社員に権限委譲してどんどんまかせましょう」と言うのが乱暴な本書のロジックです。最後は組織論になりますので、「口コミ」を広げるための戦略が書かれた本として読むとかなり失望します。全体的に「口コミ」、「コミュニティ」、「wiki」、「集合値」などのバスワードが並べられているだけで、血の通った議論が全く展開されていませんし、筆者の主張どおり経営したら間違いなく失敗します。成功事例の目立たない部分(「バスワード」では語れない部分の地道な苦労)が全く考慮されていませんので。逆に自分がこのような内容のレポートを書かないための悪い見本としてのみ役に立つ本です。

■CD
1 Be Not Nobody/Vanessa Carlton

 記念すべき今年1枚目に購入したCDは本作です。西武新宿のレコファンで483円で購入しました。「A Thousand Miles」を久しぶりに聴きたくなったので。この曲は長年聴きつがれる名曲だと思います。この人はいい声だし、耳障りのいい曲が多いですが、あまりに、「A Thousand Miles」の出来が突出しているので、1発屋で終わる危険性はかなり高いと思います。

その他、Napsterの定額サービスで最近よく聴いている作品は以下のとおりです。
購入したわけではないので、枚数にはカウントしませんが、本当によく聴いてます。

・Loose/Nelly Furtado

実は昨年のベストかもと思うほどの完成度。本作で化けました。


・Quality Control/Jurassic 5

リズムトラックが格好いい。ヒップホップ嫌いの人にもお勧めです。


・I Am Not Afraid of You and I Will Beat Your Ass/Yo La Tengo

「オルタナ」の国のマニアックな音楽を作る人たちという偏見を持っていたのですが、バラエティに飛んだ内容で、しかもどの曲も完成度が高く驚きました。かなり長く聴き込んで楽しめます。


■映画
4 アイランド/監督 マイケル・ベイ
5 バイオハザード/監督 ポール・アンダーソン

バイオ関係の映画を2本続けてみました。

4 期待せずに見たのですが、「期待どおり?」あまり完成度は高くないです。前半は独自の世界観をうまく映像化していて面白かったのですが、中盤から終盤にかけてとっちらかった印象です。主人公の逃亡を助けてくれる親切な人がいたり、追跡者が最後に助けてくれたりするのですが、動機がよくわからず、その辺の人物の内面があまり丁寧に描かれていないところが浅い理由かもしれません。ラストも僕にとっては逃げているような感じで描ききっていないです。でも、ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンを観ることができるだけでも僕にとっては悪くはない作品です。

5 期待せずに見たのですが、「期待に反して?」とても面白かったです。展開も速くて読めませんし、テクノ調の音楽が映像とマッチしていい感じです。何より、暗くて続編作る気満々のエンディングがいいです。僕が未来に悲観的なのかもしれませんが、こういう近未来を舞台にした作品はバッドエンドの方がしっくりきます。ミラ・ジョヴォヴィッチは本作でも恐ろしいほどに魅力的ではないです。スカーレット・ヨハンソンが主演だとよかったのに。
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新年なので前向きになる本を

2007-01-06 07:09:45 | Weblog
あけましておめでとうございます。

今年は本72冊、映画30本を目標にします。


■本
1 きっと、うまくいくよ―気持ちをラクにする30の方法/伊藤 守
2 成功者に学ぶ「決断」の技術──夢をかなえる最強のコーチング/ 鈴木 義幸

 私はコーチ・エィって会社の関係者でもコーチングを受けているわけでもないのですが、たまたま本屋の文庫本コーナーで見つけたので社長さんと副社長さんの本を購入しました。新年なので少し前向きな気分になろうと思ったのも、その理由です。この会社はいい意味でお金の匂いがするので(人助けを前面に出しているわけではなく、きっちり報酬は貰うよ、それも多額の、って姿勢が見て取れます)結構好きです。法人向けの仕事に特化してこういう心理学系の職業できちんと(おそらくかなりの)報酬を得て成功していると思われるところがすごいと思います。

1 この作者の本にしてはいまいちでした。「力を抜いてありのままの自分を受け入れる」という定番のメッセージを癒し系の言葉とイラストを組み合わせて、展開していますが、おそらくこの筆者の本領は癒しではなく、癒した後にどのように行動を変えるかにあると思いますので。あるいは、正月というすでに結構のんびりとした気分のときに読んだので、あまり刺さらなかったのかもしれません。殺伐とした気分のときにまた読んでみたいと思います。

2 こちらの方が新年に読むにはふさわしかったです。自分の行動をどう変えるかを「決める」ための心構えが主なテーマです。癒しだけでなく、自分と向き合うための厳しい言葉も結構書かれています。この本を読んで、新年にあたり、目標をいくつか立てました。「人の話を聞くときに、次に自分が何を話すか考えない」ということはしばらく実践してみたいと思います。僕は本来かなり後ろ向きな人間ですし、後ろ向きが必ずしも悪いとも思っていませんが(前向きな人間が戦争していると思いますので)、新年くらい自分にない前向きな視点を注入する意味でもよかったです。


■映画

1 インファナル・アフェア/監督 アンドリュー・ラウ
2 キング・コング/監督 ピーター・ジャクソン
3 サイド・ウェイ/監督 アレクサンダー・ペイン

1 恥ずかしながらマーティン・スコセッシ監督の「ディパーテッド」の元ネタということで初めて本作を知りました。評判があまりにいいので観たのですが、本当におもしろいですね。なぜ二人ともこれまでばれなかったのかという突っ込みどころを力技でねじ伏せて余りあるスリリングな展開と俳優の重厚な演技。二人の力関係が二転三転し、甘くないエンディングもとてもよかった。新年早々いいものを見せてもらったという満足感でいっぱいです。逆に、「ディパーテッド」大丈夫ですかね。レオナルド・ディカプリオはともかくマット・デイモンはいい演技をしてくれそうですが、マーティン・スコセッシ監督にこの怒涛のスピーディな展開が描けるだけの往年のパワーがあるかが心配です。

2 CGの迫力満点、でも長い。俳優の演技も悪くない、でも長い。監督の才気もあふれている、でも長い。長すぎる。キング・コングが出てくるまで、1時間程度もかかっていたような。なんか、「ジュラシック・パーク」と「シベールの日曜日」を足して薄めたような映画だと思いました。恐竜とキング・コングの戦いの場面は大好きでした。結局、人物描写に時間をかけすぎたのが失敗だと思います。その割には、登場人物に共感できませんでしたし。

3 日本じゃまず見られない中年のラブコメディ。僕は好きです。が、ゴールデン・グローブ賞をとったり、アカデミー賞に多部門でノミネートされるほどの傑作とも思いませんが。知的でシニカルな感じがアメリカ人には受けるんですかね。まあ、こういう中年の人が真剣に恋愛している姿が映画として成立するのはある意味の成熟だと思います。日本では、不倫でもなければ描けませんもんね。主人公が「人生が半分過ぎたのに、自分は何も成し遂げていない」って言うところが身にしみました。あと、登場人物のアジア系の女性が自分より年下と知ってショックでした。絶対、年上のおばちゃんと思って見ていたのに。
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