■本
17 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル/東浩紀
最近「民主主義」をテーマにした本がたくさん出版されていますが、その先駆けとも言える本だと思います。2011年に出版された当時話題になっていたのを思い出して、文庫化に伴い読んでみました。ルソーの「一般意思」という概念をビッグデータ時代に蘇らせて、ブログやTwitterの書き込みでの頻出ワードや検索エンジンのクエリーの盛り上がり状況(これが「一般意思2.0」だと私は理解しました)を、ニコニコ動画の画面上に流れる視聴者の書き込みのように、代議士にリアルタイムで見せて、国民の無意識を可視化することにより、専門家の議論(熟議)に影響を与え、衆愚政治と政治のプロによる政治の蛸壺化の間の落としどころを見つけようという趣旨だと私は理解しました。ルソー、フロイトといった有名な思想家の概念とテクノロジーを結びつけながら、丁寧に議論を進めてくれるので、論旨はわかりやすく、知的好奇心も刺激してくれます。ネットの書き込みが右傾化しやすいという昨今の状況を見ると突っ込みどころも多い考え方だと思いますが、IoT化が進みリアルとネットの垣根が低くなると(例えばデモ参加者の主張ごとの数が警察やマスコミからのバイアスがかかって報告される参加者数ではなく正確に把握できるようになるなど)、それなりの有効性を持つのではないかという期待を持ってしまいます。閉塞感漂う民主主義に一定の希望を与えるよい本です。
■CD
9 A Collection/Underworld
もうすぐ新作が発表されるUnderworldの2011年に発表されたベスト盤です。2枚組のベスト盤やライブ盤は持っているのですが、代表曲の別ヴァージョンやレアトラックも収録されていて価格も安かったので買いました。短く編集されたダンサブルな楽曲がテンポよくつながっていくので、ジョギングのBGMに最適です。コアなUnderworldファンには物足りないかもしれませんが、キャッチーなメロディラインの楽曲が満載で、Underworldのエッセンスを知る入門用として、お勧めできる作品だと思います。
■映画
13 ワールド・ウォーZ/監督 マーク・フォースター
冒頭10分くらいの迫力に満ちた怒涛の展開は素晴らしいです。一気に作品世界に引き込まれて、主人公たちと一体化したようなパニックに襲われます。ただ、ゾンビたちからいったん逃れることに成功し、ブラッド・ピット演じる主人公が家族と別れ、ゾンビウイルスの原因究明に向かい始めると、一気に緊迫感が薄まります。集団で襲ってくるゾンビの迫力は相変わらずなのですが、主人公が守るべき家族と別れたことと、しっかりとした絆で結ばれた相棒がいなかったことにより、主人公や仲間の命が相対的に軽く感じられてしまいました。また、留守を守る主人公の奥さんが、家族を思うがあまり、いかにも身勝手に感じられ(この奥さんが主人公にかけた携帯電話の着信音でゾンビが主人公の行動に気付き、それを守るために多くの軍人さんが死んでしまいます)、徐々に感情移入できなくなったのも残念でした。ブラッド・ピットも格好いいですし、映像の迫力は非の打ちどころがなく、悪くない映画だと思いますが、ストーリー展開という点では、同じハイテンションのゾンビ映画だと、ウィル・スミスの「アイ・アム・レジェンド」の方が私好みです。
17 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル/東浩紀
最近「民主主義」をテーマにした本がたくさん出版されていますが、その先駆けとも言える本だと思います。2011年に出版された当時話題になっていたのを思い出して、文庫化に伴い読んでみました。ルソーの「一般意思」という概念をビッグデータ時代に蘇らせて、ブログやTwitterの書き込みでの頻出ワードや検索エンジンのクエリーの盛り上がり状況(これが「一般意思2.0」だと私は理解しました)を、ニコニコ動画の画面上に流れる視聴者の書き込みのように、代議士にリアルタイムで見せて、国民の無意識を可視化することにより、専門家の議論(熟議)に影響を与え、衆愚政治と政治のプロによる政治の蛸壺化の間の落としどころを見つけようという趣旨だと私は理解しました。ルソー、フロイトといった有名な思想家の概念とテクノロジーを結びつけながら、丁寧に議論を進めてくれるので、論旨はわかりやすく、知的好奇心も刺激してくれます。ネットの書き込みが右傾化しやすいという昨今の状況を見ると突っ込みどころも多い考え方だと思いますが、IoT化が進みリアルとネットの垣根が低くなると(例えばデモ参加者の主張ごとの数が警察やマスコミからのバイアスがかかって報告される参加者数ではなく正確に把握できるようになるなど)、それなりの有効性を持つのではないかという期待を持ってしまいます。閉塞感漂う民主主義に一定の希望を与えるよい本です。
■CD
9 A Collection/Underworld
もうすぐ新作が発表されるUnderworldの2011年に発表されたベスト盤です。2枚組のベスト盤やライブ盤は持っているのですが、代表曲の別ヴァージョンやレアトラックも収録されていて価格も安かったので買いました。短く編集されたダンサブルな楽曲がテンポよくつながっていくので、ジョギングのBGMに最適です。コアなUnderworldファンには物足りないかもしれませんが、キャッチーなメロディラインの楽曲が満載で、Underworldのエッセンスを知る入門用として、お勧めできる作品だと思います。
■映画
13 ワールド・ウォーZ/監督 マーク・フォースター
冒頭10分くらいの迫力に満ちた怒涛の展開は素晴らしいです。一気に作品世界に引き込まれて、主人公たちと一体化したようなパニックに襲われます。ただ、ゾンビたちからいったん逃れることに成功し、ブラッド・ピット演じる主人公が家族と別れ、ゾンビウイルスの原因究明に向かい始めると、一気に緊迫感が薄まります。集団で襲ってくるゾンビの迫力は相変わらずなのですが、主人公が守るべき家族と別れたことと、しっかりとした絆で結ばれた相棒がいなかったことにより、主人公や仲間の命が相対的に軽く感じられてしまいました。また、留守を守る主人公の奥さんが、家族を思うがあまり、いかにも身勝手に感じられ(この奥さんが主人公にかけた携帯電話の着信音でゾンビが主人公の行動に気付き、それを守るために多くの軍人さんが死んでしまいます)、徐々に感情移入できなくなったのも残念でした。ブラッド・ピットも格好いいですし、映像の迫力は非の打ちどころがなく、悪くない映画だと思いますが、ストーリー展開という点では、同じハイテンションのゾンビ映画だと、ウィル・スミスの「アイ・アム・レジェンド」の方が私好みです。