本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

Ghosts I-IV

2008-04-28 06:18:57 | Weblog
■本
31 急に売れ始めるにはワケがある/マルコム・グラッドウェル
32 笑いの現場/ラサール石井

31 章によって内容に差がありますが(セサミストリートをあまり深く観たことがないので、セサミストリートに書かれた章は読んでいてつらかった)、総じて興味深い内容の本です。ニューヨークの治安対策に軽犯罪の取り締まりから始めて、絶大なる効果を収めた事例などを緻密に分析し、説得力もあります。口コミのマーケティング利用の参考書として紹介されることの多い本ですが、マーケティングだけに留まらず、社会のさまざまな事象がどのように人々に伝播し、意識を変えていくのか、について考える上でいろいろな示唆を与えてくれる本だと思います。

32 漫才ブーム以降のお笑いの流れを総括できます。30代中後半の人は懐かしく読めるのではないでしょうか? ラサール石井さん自身のエピソードと、お笑い会全体の流れについて触れられている部分のバランスもいいです。僕は個人的にはとんねるずをあまり評価していなかったのですが、石井さんのとんねるずに対する分析はすごく納得感があり、彼らに対する認識が少し変わりました。ナインティナイン以降のお笑いについてももう少し触れてもらえれば、なお興味深かったのかもしれません。


■CD
13 Ghosts I-IV/Nine Inch Nails

 最近は少しとっつきやすい感じになったNine Inch Nails(先日、長居スタジアムでセレッソ大阪の試合前にもかかっていた)ですが、本作はdeepなNine Inch Nailsが楽しめます。2枚組みでボリュームもたっぷり、しかも全編インストです。決して耳障りのよい曲ばかりではないですが、 Aphex Twinの「Selected Ambient Works, Vol. 2」(耳障りが心地よすぎる、外れ曲無しの大傑作「Selected Ambient Works 85-92」の方ではないです)のように、妙に耳にひっかかる曲が並び、その世界観にどっぷり浸れます。BGMとして聴くには、聴き手に集中力というか、覚悟を要求するような感じで、結構疲れます。聴き手の体調やバイオリズムを選ぶ作品かもしれません。
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ヘッド博士の世界塔

2008-04-19 07:41:24 | Weblog
30冊達成! 一応、年100冊ペースをキープしてます。

■本
29 ネットワーク分析―何が行為を決定するか/安田 雪
30 ボクはワインが飲めない/宮藤 官九郎

29 ネットワーク分析とはどういう学問かということを、わかりやすく、おもしろく、解説してくれます。この分野の入門書としては最適ではないでしょうか? 夫婦や企業などの研究対象について、その対象自体だけではなく、対象と周りとの関係(例えば、夫婦だと地域社会、企業だと取引企業など)も含めて理解しようというのが、ネットワーク分析のアプローチなのですが、確かに僕たちの意思決定は周りとの関係に影響されることが多いので、かなり説得力のある理論だと思いました。もう少し、深く勉強してみたいです。余談ですが、10年ほど前に通信関係の「ネットワークスペシャリスト」という資格を取ったのですが、その時上司から「普通の人が知らないような闇の人脈を持てる資格か?」と言われたのを思い出しました。

30 クドカンさんがどのような思いで映画やドラマのシナリオを書いているのかを垣間見れておもしろいです。文章もさすがに巧みで楽しめます。この人は本当に文章を書くのが速いんだな、ということもよくわかります。あと、意外と睡眠をとっていたり、視聴率を気にしていることもわかります。


■CD
11 ヘッド博士の世界塔/フリッパーズ・ギター
12 キラキラ! /曽我部恵一BAND

11 就職したときの引越しでなくしたCDを中古盤屋で見つけて衝動買いしました。日本音楽界の金字塔、その後数々のフォロワーを出した名作中の名作です。小山田さんと小沢さんという二つの巨大な才能が、ぎりぎり均衡を保った最後の作品。今聴いても色あせないどころか、まだ、聴くたびに発見があります。一生聴き続けることのできるお得な作品です。逆に再結成の可能性がほぼない現状では、戻らない学生時代の日々のようで(学生時代に本当にこの作品は聴きまくってました)少し聴いていて切なくもなる作品です。

12 11とはうって変わって、現在進行形で精力的に活動を続ける曽我部さんのBAND名義の初スタジオ盤。サニーデーの末期の作品や曽我部さんのソロ初期作品からは想像もつかないようなハイテンションでたたみかけてきます。一方、歌詞には彼独特の繊細さが残り、こちらも僕好みです。年々逞しさを増す曽我部さんの活動を見ていると、歳を取ることに対する希望と勇気がわいてきます。歴史に残る名作を残し、メインストリームから去った小沢健二さんとは対象的に、準メジャー的なポジションでコンスタントに作品を作り続ける、継続し続けるものの強さを曽我部さんからは感じます。どちらがいいかは、個人の生き方の問題ですが、尊敬できる姿勢ではあると思います。

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4-2-3-1

2008-04-13 06:43:23 | Weblog
■本
27 4-2-3-1/杉山 茂樹
28 ウェブ時代 5つの定理/梅田望夫

27 ひさびさにわくわくしながら一気に読んだ本です。サッカーの戦術、フォーメーションをすごくわかりやすく解説してくれる名著です。ジャイアントキリングという考え方も気に入りました。ウイイレ脳の僕にも役立ちそうです。逆に、岡田ジャパンでいいのかという不安がかなり増しますが。

28 梅田さんのこれまでの著書の延長線上で、あまり目新しい発見はないですが、読みやすいですし元気の出るいい本です。20世紀は交通機関の発達などによる「肉体の拡張」の世紀であったのに対して、21世紀はインターネットと情報による「頭脳の拡張」の世紀というところは、なるほどと思いました。言葉の使い方が非常に巧みでいつも感心します。梅田さんの本を読むたびに、今後ビジネスの世界で技術とアートの力が強くなっていく中、僕のような文系で技術的センスのない人間がコモディティ化せずにどのように働いていけばいいのかについて考えさせられます。


■CD
 9 アクセラレイト/R.E.M.
10 耳鳴り/チャットモンチー

9 3分前後の短めの曲を叩き込むようにつなげた、勢いが良くてすごく格好よい作品です。ここ数作は内省的な作品が続いたので、反撃開始といったところでしょうか。一方で少し一歩調子で深みがないかもしれません。聴き込めば評価が変わるかもしれませんが、現時点ではR.E.M.作の中では特に秀でた作品ではないと言わざるを得ません。それでも、当然クオリティは高いですし、変に大御所化せずに、第一線でこれだけパワーのある作品を作り続けてくれていることは、ファンとしてはうれしい限りです。聴いてパワーのもらえる作品です。

10 セカンドアルバムを今でも繰り返し聴いているので、ファーストも買いました。なぜ普通の女の子達がこんな格好いい音を出せるのか本当に不思議です。勢いと志の高さのなせるわざでしょうか? こちらも当分聴き込むことになりそうです。


■映画
10 フライトプラン/監督 ロベルト・シュヴェンケ

 脚本がリアリティに欠けていて(犯人側がここまで手間とリスクを犯す意味がわかりません)、正直イマイチな映画です。主役や犯人のあらゆる行動の必然性が腹に落ちてきません。ジョディ・フォスターはすごい俳優だとは思いますが、本作では演技が濃すぎて(ところどころに出る、演技が上手いでしょ的な「どや顔」が鼻につきます)うまく感情移入できません。素直にハイジャック犯と機内でジョディ・フォスターが戦う映画(ダイ・ハード的になりますが)の方がまだましだった気がします。
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トゥルー・ストーリーズ

2008-04-05 07:20:41 | Weblog
■本
25 ストレスフリーの仕事術/デビッド アレン
26 トゥルー・ストーリーズ/ポール・オースター


25 「ライフハックス」のテクニックを解説した本。書いてあることは素晴らしく、まだ、部分的にしか実践していませんが、効果はかなり絶大だと思います。ただ、「自分の頭の中身のやるべきことを全て書き出して、週ごとにその進捗をレビューしましょう」という要約するとこれだけのことを、手を変え品を変えくどくどと述べてくるので、途中で読んでいてしんどくなってきます。百式、田口さんのまえがき、あとがきと第5章の基礎編+他の内容の走り読みで、実践に必要な知識は得られると思いますので、まずははじめてみて、疑問が出たら他の部分も精読すると言う読み方の方がよいと思います。

26 「ほんまかいな」と思わずつっこみたくなるほどうまくできた偶然に筆者が巻き込まれるエピソードの数々と、筆者が世に出る前の20代~30代前半の貧困時代を描いた「その日暮らし」という長編エッセイで主に構成された本です。筆者が「ムーンパレス」という青春小説や「偶然の音楽」というタイトル作品を発表した背景がよくわかりますので、ポール・オースターファン必読の書といえると思います。青春時代の全てを物を書く準備に費やしたかのように意図的にさまざまな体験
を積んでいるところに筆者の凄みを感じます。ストイックな職業小説家と言う感じが良く伝わってきます。これからも彼の作品は読み続けたいと思いました。


■CD
8 J-POP/電気グルーヴ

 予想に反して非常にまじめに作っています。おふざけ要素はほぼないです。テクノの作品として聴いてもかなりクオリティが高く、歌詞は余分かもと思うほどです。彼らのおふざけが好きな人は3年前にスチャダラパーと共作した 「電気グルーヴとかスチャダラパー」を合わせて聴くといいバランスがとれるかもしれません。まだ、聴きこみ足りないので、当分通勤のお供になりそうです。
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