■本
7 サーカスの息子〈下〉/ジョン・アーヴィング
8 ノヤン先生のマーケティング学/庭山一郎
7 年末年始の休みを使って読もうと思っていましたが、やっと読み終わりました。とにかく長かったです。「長編小説を読んだ!」という達成感を感じています。上巻のパワフルさはそのままに、下巻になると内省的な表現も目立ちはじめます。とにかくたくさんの人が死に(特に最後のエピローグに入ってから、主要人物を容赦なく死なせています)、ジョン・アーヴィング作品の特徴である、理不尽さと暴力に満ちた世界が存分に描かれています。その一方で、彼のもう一つの特徴である、不条理な世界の中でのささやかな救いを求めた抵抗(本作ではサーカスの「ネット」の比喩として表現されています)についても、これまでの作品以上に意識的に描かれていて、読んでいて心が揺さぶられました。本作は「アイデンティティ」がテーマの一つですが、現在の移民問題についての予言の書としても読めて、なかなか興味深いです。インドが舞台ということもあり、彼の中ではかなり異質な作品だと思っていましたが、読み終わってみるといつものジョン・アーヴィング節が堪能できるファンとしては楽しい読書でした。
8 B to B向けのマーケティングコンサルタントとして有名な筆者によるマーケティングに関するコラム集です。筆者がマーケティングが本当に好きなことが伝わってきます。好きなことを仕事にすることの大切さを間接的に教えてくれます。4P、STP、SWOTなどマーケティングや経営戦略のフレームワークをその成り立ちと業務での応用方法について、面白く解説してくれていて、断片的には知っていた知識が統合される感覚になります。コンサルタントとしての経験からの、事例を踏まえた徹底した現場目線での知見なので、わかりやすく、行動に結びつきやすいという点でも有益です。マーケティングの初心者が読んでも、経験者が読んでも、得られるところの多い本だと思います。
■映画
7 モネ・ゲーム/監督 マイケル・ホフマン
8 トランスフォーマー/ロストエイジ/監督 マイケル・ベイ
7 「泥棒貴族」という有名な映画(この作品はまだ観たことがありません)のリメイクということですが、いかにも英国映画といったシニカルなセンスが重視されたクライムコメディです。コーエン兄弟の脚本ということですが、いつもの退廃感や暴力性は控えめで、イギリス的なベタなギャクが満載です(21世紀に日本人ビジネスマンがこんなに紋切型に描かれるとは思ってもいませんでした)。コリン・ファースはMr.ビーンを思わせるような、過剰なドジ振りを熱演していますが、オスカー受賞後にこの役を演じる意味が今ひとつよくわかりません。そんな中、キャメロン・ディアスは全盛期を思わせるような、少し野暮ったいアメリカ娘を楽しそうに演じていて、ほのぼのとした気分になりました。ラストのどんでん返しは綺麗に決まっていて、さすがはコーエン兄弟の脚本だと感心しました。
8 「トランスフォーマー」シリーズの初期3部作は、映画館で観るほど好きだったのですが、この作品以降はあまり評判がよくなかったので少し遠ざかっていました。今回ふと思い立って観てみたのですが、評判通りなかなか微妙な作品でした。何と言っても詰め込み過ぎで長すぎます。トランスフォーマーは車からロボットにトランスフォームするシーンが見どころなのに、敵のロボットは一度粒子レベルに分解されてから再構成される変身方法で、ワクワク感が格段に落ちていました。また、主人公が青年から中年男性に変わったことにより、車に対する若者特有の憧れがなく、トランスフォーマーと主人公の関係性も少し微妙なものに感じました。あと、ヒロインが魅力的でない(どこかの偉いさんのコネかと思うほどです)ところもがっかりです。中国人女性キャラが結構立っていたので、そちらをヒロインにした方がよかった気がします。ロボット化した恐竜が暴れまくる映像はなかなか迫力があったので、もう少しそちらの方向を突き詰めて欲しかったです。登場人物に魅力がないので、人間のアクションシーンは不要だと思いました。
7 サーカスの息子〈下〉/ジョン・アーヴィング
8 ノヤン先生のマーケティング学/庭山一郎
7 年末年始の休みを使って読もうと思っていましたが、やっと読み終わりました。とにかく長かったです。「長編小説を読んだ!」という達成感を感じています。上巻のパワフルさはそのままに、下巻になると内省的な表現も目立ちはじめます。とにかくたくさんの人が死に(特に最後のエピローグに入ってから、主要人物を容赦なく死なせています)、ジョン・アーヴィング作品の特徴である、理不尽さと暴力に満ちた世界が存分に描かれています。その一方で、彼のもう一つの特徴である、不条理な世界の中でのささやかな救いを求めた抵抗(本作ではサーカスの「ネット」の比喩として表現されています)についても、これまでの作品以上に意識的に描かれていて、読んでいて心が揺さぶられました。本作は「アイデンティティ」がテーマの一つですが、現在の移民問題についての予言の書としても読めて、なかなか興味深いです。インドが舞台ということもあり、彼の中ではかなり異質な作品だと思っていましたが、読み終わってみるといつものジョン・アーヴィング節が堪能できるファンとしては楽しい読書でした。
8 B to B向けのマーケティングコンサルタントとして有名な筆者によるマーケティングに関するコラム集です。筆者がマーケティングが本当に好きなことが伝わってきます。好きなことを仕事にすることの大切さを間接的に教えてくれます。4P、STP、SWOTなどマーケティングや経営戦略のフレームワークをその成り立ちと業務での応用方法について、面白く解説してくれていて、断片的には知っていた知識が統合される感覚になります。コンサルタントとしての経験からの、事例を踏まえた徹底した現場目線での知見なので、わかりやすく、行動に結びつきやすいという点でも有益です。マーケティングの初心者が読んでも、経験者が読んでも、得られるところの多い本だと思います。
■映画
7 モネ・ゲーム/監督 マイケル・ホフマン
8 トランスフォーマー/ロストエイジ/監督 マイケル・ベイ
7 「泥棒貴族」という有名な映画(この作品はまだ観たことがありません)のリメイクということですが、いかにも英国映画といったシニカルなセンスが重視されたクライムコメディです。コーエン兄弟の脚本ということですが、いつもの退廃感や暴力性は控えめで、イギリス的なベタなギャクが満載です(21世紀に日本人ビジネスマンがこんなに紋切型に描かれるとは思ってもいませんでした)。コリン・ファースはMr.ビーンを思わせるような、過剰なドジ振りを熱演していますが、オスカー受賞後にこの役を演じる意味が今ひとつよくわかりません。そんな中、キャメロン・ディアスは全盛期を思わせるような、少し野暮ったいアメリカ娘を楽しそうに演じていて、ほのぼのとした気分になりました。ラストのどんでん返しは綺麗に決まっていて、さすがはコーエン兄弟の脚本だと感心しました。
8 「トランスフォーマー」シリーズの初期3部作は、映画館で観るほど好きだったのですが、この作品以降はあまり評判がよくなかったので少し遠ざかっていました。今回ふと思い立って観てみたのですが、評判通りなかなか微妙な作品でした。何と言っても詰め込み過ぎで長すぎます。トランスフォーマーは車からロボットにトランスフォームするシーンが見どころなのに、敵のロボットは一度粒子レベルに分解されてから再構成される変身方法で、ワクワク感が格段に落ちていました。また、主人公が青年から中年男性に変わったことにより、車に対する若者特有の憧れがなく、トランスフォーマーと主人公の関係性も少し微妙なものに感じました。あと、ヒロインが魅力的でない(どこかの偉いさんのコネかと思うほどです)ところもがっかりです。中国人女性キャラが結構立っていたので、そちらをヒロインにした方がよかった気がします。ロボット化した恐竜が暴れまくる映像はなかなか迫力があったので、もう少しそちらの方向を突き詰めて欲しかったです。登場人物に魅力がないので、人間のアクションシーンは不要だと思いました。