本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

Wincing the Night Away

2012-05-27 06:53:24 | Weblog
■本
50 イノベーション5つの原則/カーティス・R・カールソン、ウィリアム・W・ウィルモット
51 いらつく二人/三谷 幸喜、 清水 ミチコ
52 蹴りたい背中/綿矢 りさ
53 アトリビューション/田中 弦、佐藤 康夫、杉原 剛、 有園 雄一

50 若干中だるみはするものの、こういう米国のメソッド解説本にありがちなクドさや能書きは少なめで、ダイレクトに具体的な実践方法や事例が書かれているので、比較的好感が持てる本です。エレベーター・ピッチ(1~2分で伝えることができる「価値提案の核心部分」)のまとめ方など、具体的な行動につながるノウハウやテクニックがわかりやすく書かれているところもよいです。でも、当然と言えば当然なのですが、イノベーションを起こすためには中心人物(この本では「チャンピオン」と表現がされています)のモチベーションの高さに依存する要素が多い、と言われると、こういう本の存在価値を自ら否定されているようで、ちょっと冷めてしまいます。

51 清水 ミチコさんと三谷 幸喜さんのラジオ番組のトーク内容書籍化第2弾です。三谷さんの独特の間や思考に対して、清水さんが遠慮なく激しく突っ込み、その突っ込みに対して、斜め上の返しをするお二人ののやり取りが面白いです。

52 最年少芥川賞受賞の美形の作家さんということだけで、あえて読もうと思っていなかったのですが、いざ手にとって読んで見ると、一筋縄ではいかない毒のある表現満載でとても楽しめました。現代社会と思春期のそれぞれの「生きにくさ」を見事に表現している作品だと思います。「恋愛感情」とか「優越感」とか「嫌悪感」といった手垢のついた感情とは別の、未分化であいまいで混沌とした感情表現も巧みで、19歳でこの表現ができるのはやはり天才だと思います。ストーリー展開もこれまでにないもので、どこで着地するのかとドキドキしました。キャラ設定も巧みで、クラスでは浮いていて学校が嫌いなのにあえてクラブ活動は熱心に取り組む主人公や、モデルにはまりまくっていてクラスにもなじめていない風変わりなオタクなのに妙に男気もある、にな川君など、徹底的に紋切り型に陥らないその企みは素敵です。

53 アトリビューション-ネット広告のクリックだけでなくて、「ビュー」(広告を見たことによる認知の効果)も含めて効果測定しましょう、と言う定義だと私は理解しました-の考え方とその有益性についてわかりやすく書かれた本です。第三者配信を許可していない媒体があるなど、まだ、どこまで実用的かは今ひとつよくわかりませんが、その評価の重み付けの考え方などを具体的にわかりやすく解説してくれるので、参考になります。こういうのは、早めにやったもん勝ちですね。


■CD
39 Wincing the Night Away/The Shins
40 Chutes Too Narrow/The Shins
41 Oh Inverted World/The Shins
 
 The Shinsの旧作3枚を大人買いしました。独特のポップセンスというか、親しみやすい一方で、深読みできる奥が深い音にはまっています。

39 The Shinsサードアルバム。以前にNapsterではまって聴いてました。これまでの4作の中で、最も派手と言うか、ハイテンションに外に向かっていく楽しい作品です。キラキラした楽しい音が詰まっています。The Shinsを聴くならまずこの作品から始めることをお勧めします。

40 The Shinsのセカンドアルバム。The Shinsの作品の中では最もシンプルで荒削りなサウンドだと思います。あえて手をかけず素材のよさを強調したかのような勢いのある作品です。

41 The Shinsのファーストアルバム。3分以内の勢いのあるポップソングと3分を超える聴かせどころを心得た楽曲のバランスが心地よいです。1作目でかなり高い完成度です。実験的な作品や内省的な作品もあり、バラエティに富んだ内容です。


■映画
35 ダーク・シャドウ/監督 ティム・バートン

 グロテスクな表現やあからさまにセクシャルな描写が多く、毒が若干効き過ぎているので、一般受けはしない印象です。逆に僕も含めて、コアなティム・バートンファンを自認している人にはとても楽しめる作品だと思います。ティム・バートン監督が、一見の観客に遠慮せず、自分のことを理解してくれるファンに向けて、やりたいように作った印象があります。70年代初期の音楽の使い方もかなりマニアックで、アリス・キーパーのライブシーンなんてやりたい放題です。それだけに、オリジナリティは抜群で、これまでに観たことのないストーリー展開と映像に釘付けです。何かを成し遂げた人にしか撮れない、とてもパーソナルな作品だと思います。それでも、そこそこヒットさせているところが凄いです。ジョニー・デップやヘレナ・ボナム=カーターといった、ティム・バートン作品の常連俳優も、期待通りの怪演で楽しませてくれます。
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Ep's 1988-1991

2012-05-20 09:59:17 | Weblog
■本
48 考えの整頓/佐藤雅彦
49 苦役列車/西村 賢太

48 「ピタゴラスイッチ」などで有名なクリエイターである佐藤雅彦さんのエッセイ集です。タイトル通り佐藤さんが日々の生活や研究の中で引っかかったものごとについて、ご自身なりに考えを整頓されています。その独特で緻密な思考に、読む側も自分の考えの癖や欠けている視点に気づかされます。知識の多さや論理的思考とは違う種類の知性(地頭のよさとでも言うのでしょうか)について実感できるよい本です。ユーモラスな語り口で単純に読み物としてもとても楽しく読めます。

49 人間の嫌な面や弱さがこれでもかと描かれているのに、どこかユーモラスで共感できる、「人間失格」にも通じるような普遍性のある作品だと言えば褒めすぎでしょうか。好き嫌いの分かれる作品だと思いますが、僕は好きです。私小説と言い切っているので、この後、この主人公が芥川賞を取るほどの成功をおさめる小説家になるということもわかっていて、一見救いのない唐突なエンディングにも、どこか救いを感じます。筆者自身の人生が一つの作品となっているので、小説単体として評価する上では若干ずるい気もしなくはないですが、それも含めてやはり筆者の能力と魅力なのだと思います。この主人公のその後が気になるので、西村さんの他の作品も読みたくなりました。


■CD
36 Ep's 1988-1991/My Bloody Valentine
37 Go/Jonsi
38 Stage Fright/The Band

36 僕の一番好きなバンド、My Bloody ValentineのEP集。しかも、フロントマンであるKevin Shieldsによるリマスター。未発表曲も収録されていて、EPをすでに全て持っているという僕のようなコアなファンでも楽しめます。こうやって、通して聴くと楽曲によるクオリティの波は激しいものの、You Made Me RealiseやSoonといったキラーチューンのクオリティはやはり卓越しています。純粋にポップソングとしても楽しめますし、深読みしようと思えばいくらでもできる、懐の深さもあります。この才能が21世紀の今にどんな作品を作るのか、是非聴いてみたいです。逆に、すごい駄作を作りそうで怖くもあるのですが。

37 Sigur Rosのヴォーカリスト、Jonsiのソロ作品。ヴォーカルがすごく立ったサウンドです。Sigur Rosの幻想的な雰囲気はそのままに、もっと力強くわかりやすい多幸感溢れるカラフルな作品となっていて、万人に愛される傑作だと思います。聴いているとテンション上がります。ジョギングの時に聴くとすごく効果がありそうです。

38 The Bandの3作目。Amazonの輸入版で500円台だったので衝動買いしました。名作と誉れの高い、1,2作目と比較すると、気合の入り方というか重量感が全然違いますが、こういった力の抜けた作品の方が、このバンドらしい、引き出しの多さやスキルがよくわかるような気がします。気楽に力を抜いて音楽を楽しめる、この作品はこの作品としてもっと評価されてもよいと思います。近所の小さなクラブハウスで、気の合ったメンバーと観客に囲まれて演奏しているような暖かな雰囲気が僕は好きです。


■映画
33 ファミリー・ツリー/監督 アレクサンダー・ペイン
34 グリーン・ゾーン/監督 ポール・グリーングラス

33 結構悲惨な境遇を描いた作品なのに、淡々と抑制の効いた演出で、アカデミー賞候補作となったのも理解できます。ジョージ・クルーニーも中年の悲哀(陳腐な表現ですが)を少しコミカルに力を適度に抜いて見事に演じきっています。誰も悪い人はいないのですが、微妙な行き違いや一時の気の迷いで、いろんな歯車が狂ってきているのですが、その狂いも妻(母)の死を伴に乗り越えていく過程で修復できるという希望の持てる内容です。残された家族がわかりあえた様子を示すエンディングも絶妙。ハワイの雄大な自然の描写も含め、素朴な人生の喜びを感じさせられる秀作だと思います。ただ、邦題の「ファミリー・ツリー」は、テーマを押し付けすぎであまり好きではないです。原題の「The Descendants」(子孫って意味のようです)、のようにもう少し婉曲なタイトルの方が抑制の効いたこの作品にふさわしい気がしました。

34 イラクの大量破壊兵器の有無をテーマにした社会派映画。アメリカが悪者になっている作品なので、全米受けはしなかったように思いますが、重いテーマにもかかわらずエンターテインメントとしても成立していて、僕は楽しめました。こういう陰謀ものは話が単純化されすぎていて、あまり好きではないのですが、この作品は政治家、軍隊、ジャーナリスト、イラク国民、それぞれの視点をできるだけニュートラルに描こうとしていて好感が持てました。『ボーン』シリーズのポール・グリーングラス監督とマット・デイモンのコンビだけあって、アクションシーンの描き方も巧みで魅せられます。
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Port of Morrow

2012-05-12 09:44:04 | Weblog
■本
44 次世代コミュニケーションプランニング/高広 伯彦
45 最後の命/中村 文則
46 世迷いごと/マツコ・デラックス
47 功利主義者の読書術/佐藤 優

44 Facebookなどで「意外とよかった」という評判が多かったので読みました。本当に想像以上に面白かったです(笑)。社会学部出身の端くれとしては、マクルーハンなどメディア論的要素から論じられているところが、まず個人的にツボでした。とはいえ、アカデミックな方向に偏っているわけでもなく、媒体社の「おしながき」にはない、コミュニケーション要素に最適なメディアを発見する視点やスキルが重要と言う話など、実用性とのバランスも絶妙です。昔、先輩から「おしながき」を作るように言われて、強烈な違和感を感じた理由もなんとなくわかった気がします。冒頭の「オーダー」(発注側の方針が明確な案件)と「オファー」(発注側の方針が決まっておらずその整理も含めての解決が必要な案件)の見極めが重要であるという話など、現場での経験に裏打ちされた内容も多く参考になります。「クチコミ」、「コンテクスト」についての話もわかりやすく、先週読んだ「リッスン・ファースト!」という本よりも遥かに行動につながる本だと思います。

45 引き続き、中村文則さんの本を読破中です。「何もかも憂鬱な夜に」や「土の中の子供」といった中村さんの他の作品と比べると若干、冗長な気がしますが、本作もトラウマを抱えた生きにくさ前回の登場人物を通じて、「命」や「倫理」、「性」といったテーマに対して真っ向から取り組まれています。ストーリーとしては、ご都合主義的な「偶然」が多すぎて、ちょっと興ざめするところもありますが(巻末の解説によるとこの「偶然」も筆者のねらいである可能性があるそうですが、私にはそこまで深読みできませんでした)、サスペンス的な要素をからめつつ読ませる力量はさすがです。

46 マツコ・デラックスさんいよる女性タレントを題材にしたエッセイ。毒舌でありながら、対象に対する愛情や敬意が透けて見えるところが巧みです。論じる視点が独特で読み物としても面白いです。自己プロデュース能力が非常に高い方だと思いました。

47 佐藤優さんによる読書ガイド。タイトル通り、読書からいかに生きる上での智恵を獲得するか、という視点で書かれています。マルクス、ハーバーマスといったいかにもなチョイスから、「うずまき」、「レッド」といった漫画や綿谷りささんの小説といったちょっと意外なものまで、独特の読み解き方を紹介してくれます。佐藤さんの本を読んでいつも思うのですが、難解で膨大な本なのに、とても読みやすいところが驚きです。教養の力を感じることのできる本です。



■CD
31 Mali Music/Damon Albarn
32 Port of Morrow/The Shins
33 星空のドライヴEP/サニーデイ・サービス
34 Little Broken Hearts/Norah Jones
35 Blunderbuss/Jack White

31 引き続き、デーモン・アルバーンによるワールド・ミュージックを素材にしたプロジェクトの作品を聴いています。本作はアフリカ西部のマリ共和国のアーチストと共演した作品です。現地のヴォーカリストをフィーチャーした曲もよいですが、やはり、デーモン・アルバーンのヴォーカル曲が魅力的です。もっと、癖があるかと思いましたが、意外とさらっと心地よく聴けるポップ・ミュージックとなっています。

32 最近聴いた中で、もっとも気に入っている作品です。派手さや奇抜さはないものの、しみじみとしたセンスの良い楽曲のよさが際立ちます。ポップなのに深みがあり、ユニークだけどとっつきやすい、不思議な感覚に囚われます。親しみ深いサウンドでありながら、これまでに聴いたことのない強い個性が溢れ出ていて、いくらでも聴いていられる安心感のある傑作です。

33 サニーデイ・サービスのメジャーデビューミニアルバム。この作品に収録されていた「アニヴァーサリー・オブ・ラヴ」という曲がラジオから流れてきて、気になったの購入しました。恥ずかしくなるほどの青さが残る、渋谷系っぽい、ポップでエレクトリカルなおしゃれな作品です。この作品の延長線上に展開していたら、おそらく、サニーデイ・サービスというバンドはあっさりと消えていたような気がしますが、ここを開始点とした後々の飛躍の凄さを確認するという意味でも、聴いてよかったです。まあ、この作品はこの作品で、楽しいよい作品だとは思いますが。

34 多用なサウンドで面白い作品だとは思うのですが、ノラ・ジョーンズが期待されている音楽か、と言うとちょっと違うような気がします。もっと、シンプルで声を聴かせる構成の方がよかったような。デンジャー・マウスらによるアイデア満載のプロデュースもちょっとごちゃっとした印象が残ります。ただ、5作目ともなると同じことばかりやっていても仕方がないので、こういったチャレンジは必然だとも思います。

35 シンプルで短い楽曲が、たたみかける様に続く構成で、聴いていて心地よいです。ジャック・ホワイトのやりたいことをやりたいように作った印象で、極めてソロっぽい作品です。ホワイト・ストライプスの「エレファント」を聴いたときほどの衝撃はないですが、逆に言えば、ジャック・ホワイトというブランドがしっかり確立している証拠だと思います。


■映画
31 ノウイング/監督 アレックス・プロヤス
32 毎日かあさん/監督/小林聖太郎

31 正直残念な作品だと思います。少女が書いた大規模災害を予言した数値の羅列を解き明かしていく前半はそれなりに面白かったのですが、その予言が当たってパニックとなっていく後半はストーリーとして無茶苦茶です。地球規模の災害がテーマなのに、北米大陸の災害に偏っている気がしますし。何より、滅亡するなら予言の意味もないと思うのですが。M・ナイト・シャマラン監督的なスケールの大きな謎解きを目指したんだと思うのですが、シャマラン監督の失敗作以上に話として破綻していて、滑っています。宇宙人もあれだけ力があるなら地球人を救えよ、と思いました。ラース・フォン・トリアー監督の「メランコリア」ともよく似たテーマの作品ではありますが、この映画を観て、「メランコリア」の完成度の高さがよくわかりました。あと、やっぱりニコラス・ケイジに知的な役は似合いません。

32 原作が素晴らしいので、どう撮っても悪くなりようがないですし、子役も含めた俳優陣も手堅い演技で安心感のある作品です。ただ、ちょっとエピソードを詰め込みすぎで、また、泣かせようとしすぎかな、と思いました。西原理恵子さんの原作にある叙情と毒の絶妙なバランスが少し崩れて、叙情の方に寄りすぎているとも思いました。もっとも、映画として万人に受け容れられるには、このバランスでよいのかもしれませんが。


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ヒックとドラゴン

2012-05-05 09:01:37 | Weblog
■本
42 リッスン・ファースト!/スティーブン・D・ラパポート、 電通ソーシャルメディアラボ
43 厄年の街 寝言サイズの断末魔Ⅲ/松尾 スズキ

42 副題に「ソーシャルリスニングの教科書」とありますが、その通りの内容で、ソーシャルメディア上の書き込みやリアルでの生活者の口コミを丁寧に傾聴して、そこからどのようにビジネス上のアクションにつなげていくか、また、そのようなリスニングからアクションにつなげる仕組みを企業内にどのように作っていくか、ということについて書かれた本です。教科書だけあって、この分野を学ぶにあたって現時点で必要なことが網羅されているような気がしますが、その分各トピックスの掘り下げが浅い気がして、読みにくくかつあまり読んでいて面白くはないです。国外の事例ばかりということや、最初にエッセンスだけ触れて、その後各事例を掘り下げる構成にもかかわらず、各事例も結局はエッセンスのチラ見せに留まっていて具体的なイメージを持つに至らない点が、物足りなさの原因だと思います。終盤の「リスニングの新境地」という章は、妄想のレベルの議論もあるものの、今後の展開が垣間見れて面白かったです。

43 松尾スズキさんの日記的エッセイ。今から6、7年前の松尾さんが後厄の時期の出来事が書かれています。映画監督、二人芝居、テレビの企画や主催する劇団の定期公演など、仕事面の怒涛の忙しさだけでなく、プライベート面でもおかあさんが詐欺にあって高い布団を3組も買わされたり、奥さまが入院されたりとか、ハプニング満載の生活です。あまりにハードな内容なので面白い語り口にもかかわらず、生きていくってやっぱり大変だなあ、と読んでいて少しつらくなってきました。これらの難関に愚痴をこぼしつつ、なんとかやりくりされている松尾さんのバイタリティに感心するばかりです。


■CD
28 Good the Bad & The Queen/the Bad & the Queen The Good
29 Forever in Love: the Best of Kenny G/Kenny G
30 Everything Must Go/Manic Street Preachers

28 先週買った「Rocket Juice & the Moon」より前に、デーモン・アルバーンが組んでいたユニット。「Rocket Juice & the Moon」でも組んでいるトニー・アレンというアフロ・ビート系のドラマーに加え元クラッシュや元ヴァーヴのメンバーも参加しているとのことです。「Rocket Juice & the Moon」よりも、デーモン・アルバーンの色が強く出ていて、個人的にはこちらの方が好きです。ブラーの最新作やゴリラズの作品とテイスト的には近く、そこにエスニックな要素がアクセントとしてさりげなく入っていると言う感じです。しっとりとした感じの曲が多く、地味な印象ですが、よい作品です。

29 Amazonのバーゲンで安くなっていたので懐かしくて買いました。食事のBGMなんかにいい感じです。ベスト盤なので当たり前ですが、Kenny Gの主だった代表曲が入っています。やはり、「songbird」は名曲だと思います。

30 同じくAmazonのバーゲンで以上に安く(500円以下)で売られていたので買いました。Manic Street Preachersの最高傑作として挙げる人が多い作品だけあって、単なるポップさ以上のスケール感を持った、かなりの気合が入った作品です。突き抜けた感じと成熟のバランスがよく聴いていて気持ちよいです。


■映画
25 ヒックとドラゴン/監督 ディーン・デュボア、クリス・サンダース
26 ザ・タウン/監督 ベン・アフレック
27 サブウェイ123 激突/監督 トニー・スコット
28 しあわせの隠れ場所/監督 ジョン・リー・ハンコック
29 GANTZ PERFECT ANSWER/監督 佐藤信介
30 ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記/監督 ジョン・タートルトーブ
 

25 原作がベストセラーの児童文学だけあって、世界観がしっかりしていて、教訓めいているけど説教臭くなく、わかりやすくワクワクするような内容にもかかわらず、平板すぎず甘すぎず、ユーモアと残酷さのバランスもとれた、とてもよい作品だと思います。この原作の持つ良さ損なうことなく見事にCGで再現した監督以下、スタッフの力量も素晴らしい。ドラゴンに乗って空を飛ぶシーンの爽快さはCG映画ならではです。うちの子供も大喜びして観ていましたが、大人から子どもまでみんなで楽しめる作品だと思います。ハリウッドの底力を感じます。

26 結構評判がよかった記憶があり、また、「グッド・ウィル・ハンティング」の脚本がよかったベン・アフレックの脚本、監督作品なので観ました。世襲的に強盗が行われるボストンのダウンタウンをテーマにした、結構悲惨な内容にもかかわらず、絶妙のバランスでエンターテインメントとして成立している力量は素晴らしいと思いますが、逆に社会派映画として観る人とっては、軽く感じられるかも知れません。個人的には、サスペンス的要素が入った強盗シーンや主人公が簡単に死なず、再生の希望を残して終わるエンディングは好きです。

27 監督、脚本、俳優とも手堅く観て損はない映画です。ジョン・トラボルタは悪役がすっかり板についてきました。デンゼル・ワシントンもモーガン・フリーマンが演じそうな少し影のある知的でユーモラスな初老の役を見事に演じています。終盤に名優二人の対決がもっとあると期待していたので、結末があっけなく若干拍子抜けしましたが、そこに至る過程は見ごたえ十分です。予断ですが、この映画をきっかけに、監督のトニー・スコットがリドリー・スコット監督の弟だということを始めて知りました。

28 こちらも手堅い映画です。実在するアメフト選手の話が元になっているということですが、びっくりするくらいの美談です。アメリカって国はろくでもない点が多いですが、たまに凄まじいまでの善意が溢れ出すところが凄いです。サンドラ・ブロックは、主人公を献身的にサポートする勝気な女性を多少過剰にかつ魅力的に演じていますが(それでもオスカー主演女優賞に値するとは思いませんが)、彼女を支える夫や子どもたちもいい味を出しています。出番は少ないですが、家庭教師役のキャシー・ベイツの存在感も抜群。素晴らしい実話を加工しすぎることなく、わかりやすく映画化した点が勝因だと思います。観て元気が出る作品です。

29 まず、結末の後味がよくないです。これが、「PERFECT ANSWER」とはちょっと思えません。映画版「デスノート」の結末とちょっとかぶりますが、あちらほど、プロットの切れ味がよくないですし。GANTZが主人公の恋人をターゲットにした必然性も(説明があったのでしょうが)説得力がありません。前作でも感じましたが、松山ケンイチさんが脇に回ろうとしているのか、演技に精彩を欠いている感じがするのも残念です。ストーリー自体は面白いので、ちょっと詰め込みすぎた感じがもったいないです。もっといろんな要素を削ぎ落として、シンプルにしていたらよかった気がします。

30 火、水、岩石、隠し扉などテーマパークのアトラクションになりそうなお約束満載のアクション・ムービーです。世界を股にかけて、少しずつヒントを見つけながら謎を解明していく過程がスケール感があって楽しく、かけられた制作費に見合った満足感が得られます。大統領を誘拐するくだりは若干出来すぎな気がしますが。後半にかけて、お約束の火、水、岩石、隠し扉などの危機に見舞われながら、謎が明らかにされる過程は圧巻です。ニコラス・ケイジは全然知的に見えないのはご愛嬌でしょうが、悪役のエド・ハリスの巧みな演技で映画としては引き締まっています。ダイアン・クルーガーのコミカルな演技もチャーミングですし。いい意味でも悪い意味でも期待を裏切らない無難なハリウッド大作です。
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