本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

第9地区

2012-03-31 09:51:30 | Weblog
■本
25 社会起業家/町田 洋次
26 企画に年功序列は存在しない/内田 伸哉
27 年収があがるしゃべり方。/内田 伸哉

25 各章がそれぞれ独立した話題で、若干散漫な印象がありますが、イギリスやアメリカの事例も豊富で、「社会起業家」という人々が出現してきた背景を理解するにはよい本だと思います。欲を言えば、もう少し日本の事例が知りたかったですが、この本が2000年に書かれたということを考えると、国内にあまり事例がなかったでしょうから、仕方がないのかもしれません。筆者の熱い思いも伝わってきます。

26 27 ipadマジシャンでありサラリーマンでもある内田伸哉さんの本。古本で安く売られていたのでまとめて読みました。極めて平易な言葉で、仕事に取り組む上で大切な考え方を教えてくれます。本人もおっしゃるとおり、知識を得るというよりも、行動につなげるタイプの本だと思います。僕も世界相手に勝負できるような企画をささやかなものでもよいから企てたいと思いました。とりあえず、ブログやTwitterのアクセス数を増やしていけるようにしたいです。



■CD
14 Crosby Stills & Nash/Crosby Stills & Nash
15 Court & Spark/Joni Mitchell
16 Are You Experienced/Jimi Hendrix
17 Rings Around the World/Super Furry Animals
18 Greatest Hits Vol. 2/Electric Light Orchestra
19 Holes in the Wall/Electric Soft Parade
20 Rhythm of the Saints/Paul Simon
21 Promise/Sade
22 Confessions/Usher
23 Wrecking Ball/Bruce Springsteen
24 Spitting Feathers/Thom Yorke


Amazonの輸入版2枚購入キャンペーンが終わる前に、駆け込みで欲しかったものをまとめ買いしました。

14 穏やかでイノセントな楽曲満載のアルバム。ハーモニーが美しいです。ニール・ヤングが加わった、SNC&Yの方が毒気というか陰影があって深みがあるとは思いますが、こちらはこちらでリラックスできて優しい気持ちになるよい作品です。

15 Joni Mitchellの作品の中で、最も評価が高いものの一つということで聴きました。これまで聴いたことのある「Ladies of the Canyon」や「Blue」といった作品がモノクロっぽいイメージなのに対し、本作はずいぶん音がカラフルな印象で、聴きやすさと深みが見事に両立されています。

16 Jimi Hendrixの作品をアルバム通して聴いたことがないので、評価の高い本作を聴きました。これまでに聴いたことのないような分厚いギターの音に圧倒され、鬼気迫るような迫力を感じます。聴く側も思わず背筋が伸びるような作品です。

17 実験的なサウンドとPOPさのバランスが絶妙で、いろんなタイプの曲が収録されていて、何度聴いても飽きない作品です。XTCの中期の作品に少し似ていると思いました。きらびやかでひねりの効いた楽曲が満載で楽しいです。

18 「Twilight」が昨年の息子達の運動会で、体操の音楽として使われていたので懐かしく思い購入しました。こっちもきらびやかなPOPソング満載ですが、全盛期が過ぎてからのベスト盤のためか、若干似たような曲が多く、アイデア不足な気がしました。一曲一曲のクオリティは高いのですが、通して聴くと少し飽きてきます。

19 90年代のUK音楽の忠実な後継者といったイメージです。The La's やRideといったギターポップが好きな方は気に入るのではないでしょうか?21世紀の音楽かと言われると少し微妙かもしれませんが、親しみやすい曲ばかりで僕は好きです。3分前後の短い曲の中に9分を超える曲も混ざっていて、実は野心的な作品でもあります。

20 名盤「Graceland」の二番煎じということで、あまり評価は高くない(中古盤屋さんで叩き売りされているのをよく見かけました)のかもしれませんが、僕は結構好きですし、南米のリズムとPOPを融合させた画期的な作品だと思います。ただ、若干似たような曲が続くので、曲の多用さやエッジが立っているという点では「Graceland」の方が上かもしれません。

21 定番作品。今聴いても色あせません。夜に聴くといい感じにリラックスできます。似たような感じの曲が多かった当時のヒットチャートで、Sadeの曲は特別な個性を示していたと思います。ただの玄人受けするアーチストで終わっていないところが凄いです。誰が聴いても満足できる、聴き手を選ばない作品だと思います。

22 正直、アリシア・キーズとコラボした「My Boo」狙いで買いました。とにかく、キャッチー。キャッチー過ぎて、ボリュームも多いので、若干胸焼けしますが、よい作品だと思います。あまり頻繁には聴かないと思いますが、たまに聴いて、当時(2004年)の空気感を思い出すような聴き方をすると思います。

23 時代の閉塞感を打ち破るような、凄く力の入った作品です。ルーツであるアイリッシュな音楽からヒップホップテイストなものまで、バラエティに富んだ楽曲ですが、全て独自の色に染めている力技が凄いです。ベテランらしい余裕と、力の入り加減のバランスが絶妙で、圧倒されつつも、意外と何度も続けて聴けます。変化していないようで、妙に同時代的な不思議な印象の傑作です。

24 トム・ヨークの企画盤。持っていなかったので購入しました。実験的な作品が多いですが、妙に癖になります。Radioheadやトム・ヨークの作品は以前ほど集中して聴くことは減りましたが、半年に一度周期くらいで、はまる時期が来ていて、今がまさにその時期だったりします。浸って聴けるところがよいです。


■映画
20 28日後../監督 ダニー・ボイル
21 第9地区/監督 ニール・ブロンカンプ

20 ダニー・ボイル監督作品の中では特に優れているというわけではないですが、ゾンビものとしてはそれなりに新鮮で楽しめました。ゾンビの動きも感染速度も映像も展開も、どれもとにかくスピーディーで心地よいです。ダニー・ボイル監督らしい、スタイリッシュで切れのある映像も魅力的です。ゾンビより人間の方が実は怖いという展開は若干平板ですが、主人公が急にゾンビ的なスーパーマンになるところは面白いです。怖がりの僕にとってはハッピー・エンドはうれしかったですが、ホラー好きの方の評価は分かれるかもしれません。

21 面白かった。好みが分かれると思いますが、いろんな点で従来の映画の枠組みを壊していて僕は大好きです。エイリアンが侵略者ではなく、厄介な難民になっている視点が斬新です。南アフリカを舞台にして、テレなく、ど直球でアパルトヘイト政策の風刺をしているところも、なんか凄いです。主人公の境遇を考えると悲惨なのですが、シリアス過ぎず、コミカルに描いているところも(本当の悲劇は結構コミカルだったりしますし)成功していると思います。追い込まれた身勝手なダメ男が、徐々にエイリアンに友情を感じ、男気を出していく展開もよいです。できればハッピーエンドにして欲しかったですが、物悲しくも希望が持てるエンディングも好きです。
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生きるコント 2

2012-03-26 05:57:20 | Weblog
■本
23 生きるコント 2/大宮 エリー
24 ソーシャルメディアマーケター美咲 2年目/池田 紀行

23 東大薬学部から電通に入り、フリーのクリエイターとなったユニークな経歴を持つ大宮エリーさんのエッセイ集の2作目。とにかく笑えます。大宮さんが天才であることは間違いないのですが、このオープンさが人を惹きつけるんでしょうね。次々と魅力的な人を惹きつける大宮さんをうらやましく思いますが、ここまで自分をさらけ出すことは僕にはできないです。ただ、常に外に自分を開いておくようにする努力は必要だとも思いました。仕事に取り組む上での悩みなんかもサラっと描かれていて、会社で働く人が落ち込んだときに読むと元気が出てくると思います。

24 先週読んだ「ソーシャルメディアマーケター美咲」の出たばかりの2作目を続けて読みました。今回はネット上の炎上を含むソーシャルメディアと付き合う上でのリスク対策、単なるマーケティング施策を超えて企業がソーシャルメディア時代に対応するための専門部署の開設、ソーシャルメディアマーケティングの効果測定、がテーマとなっています。かなり本質的な議論がなされていて読み応えがあります。それだけに、お茶らけたパートのある小説形式ではなく、講義形式の方がよかったのでは、という気もしました。ソーシャルメディアを一過性のブームにしないために、マーケッターからクライアントに対する啓蒙的な意味合いが強い気もしますが、書かれている内容はリーズナブルなので参考になります。特に効果測定の部分は極めて具体的に書かれているので、漠然と認識していた「何ができて、何ができないか」の頭の整理に役立ちます。


■映画
18 映画ドラえもん のび太と奇跡の島/監督 楠葉宏三
19 DENGEKI<電撃>/監督 アンジェイ・バートコウィアク

18 最近、子ども達がドラえもんにはまっているので、家族で観に行ってきました。平成版ドラえもんの映画を観るのは初めてなのですが、若干テーマの提示が直球過ぎるのと(今回は親子の絆)、ドラえもんがコミカル過ぎて、シズカちゃんが小悪魔的なのに違和感を感じましたが、ストーリー的にはそれなりに楽しめました。映画版のジャイアンはやはり少しいい奴ですし、のび太も少し勇敢です。今回はのび太のお父さんが活躍するのですが、こちらもちょっと格好よすぎますね。ポケモン映画などと比べると遥かにクオリティが高く、大人でも楽しめる内容だと思います。

19 久しぶりにシンプルなアクション映画を観たくなったので、スティーヴン・セガール主演作を観ました。ご都合主義なところは否めないですし、主人公の掘り下げも甘いですが、味方と思っていたキャラが敵になったり、悪人と思っていたキャラが実は善人だったり、一筋縄でいかないストーリーがそれなりに楽しめました。スティーヴン・セガールの演技はいい意味でも悪い意味でもいつも通りで安心して(けなしながら)観ることができます。他に観るべき映画はたくさんあると思いますが、疲れたときに気楽に観るにはよい映画です。

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ソーシャルメディアマーケター美咲

2012-03-17 10:34:21 | Weblog
■本
21 パブリック/ジェフ・ジャービス
22 ソーシャルメディアマーケター美咲/池田 紀行

21 情報を隠すのではなく、できるだけオープンにシェアする(パブリックにする)方が、個人に取っても社会にとっても有益だという趣旨の本です。この主張の背景には当然、情報のシェアが容易に行えるようになったインターネットの普及があります。個人的にはこういうパブリックとプライバシーをどちらかを尊重すべきかという問題は、市場と規制の関係と同じで、無条件にどちらかを推奨するわけではなく、バランスの問題だと考えています。そういう意味では日本社会は、個人情報保護法などにより地域コミュニティの交流すらスムーズにいかなくなっている状況を見ると、もう少しパブリックの方向に振れてもいいのではという気がしています。「パブリック万歳!」と思考停止に陥ることなく、そのバランスを考えるきっかけとして読むべき本だと思います。内容は若干話が脱線しすぎて読みにくいですが、ユーモラスな語り口で個人の体験をベースに示唆に富む見解を提示してくれているので、参考になります。

22 ソーシャルメディアマーケティングの第一人者トライバルメディアハウス社池田さんの本。これまでのノウハウ本ではなく、ライトノベル風の小説をベースにこの業界の考え方の基本を教えてくれます。これまで読むのになんか抵抗があったのですが、読んでみると意外とおもしろく、参考になりました。ソーシャルメディアが万能ではなく「できること」と「できないこと」があること、マーケティング上の目的を達成するための「手段」であって「目的」ではないこと、その「目的」を初めてに設定しその効果測定の仕組みを整えること、など、この世界の基本をわかりやすく教えてくれます。話がうまく進みすぎるところはご愛嬌。ただ、プランニング段階で終わっていて、実際の実施結果まで描かれていないところは若干物足りませんでした。そのあたりは続編の「2年目」で描かれるのでしょうか?


■映画
15 カサノバ/監督 ラッセ・ハルストレム
16 ヒューゴの不思議な発明/監督 マーティン・スコセッシ
17 新・のび太と鉄人兵団/監督 寺本幸代

15 「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」以来のラッセ・ハルストレム監督のファンですし、ヒース・レジャーも大好きな俳優なので観ました。可もなく不可もなくといった印象です。ラッセ・ハルストレム監督らしく、人間愛に満ちたポジティブな映画で観ていて楽しい反面、引っかかりがなく、心にはあまり残るものはありません。ヒース・レジャーも無難に楽しく演じている、と言う感じですし。

16 映画愛に溢れたマーティン・スコセッシ監督のファンタジー。世界観が練りこまれた映像美に圧倒されます。2Dで観たのですが、3Dを意識をした仕掛けも満載で3Dで観ても楽しめると思います。主演二人の少年少女も魅力的で(二人とも眼力がすごいです)、その他の俳優も意図的に紋切り型な性格の役を巧みに演じています。ただ、映像に力を入れすぎた反面、ストーリーは若干平板でありきたりな印象があります。子供にもわかるように、あえて単純化したのだと思いますが、その配慮は不用だったと思います。もっと、主演二人の葛藤や心理描写があってもよかったかも。あと、ヒューゴは修理をしただけで「発明」はしてません。

17 中学生3年生のときに弟を連れて行って観た「のびたと鉄人兵団」の平成版リメイク。久しぶりにドラえもんの映画版を真剣に観ましたが、よくできていました。旧作より「友情」を全面に出していて、感動します。若干泣かせようという意図が透けて見えますが、「競争心」の功罪を説くなど、今の時代だからこそ、大人が観ても考えさせられる内容です。
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第2図書係補佐

2012-03-10 16:41:20 | Weblog
■本
16 地域再生と町内会・自治会/中田 実、小木曽 洋司、 山崎 丈夫
17 PTA再活用論/川端 裕人
18 乳と卵/川上 未映子
19 第2図書係補佐/又吉 直樹
20 月の砂漠をさばさばと/北村 薫、 おーなり 由子

16 仕事で町内会のことを知りたかったので読みました。町内会の歴史や仕組みをコンパクトに学ぶのにはよい本だと思います。ただ、地域再生についての提言はありきたりなものばかりで、その点については物足りなさが残ります。知識を得るには役立ちますが、行動や変革にはあまり役に立たないタイプの本だと思います。

17 同じく仕事上、PTAについて知りたかったので読みました。こちらは当事者意識タップリで、PTAに巻き込まれた人ならではの、具体的な提言がとても参考になります。思い入れが強いあまり、視点が偏りすぎている傾向にあるので、その点は割り引く必要があると思いますが、自分がもしPTAの役員になった場合、「子どもにとって何が役にたつかを中心に考えよう」、「惰性の施策で負担になっているものは廃止も含めて検討しよう」、などを重視して行動したいと思いました。16の本とは逆に
一般的な知識を得るというよりも行動や変革の役に立つ本だと思います。しかし、PTA役員を自分の部下のように扱う校長先生って存在するんですね。これも特殊な事例だとは思いますが。

18 改行の少ない文章が取っ付きにくく購入後ずっと放置していましたが、意を決して読みました。読んでみると、これまでの作品と比べて意外と読みやすく、生々しく滑稽な感情描写も刺激的で芥川賞も納得の秀作だと思います。生卵を割りながら心情を吐露しあう親子の描写が凄まじいです。おそらくものごとは何も解決していないのですが、一瞬の心の激しい交流が清清しさすら感じさせるところに筆者の力量を感じます。

19 ピース又吉さんのエッセイ集。書評というよりも、本をきっかけに想起される又吉さん自身のさまざまなエピソードに書かれた本です。にもかかわらず、紹介されている本を読みたくなり、次の「月の砂漠をさばさばと」などいくつか購入してしまいました。この影響力が又吉さんが本を読むことにより培われた力なのかもしれません。お笑いにしても学生時代没頭されていたサッカーにしても読書にしても、又吉さんの集中する力には敬服しました。又吉さんが、中学生時代にサッカーボールを常に触って練習していたエピソードを、長男に話してあげると、一瞬だけですが自主練するようになりました。最後の中村文則さんとの対談で中村さんがおっしゃっていた「大量に本を読むと人の中に変な海みたいなものができあがる」という言葉にとても共感しました。もっと読書を続けたいと思います。

20 19の又吉さんの本で紹介されていたので読みました。母親と女の子のささやかなエピソードを綴った短編集です。僕にとってはちょっとウエルメイドすぎる気がしますが、おーなり由子さんのやさしい挿絵もあるので、子どもたちと一緒に読むのに適した本だと思います。おかあさんが女の子の奇妙な行動の意味を知ったときに心の中でつぶやいた「子供のやることにも、理屈があるのね。あなたのことはとっても可愛い。-でも、あなたの理屈が見えないことは、これからだって、きっとある。そちらから、こちらが見えないことも。-いい悪いではなくて、そういうものよね」という言葉は心にしみました。


■CD
13 Greatest Hits/Foo Fighters

 「Echoes Silence Patience & Grace」までのヒット曲を集めたベスト盤。最新作の「Wasting Light」に至るまでの成長の軌跡が伺えます。激しくもキャッチーな曲が多く、このバンドのポテンシャルの高さを感じさせます。でも個人的には「Wasting Light」の曲が一番好きです。これからの成熟が楽しみなバンドです。


■映画
10 ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ/監督 松山博昭
11 L change the WorLd/監督 中田秀夫
12 秘密結社鷹の爪 THE MOVIE 総統は二度死ぬ/監督 FROGMAN
13 秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE 3 http://鷹の爪.jpは永遠に/監督 FROGMAN
14 フォロウィング/監督 クリストファー・ノーラン

10 つまらなくはないのですが、基本的に密室劇なので映画にする意味はない気がします。制作費は安そうなので、ヒットしたときの利益率は高そうですが。

11 「デス・ノート」のスピンオフムービー。世界規模のパンデミックを引き起こし得るウイルス兵器、というスケールのでかそうな題材を扱っているにもかかわらず、内容は器の小さい人間の野心とそれを防ごうとするLの行動を描いただけで、「デス・ノート」との関連性はほとんどありません。「デス・ノート」に特徴的な心理戦もほとんどないですし、映画にする意味はあまりない気がします。こちらも制作側のコストパフォーマンスは高そうですが。

12、13 今テレビで放映されている「むかしの吉田君」に、親子共々はまっているので、観たことのない映画版の1作目と3作目を観ました。こちらも映画館に観にいく必要性はあまり感じませんが、毒が効きつつも適度に現代社会を風刺していて、大人にも楽しめる内容になっています。もちろんベタなギャグも満載なので、子供も大喜びです。ところどころ露骨な性描写があるので、その点はちょっと子供と一緒に観ていて困りますが。

14 天才、クリストファー・ノーランのデビュー作。デビュー作にしてすでに完成度の高い傑作です。白黒のスタイリッシュな映像で、コンパクトにテンポよく展開されるストーリーが心地よいです。出世作、「メメント」で使った、時間軸の異なるエピソードを挟みつつ、観客と一緒に謎解きを進めて行く手法が取られていて、引き込まれます。凝ったストーリーなのに、難解になりすぎず、このあたりの手腕はさすがです。お勧めの作品です。
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メランコリア

2012-03-03 10:55:08 | Weblog
■本
14 長い終わりが始まる/山崎 ナオコーラ
15 マンションの理事になったらこの1冊/マンションの管理と自治を研究する会

14 短めの小説が読みたくなったので本作を手に取りました。筆者が「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」とおっしゃっている通り、とても読みやすいのですが、「可愛くて社会性がある人だけが生き残れるのだ」とか「純粋に高みを目指しながら人と関わるなんてできない」など、ドキッとして引っかかりのある表現が随所にあります。大学のマンドリンサークルという狭い世界の中の話で、事件らしい事件は起こりませんが、ついつい読み進めてしまいます。実際に身近にいたら多分かなりウザイであろう主人公ですが、ギリギリのところで共感できるキャラクター設定になっているところもうまいです。エンディングだけは唐突で、かつ余韻が残るものでもなく、今ひとつ納得がいかないのですが、小説の中で語られる「小説や音楽のような、時間性のある芸術は、必ず終わりの予感があるものである」という見解に対する抵抗として、あえて「終わりの予感」を感じさせないようにしたためでしょうか。

15 マンションの理事になったわけではないのですが、仕事でマンション管理組合について知る必要があったので読みました。いずれは今住んでいるマンションの理事の順番が回ってきますし。要点がまとめられていて、具体例や図解も多く、わかりやすいと思います。類書と比べて情報が新しいところもよいです。


■CD
12 The Ultimate Collection/Whitney Houston

 突然の訃報に驚きました。追悼の思いも込めて購入しました。出世作「You Give Good Love」が収録されていないのが少し惜しいですが、その他の代表曲はほぼ網羅されていて、Whitney Houstonの魅力を十分に楽しめます。やはり才能がありますね。「成功の罠」ってやつに陥ったのかもしれませんが、本当に残念です。


■映画
9 メランコリア/監督 ラース・フォン・トリアー
 
 ラース・フォン・トリアー監督のの最近の作品は無駄に長くて難解そうで、少し敬遠していたのですが、本作のSFチックな設定に妙に惹かれて観に行きました。大当たりか大外れかのどちらか、と思っていたのですが、常人では思いつけない映像やストーリー的な要素はあるものの、意外と無難に面白い作品でした。特に身も蓋も無いエンディングに向かって、サスペンス的な要素を盛り上げていくところは見事で、ドキドキしながら観ました。前半のキルスティン・ダンスト演じる主人公の奇行は、かなり鬱陶しいですが、身体を張った演技であることは認めます。「躁鬱の人は平常時は人に迷惑をかけるが、修羅場になると意外と落ち着いている」というのが、この作品のテーマだと僕は理解しました。しかし、身も蓋も無いエンディングの破壊力は抜群で、今でもその余韻が身体の中に残っている気がします。ただ、鬼才という肩書きに溺れていなかった頃の、「奇跡の海」のようなオーソドックスな作品もまた観てみたいです。
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