■本
34 リスクを生きる/内田 樹、 岩田 健太郎
35 だから僕たちは、組織を変えていける/斎藤 徹
34 「コロナと生きる」に続く、内田樹さんと感染症専門医の岩田先生との対談本の第2弾です。新型コロナウイルス発生直後だった前作と比べると、ある程度明らかになった医学的、社会的影響の知見をベースに議論が展開されます。岩田先生ほどの専門家が、新型コロナについてはわからないことがまだまだ多いとおっしゃっていることが印象的で、安易に白黒をはっきりつける言論が危険であることがよくわかります。まともな部下だと異を唱える無意味なタスク(ブルシット・ジョブ)を課すことにより、イエスマン以外の人間を無意識にあぶり出そうとする、トップダウン型組織の弊害について語られている点が興味深かったです。世の中が不条理なものであると理解し、それでも粘り強く、サバイブするための確率を上げていく努力を続けることが大切であると気づかせてくれます。
25 ラノベのようなタイトルですが、さまざまな心理学や組織論の研究成果を踏まえつつ、ベンチャー経営者だった斎藤さんご自身の経験も交えて、わかりやく日本の会社組織の問題点やその解決の処方箋について解説してる良い本です。基本的には管理・指導よりも、組織が目指すべき目標・理念(この本では「パーパス」という言葉が用いられています)に対する個々人の共感をベースに行動を促す組織を理想とし、そのための考え方について解説されています。「リーダーとは情報と仕事を配る人ではなく、意味と希望を伝える人である」と『「褒める」より「感謝する」「勇気づける」ことが大切』という言葉が特に印象に残りました。「傾聴」に対して重きを置いている点にも共感しました。リーダーが気配りし過ぎることや、責任感が強すぎることによる弊害も指摘されている点はいろいろな気づきがありました。個人的には、最近漫才コンテストなどで審査員がよくコメントする「人間味」を率直に表現すること、そして、それを表現できるだけの「心理的安全性」が組織に備わっていることが重要なのだと思いました。
■映画
24 名探偵コナン 緋色の弾丸/監督 永岡 智佳
「名探偵コナン」シリーズは映画版しか観ないので、よく知らないキャラクターが多数登場し最初は少し戸惑いましたが、コナンや灰原といった主要キャラクターが要所で存在感を発揮し抜群の安定感でした。大人、女性、子ども、それぞれに人気がありそうなキャラクターがバランスよく配置され、また、長年のファンと私のような一見さんに近い人の双方が楽しめる配慮もされていて、マーケティングがとても行き届いていることが感じられます。謎解き要素はさほどなかったですが、パニックアクションものとしてよくできた作品です。FBIがここまで日本で幅を利かせていると、日本の警察が少し心配になります。あと、東京オリンピックに批判的な匂いを感じたのは私だけでしょうか?大人から子どもまで楽しめる、一級のエンターテイメント作品です。
34 リスクを生きる/内田 樹、 岩田 健太郎
35 だから僕たちは、組織を変えていける/斎藤 徹
34 「コロナと生きる」に続く、内田樹さんと感染症専門医の岩田先生との対談本の第2弾です。新型コロナウイルス発生直後だった前作と比べると、ある程度明らかになった医学的、社会的影響の知見をベースに議論が展開されます。岩田先生ほどの専門家が、新型コロナについてはわからないことがまだまだ多いとおっしゃっていることが印象的で、安易に白黒をはっきりつける言論が危険であることがよくわかります。まともな部下だと異を唱える無意味なタスク(ブルシット・ジョブ)を課すことにより、イエスマン以外の人間を無意識にあぶり出そうとする、トップダウン型組織の弊害について語られている点が興味深かったです。世の中が不条理なものであると理解し、それでも粘り強く、サバイブするための確率を上げていく努力を続けることが大切であると気づかせてくれます。
25 ラノベのようなタイトルですが、さまざまな心理学や組織論の研究成果を踏まえつつ、ベンチャー経営者だった斎藤さんご自身の経験も交えて、わかりやく日本の会社組織の問題点やその解決の処方箋について解説してる良い本です。基本的には管理・指導よりも、組織が目指すべき目標・理念(この本では「パーパス」という言葉が用いられています)に対する個々人の共感をベースに行動を促す組織を理想とし、そのための考え方について解説されています。「リーダーとは情報と仕事を配る人ではなく、意味と希望を伝える人である」と『「褒める」より「感謝する」「勇気づける」ことが大切』という言葉が特に印象に残りました。「傾聴」に対して重きを置いている点にも共感しました。リーダーが気配りし過ぎることや、責任感が強すぎることによる弊害も指摘されている点はいろいろな気づきがありました。個人的には、最近漫才コンテストなどで審査員がよくコメントする「人間味」を率直に表現すること、そして、それを表現できるだけの「心理的安全性」が組織に備わっていることが重要なのだと思いました。
■映画
24 名探偵コナン 緋色の弾丸/監督 永岡 智佳
「名探偵コナン」シリーズは映画版しか観ないので、よく知らないキャラクターが多数登場し最初は少し戸惑いましたが、コナンや灰原といった主要キャラクターが要所で存在感を発揮し抜群の安定感でした。大人、女性、子ども、それぞれに人気がありそうなキャラクターがバランスよく配置され、また、長年のファンと私のような一見さんに近い人の双方が楽しめる配慮もされていて、マーケティングがとても行き届いていることが感じられます。謎解き要素はさほどなかったですが、パニックアクションものとしてよくできた作品です。FBIがここまで日本で幅を利かせていると、日本の警察が少し心配になります。あと、東京オリンピックに批判的な匂いを感じたのは私だけでしょうか?大人から子どもまで楽しめる、一級のエンターテイメント作品です。