本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

悶々ホルモン

2011-07-23 07:03:55 | Weblog
■本
63 40代にしておきたい17のこと/本田 健
64 悶々ホルモン/佐藤 和歌子

63 自分が歳を取ったことを認識するために読みました。いいことは書いてある。でもたぶん実践しない。そんな本です。毒にも薬にもならない感じ。偉大な経営者の中には40代に不遇な時間を過ごした人も多い、といった趣旨のところだけはなんか救われた気分になりました。20代にならともかく、それなりの人生経験を積んだ40代にこの内容では素直すぎるような気がしました。もう一ひねり必要かも。素直な方にはお勧めです。

64 福田和也さんのゼミ生だった方の本ということで読みました。ホルモンだけでこれだけのボリュームのエッセイにできる、筆者の力量にまず感心します。大阪在住の私に取っては、関東圏中心なのが少し残念ですが、ホルモン店のガイド本としても使えそうです。今を必死に生き抜こうとしている情熱と将来に対する冷めた感じが、今の20代後半の人ってこんな感じなんだ、っと参考になりました。ホルモン取材に同行する筆者の友人との交流状況から、僕らの20代のときと違った「生きにくさ」を感じて、うらやましさと切なさが混じった複雑な気持ちになりました。よい本だと思います。


■映画
36 ビクティニと黒き英雄 ゼクロム/監督: 湯山邦彦

 イマイチでした。一緒に行った息子たちの反応もそれほどよくなかったです。次男はゼクロムを観に行ったのに、レシラムばかりが出てきてなかなかゼクロムが出ないのでやきもきしていました。僕個人の好みとしては、明確な敵が出てこず、善意のあるやる気のある人間がその善意故に周りを危機に巻き込み、それを(主人公などの力を借りながら)自分で問題を解決する、自作自演的な映画はあまり好きではありません。0からマイナスになって0に戻るだけですから。もう少しプラスになる要素を盛り込むか、やはり、明確な敵を登場させて、スカッと終わる展開にした方がいいような気がします。ストーリーの違う2作品公開という、小手先のテクニック(商業主義?)に走って、肝心のストーリーがおざなりになった感じです。それほど子どもは甘くないと思います。
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おおきなかぶ、むずかしいアボカド

2011-07-16 07:12:45 | Weblog
■本
60 先頭集団のダイレクトマーケティング/電通 ダイレクト・プロジェクト
61 おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2/村上 春樹
62 SP 警視庁警備部警護課第四係/金城 一紀

60 ダイレクトマーケティンとはなんぞや、について知るにはよい本です。「即売りにつなげる表現手法」などダイレクトマーケティングに特有のノウハウもありますが、一般的なマーケティングの参考書としても使える内容です。この種の本にしては珍しく、事例よりも理論やフレームワークについての記述が多く、読むのは少ししんどかったですが、勉強にはなると思います。少し頭でっかちな感があるので、行動に直結する「実践編!」的な続編が読みたいです。

61 村上春樹さんのユルめのエッセイ集。アンアンに連載されていたものですが、本人もおっしゃている通り、ターゲットを限定しない誰にでも楽しめる内容です。特に一番最後の「ベネチアの小泉今日子」というエッセイが印象に残りました。村上さんが小泉今日子さんを聴いていたという事実に驚くとともに、「人はときとして、抱え込んだ悲しみやつらさを音楽に付着させ、自分自身がその重みでばらばらになってしまうのを防ごうとする。音楽にはそういう実用の機能がそなわっている。」という文章の美しさに感動しました。

62 「GO」などで有名な作家、金城一紀さんが手がけたヒットテレビドラマの脚本です。テレビドラマの方は観ていないのですが、十分楽しめます。最初はちょっと鬱陶しかった、筆者自らが舞台裏を明かしてくれる脚注も、慣れていると、ストーリー上で金城さんが計算され尽くした部分と現場の流れに任せている部分がわかり興味深くなってきます。映画版の脚本も出して欲しいです。


■CD
44 20th Century Masters: The Millennium Collection Marvin Gaye&Tammi Terrell
45 スネスタイル/スネオヘアー

44 村上さんのエッセイに、Marvin Gaye&Tammi Terrellの「Your Precious Love」について触れられている部分があるので(このサビを聴いたことのある人とない人とでは、愛の感動についての認識鮮度がつまみひとつぶんくらい違ってくるそうです)購入しました。あと、「Ain't No Mountain High Enough 」という曲が前から大好きなので。この曲を朝に聴くと、どれだけ、出社が嫌な日でもなんとかテンションを上げることができます。短い曲なのにいろんなものが得られる名曲です。

45 スネオヘアーのメジャー1stアルバム。中古盤で安かったので、ご結婚記念ということで購入しました。後の作品にある洗練された感じはまだありませんが、逆にその荒々しさが魅力的でもあります。メロディーセンスは抜群。聴いていて心地よいです。


■映画
34 猫の恩返し/監督 森田宏幸
35 127時間/監督 ダニー・ボイル

34 個人的には今ひとつでした。主人公にあまり共感できないのと(自ら進んで危機に陥っている割には、自分でほとんど何も打開できず、他人に依存しすぎ)、ストーリーが甘すぎるところが、ダメでした。ジブリ作品にしては、ストーリーがわかりやすすぎて、視聴後考えさせられることもないですし。

35 冒頭のスタイリッシュな映像とハイテンションな音楽で一気に引き込まれました。この監督の映像と用いる音楽は本当に僕のツボです。主人公が救出される場面で、シガー・ロスの「フェスティバル」という曲が流れたときには鳥肌が立ちました。個人的には今年観た作品の中で一番です。主演のジェームズ・フランコ(スパイダーマンのイケメン敵役をやっていた人)の演技も抜群で、中盤以降のほぼ一人芝居を飽きさせることなく演じきってます。ダニー・ボイル監督の緩急自在の演出も素晴らしかったです。単純な奇麗ごとではない、人生の教訓を教えてくれるところも素敵です。
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グ、ア、ム

2011-07-09 07:51:17 | Weblog
■本
57 グ、ア、ム /本谷 有希子
58 スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則/カーマイン・ガロ
59 こころと脳の対話/河合 隼雄、 茂木 健一郎

57 本谷さんのこれまでの作品と同様に、人間のえげつない感情むき出しのやり取りが多く出てきますが、これまでの作品と異なり、読後感はとてもよいものになっています。家族の葛藤やワーキングプアなど重めのテーマも扱っているのですが、ドタバタコメディとしてもよくできていて、楽しく読めました。最後に長女が考える、「苦悩なんて誰にもできるということに気づいて、じゃあもうそういうのは他の人に任せようと目をつぶった」というフレーズにとても共感しました。こういうネガティブの先にたどり着いたポジティブさが好きです。

58 書いてあるノウハウはさほど目新しいものはないですが、スティーブ・ジョブズが実際に行ったプレゼンを題材にしているので、単純に読み物としておもしろいです。ジョブズのプレゼンはよく練られたシンプルな表現で、ユーモアもあり、確かに素晴らしい内容です。冒頭の「構想はアナログでまとめる」というノウハウは、僕はすぐにパワポで資料を作ってしまうので、一度試してみようと思います。

59 相変わらずの河合隼雄節が楽しめる茂木健一郎さんとの対談集。河合さんに敬意を表してか茂木健一郎さんが少し受けに回った感があり、「脳」の方の考察が少し浅いところが残念ですが、この分野のさらなる可能性が感じられます。茂木さんが受けた箱庭療法を僕も一度受けてみたいと思いました。

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大発見

2011-07-02 06:51:09 | Weblog
■本
55 SPEED/金城 一紀
56 検証 東日本大震災の流言・デマ/荻上 チキ

55 楽しく一気に読みました。毎回書きますが、息子達が中学生くらいになったときに是非読んで欲しい本です。社会システム側のいろんな制約にとらわれないスケールの大きな生き方など、どう頑張ってもシステムの一部となったサラリーマンの親では、完全には伝えられないことをこの本は伝えてくれます。その一方で、そのシステムを超えることの素晴らしさだけでなく、その痛みやコストについても語っているところが筆者のバランス感覚のよさだと思います。読後に世界が少し変わって見える素敵な作品です。

56 いい意味で新書らしい本です。タイトル通りの内容の本ですが、震災後約2ヶ月で出版されているスピード感が、この題材にはふさわしいと思います。記憶の新しいうちに、これらの流言やデマに自分がどのように感じ行動したかを省みて、今後の教訓にしたいと思います。これらの流言やデマから、人間の浅はかさや清らかさが浮かび上がってきて、単純に読み物としても面白いです。


■CD
41 Best of Simon & Garfunkel/Simon & Garfunkel
42 ベスト オブ くるり/TOWER OF MUSIC LOVER2/くるり
43 大発見/東京事変

41 Paul Simonの初期作品を聴いているうちに欲しくなって購入しました。定番。よい曲満載です。メロウな曲だけでなく、「A Hazy Shade Of Winter」や「Cecilia」などアップテンポの曲にも、名曲があることが再発見できました。

42 くるりの作品はサントラなども含めてほとんど持っているのですが、初CD化の3曲に惹かれて購入しました。冒頭の「奇跡」が象徴的なのですが、全体的に穏やかでメロディ重視の曲が多く収録されていて、岸田さんのソングライターとしての力量の高さが感じられます。初CD化の3曲について触れると、「旅の途中」はさわやかでフォーキーな楽しい小品、ハーモニーが心地よいです。「最終電車」は個人的にはこの3曲の中で一番好きなのですが、岸田さんが「最終~列車の」と高らかに歌い上げるところが癖になります。「鹿児島おはら節」はタイトル通り、鹿児島おはら節をくるりなりにアレンジした曲で、スケール感の大きい仕上がりになっています。よい曲揃いですが、かなりの苦闘の上に生まれたことも想像でき、個人的には壮絶な印象の作品です。

43 さらにメジャー感が増した傑作。すでに十分メジャーなバンドですが、過去の作品がどこかニッチな印象が残っていたのに対して、本作は堂々とメインストリームのサウンドを展開しています。固定ファンに対してだけでなく、もっと大きなターゲットに自分達の歌を届けようという志が感じられます。歌詞もポジティブでカラッとしたものが増えている印象です。


■映画
32 ヴァージン・スーサイズ/監督 ソフィア・コッポラ
33 SUPER8/監督 J.J.エイブラムス

32 評判がよかったのでずっと観たかった作品。期待が大きすぎたのか、正直拍子抜けしました。スタイリッシュな映像や抑制の効いた演出は、ソフィア・コッポラの監督のセンスが感じられますが、なぜか、登場人物に全く感情移入できませんでした。主演格のキルスティン・ダンストは美しいのですが、とても14歳には見えませんでした(終盤に「お姉さん達」というセリフがあるまで、ずっと長女だと思っていました)。末っ子も含む5姉妹が自殺する動機も今ひとつよくわかりませんでしたし(観る前は「穢れる前に死にたい」というようなことだと思っていたのですが、男子に興味津々そうだったので、どうもそうではなさそうですし)。女性にだけ共感できる話だったのかもしれません。ジェームズ・ウッズは大好きな役者ですが、善人を演じつつも狂気が垣間見える点はさすがです。元セクシー女優のキャスリーン・ターナーはえらいことになってましたね。こちらも怪演でした。

33 「映画ファン感謝デー」に時間があったので気楽に観ました。1000円ならまあ納得の作品です。「ET」、「スタンド・バイ・ミー」、「Xファイル」、「トランスフォーマー」を足して10くらいで割った、ちょっと薄めの内容の作品です。作りは手堅く、どこが悪いと言うわけではないのですが、なんか物足りない印象が拭えません。列車爆破シーンの特撮は迫力満点でよかったですが、クライマックスの最後の特撮(ネタバレになるので詳しく書きませんが)は使い尽くされた手法で(あえてなのだと思いますが)ちょっと笑ってしまいました。メインキャストの少年達はあまり魅力的でなく、それはそれでリアルでよいのですが、ヒロインはもっと花があってもよかったかも。でも演技力は抜群でした。結局、技術は高く欠点もないのですが、なんか魅力がない作品なんです。もっと僕が若ければ感動できたのかもしれませんが。
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