■本
95 ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える/西田 宗千佳
96 新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか/北野 武
95 非常に丁寧に取材されていて、ネットフリックスを代表とする、サブスクリプション型オンデマンド動画配信サービスの現状を知るにはよい本です。海外サービスだけでなく、NTTドコモのこの分野での取り組みを時系列で振り返るなど、日本の状況も解説されているので参考になります。Apple Musicなど、音楽配信の状況にも触れ、その類似点、相違点について考察されているので、少し先行している音楽配信の動向を見つつ、動画配信サービスの今後を予測する上でも役に立ちます。個人的には、ネットフリックスのレコメンドでの強みの秘密がわかりやすく解説されているところが、「ビッグデータの活用」という上滑りしがちな議論に、しっかりとした枠組みを提示してくれていて興味深かったです。
96 ビートたけしさんによる道徳論。学校で使われている道徳の教科書を引用しつつ、ブラックな切り口で突っ込みを入れまくっています。「はじめに」で結論は「道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない」と語られていますが、この本の主題は、「道徳」という権威に思考停止に陥らずに、自分なりの生き方や行動指針を自分の頭で考えて決めないといけない、ということだと私は理解しました。北野武さんなりに、最近の同調圧力が強い日本の状況に危機感を感じられているのかもしれません。「いいこと」が絶対的なものではなく、時代や社会状況によって容易に変わる相対的なものである、という指摘もされていて、自分で考えた生き方や行動指針に縛られ過ぎず、都度見直していく柔軟な思考の大切さにも気づかされます。
■映画
72 96時間/リベンジ/監督 オリヴィエ・メガトン
リュック・ベッソン脚本らしい、スタイリッシュなアクション映画です。リーアム・ニーソンが、アクションだけの肉体バカではない知的な主人公を好演していて、前作は大好きでした。今作は続編にありがちな迷走ぶりで(主人公の災難ありきで脚本を作っているので、悪役の動機や行動に説得力が乏しく、行き当たりばったりな感じが否めません)、かなりパワーダウンしていますが、キャラクター設定が巧みなので、なんとか持ちこたえています。舞台となるイスタンブールの街並みも美しく、フランス制作のアクション映画として、ハリウッド映画とは違う個性を見せようという気概のようなものも感じられます。
95 ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える/西田 宗千佳
96 新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか/北野 武
95 非常に丁寧に取材されていて、ネットフリックスを代表とする、サブスクリプション型オンデマンド動画配信サービスの現状を知るにはよい本です。海外サービスだけでなく、NTTドコモのこの分野での取り組みを時系列で振り返るなど、日本の状況も解説されているので参考になります。Apple Musicなど、音楽配信の状況にも触れ、その類似点、相違点について考察されているので、少し先行している音楽配信の動向を見つつ、動画配信サービスの今後を予測する上でも役に立ちます。個人的には、ネットフリックスのレコメンドでの強みの秘密がわかりやすく解説されているところが、「ビッグデータの活用」という上滑りしがちな議論に、しっかりとした枠組みを提示してくれていて興味深かったです。
96 ビートたけしさんによる道徳論。学校で使われている道徳の教科書を引用しつつ、ブラックな切り口で突っ込みを入れまくっています。「はじめに」で結論は「道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない」と語られていますが、この本の主題は、「道徳」という権威に思考停止に陥らずに、自分なりの生き方や行動指針を自分の頭で考えて決めないといけない、ということだと私は理解しました。北野武さんなりに、最近の同調圧力が強い日本の状況に危機感を感じられているのかもしれません。「いいこと」が絶対的なものではなく、時代や社会状況によって容易に変わる相対的なものである、という指摘もされていて、自分で考えた生き方や行動指針に縛られ過ぎず、都度見直していく柔軟な思考の大切さにも気づかされます。
■映画
72 96時間/リベンジ/監督 オリヴィエ・メガトン
リュック・ベッソン脚本らしい、スタイリッシュなアクション映画です。リーアム・ニーソンが、アクションだけの肉体バカではない知的な主人公を好演していて、前作は大好きでした。今作は続編にありがちな迷走ぶりで(主人公の災難ありきで脚本を作っているので、悪役の動機や行動に説得力が乏しく、行き当たりばったりな感じが否めません)、かなりパワーダウンしていますが、キャラクター設定が巧みなので、なんとか持ちこたえています。舞台となるイスタンブールの街並みも美しく、フランス制作のアクション映画として、ハリウッド映画とは違う個性を見せようという気概のようなものも感じられます。