本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

最高の離婚

2023-06-18 06:11:38 | Weblog
■本
47 PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント/飯田 剛弘
48 最高の離婚(上)/坂元 裕二 、百瀬 しのぶ
49 最高の離婚(下)/坂元 裕二 、百瀬 しのぶ

47 最近「プロジェクトマネジメント」に関心があるので読みました。「3匹の子ぶた」や「ウサギとカメ」などの童話を題材に、それらから得られるプロジェクトマネジメント上の教訓(スケジュールやタスク、リスクの管理や目標設定の大切さ)を教えてくれます。後半に進むにつれて、取り上げる童話と教訓(精神論が増えてきます)とのこじつけが強引になってきますが、プロジェクトマネジメントの入門書として、わかりやすく工夫されていると思います。つくづく「プロジェクトマネジメント」は、ステークホルダとの「コミュニケーションの技術」なのだと感じました。

48,49 坂元裕二さんがカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞されたので、観ていなかった過去のテレビドラマの脚本を読みました。脚本だと思ったのですが、ノベライズ版の方でした。傑作「カルテット」を思わせるような、男女4人の主要人物の恋愛模様が、ポップで印象的なセリフを通じて描かれています。主人公がネガティブで面倒くさい点が、個人的にはツボで、「飲み会に行くと死にたくなる」などの発言に共感しっぱなしでした。その他のキャラクターも、その欠落や不器用な優しさが愛おしく、ドラマで観ていたら演じる役者さんの好感度がかなり上がっていたと思います。毎回劇的な展開で話が終わるのに、次の回では意外とあっさりと日常生活に戻っている(だが、その微妙なしこりは残り続けている)、緩急のつけ方が絶妙です。確固とした方法論を持っている作家の凄みを感じます。シンプルに面白くて一気に読み終えました。


■映画
39 騙し絵の牙/監督 吉田 大八
40 戦争と平和/監督 キング・ヴィダー

39 市場が縮み続ける出版業界を舞台にした、作家やビジネスパーソンの権謀術数が描かれた作品です。大泉洋さんが、善悪を超越したつかみどころのないキャラクターを、巧みに演じられています。公開時のプロモーションでは、どんでん返しが続く展開が強調されていた記憶がありますが、それよりもクセのある出演者の演技合戦という趣の強い作品です。非道なキャラクターからも可愛げが感じられる点に好感が持てました。「結局仕事は好きなことを楽しんだもの勝ち」、というメッセージが、ドロドロとしたビジネス社会を描きつつも、爽やかな余韻を残してくれます。大傑作!と呼べるほどのインパクトはないですが、安易な企画ものが多い最近の日本映画の中では、安定した面白さを提供してくれる良質な作品だと思います。

40 先週読んだ「危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』」で、この作品が引用されていたので読みました。トルストイの長編作品の映画化作品なので、どうしてもダイジェスト的な展開になるのは避けられないのですが、わかりやすく(わかりやす過ぎる?)描かれていて、この作品のあらすじとエッセンスを知ることができてよかったです。名作と名高い原作だけあって、どのキャラクターも実に魅力的です。恋愛を描いたシーンの淡白さと比べると、戦闘シーンの迫力は抜群で、当時の戦争のかたちを垣間見ることができました。現在のウクライナとロシアの戦争と関連付けて、いろいろと考えさせられる点も多かったです。この作品では攻められる側だったロシアが、この作品で描かれているような歴史的背景が影響しているにしても、攻める側に転じていることを考えると皮肉です。この作品で描かれている信仰や人間の気高さについても、ついついその限界を考えてしまいます。人類が歴史から何を学んだか、を問い続けるような作品です。
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