ことばが経験を先導しない時代
「先史時代」(中井久夫)を生きる人
自然があつらえたからだ一つのまんま
ひたすら感覚し、快不快し、泣き、笑い
まっすぐに世界を経験しつつある人
ことばが偉そうに書き記す歴史の外にいる
先史の時代、原始感情のまんま生きるみなさん
こどもと呼ばれるあなたに出会ったとき
それができなくても、仮想的に、できるかのように
ことばの独断専行を禁じてかたわらにたたずむ
ことばが決めつける記述作用の一切に禁則をかけ
(ムリに決まっているけれども)
あたかも同じ土俵に立つことができるかのように
どんな心の泡立ち、どんな応答が返ってくるのか
予期のすべては愚かなことだと念じながら
「こんにちは」と小さく囁いて手を振ってみる
最大の報酬はただ一つに決まっている
にっこり、それだけで満願成就する
ことばにまみれ、汚染され、倦んだ心のまま
たったそれだけを求めて手を振るおバカがいる
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