ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「多様性」 20201118

2020-11-18 | Weblog

 

関係世界における〝多様性〟という価値
なぜ、それが積極的な価値でありうるのか

一つの答え──

異質な存在が交わり、生まれる享受可能な〝関係〟の多産性
さまざまな対話、表現、その多重記述(相互触発)のエロス的生成
(いいかえると、〝関係〟という個に帰属しない第三領域の豊饒化)

しかし、多様性はそれ自体みずから支えることができない価値でもある
多様性はそのまま放置すれば、たやすく敵対関係へ転化する
異質な存在どうしのせめぎあい、相互否定、削り合い、殺し合い

多様性が価値として生かされるには、それを支える必須の条件がある
手当なく、放置したまま「多様性」を唱えることは無責任でしかない


 ──竹田青嗣『言語的思考へ』

 「ヘーゲルはまた、ルソーが「一般意志」の概念で示した「法」と市民の関係についての基本原則を、
 「自由の相互承認」という概念によっていっそう本質的なかたちで示した。
 ヘーゲルは、人間は「自由」であるとか、自由であるべきである、とは言わなかった。
 彼の設問は、人間の「自由」というものが社会的に実現されるとすれば
 その制度的な本質的な条件はなにか、というものだった。
 各人が、その所有するさまざまな諸差異にかかわらず、相互に他者を、
 個人としての「自由」(自己決定権限)をもった自立した存在として
 公共的に承認しあう場合にだけそれは可能になる、というのがその答えである」

 

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