なぜだろう わからないけれど
心が告げるものはごまかせない
告げるものと告げられるもの
この構造において内なる対話がはじまる
告げられるものは疑えない
でもそれが真実というわけじゃない
うそ-ほんとう、そうした分節が起こるまえに
対話が現象するステージが開かれる
だれかにとってじゃなくて
ただぼくにとって それだけのことにすぎない
でもそこからはじめる以外にない
よきこと、悪しきこと、よこしまなこと
すべてはわがこととして受け止める
この対話の作法を失わずに対話する
世界を照らすまなざしがある
そのまなざしが立ち上がる場所
世界、他者、関係、意味、価値
そのすべてと出会うただ一つのステージ
それは向こう側、ではなくて
つねにいまここにあることに開かれる
ひとつだけ守るべき格律がある──
いまここにいることを離れて
絶対に光源を向こう側に置かないでいること
世界を記述する主体はつねにこちら側にある
そうしてはじめて新たな記述へ向かう条件が整えられる
どう語りつづればいいのかわからない
わからなくてもここにいることをキープする
別の場所からはじめると固有の生、ひとりひとりとすれちがう
虎の威を借りるようにして殺してしまうかもしれない
じぶんを、そして他人も