ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「帰還」 20201004

2020-10-04 | Weblog

 

ことばは知らない、役に立たない
気づかず、見失い、ちがうものを
見当ちがいのものを指し示す

けれど、役立たずものを使うことで
それが触れることのないものの影が浮かぶ

「ちがうな」

粗い目からこぼれてゆくもの
心の視線はそっちへ向けられている

   *

もっていかれる、心がさらわれる
なぜかわからない

理由を考えることはできる
けれど、それは祭りのあと

はじまりの発火があって
連続的な発火が起こり
ことばは追いかける

多くは追いかけ切れずに
それでいいと言い聞かせるように
ある〝断念〟によって決着をつける

ことばはいつも〝断念〟を連れている

けれど、そのことを忘れて突き進むと
もう別の場所に向かって
戻れなくなる地点を過ぎてしまう

どんどんちがうものへ
遠ざかっていく感覚が動いている

遠ざかりの感覚を
キープできるかできないか

はじまりの場所へ
帰還できるかできないか

唯一つ、それが最後の手がかりになる

 

コメント