イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

あの日産にして このゴーンあり

2018-12-04 00:15:19 | 社会・経済
 11月19日、日産の会長のカルロス・ゴーンが所得の不正申告等で東京地検に逮捕された。直近の僅か5年間で、不正の分だけで50憶円というから驚いた。
社費の私費流用等々でゴーンの隠れた不正利益は総計150憶円になると言われている。
20年前、日産の経営不振を救済するためにフランスから会長入りしたゴーンは僅か5年以内にV字回復的な黒字化に成功し、国内では驚きの脚光を浴びた。

 来日して20年、いつしかゴーンは「朱に染まれば赤くなる」の譬えではないが不正への路へとまっしぐらな経営者となってしまったのである。
そもそも、日産とは如何なる企業だったのか・・。
ブラックな企業風土を持っていた会社だったのである。今は3・11のフクイチ事故以来おとなしくなってしまった東京電力とおなじ「反共の人事管理」を組織的に大規模かつ持続的にすすめていた企業だったのである。
赤字が増えたと言っては共産党員あるいはその同調者の社員を指名して解雇していたのである。明らかな思想差別であり、憲法違反であり裁判沙汰にもなっていたのである。
悪いことに、お決まりの「労使協調」の企業だったから、労働組合が解雇者の救済には当たらず「ユニオンシップ」という制度を悪用して、共産党系の組合員の除名を会社と癒着して行っていたのである。当時の癒着労組は旧民社党系の「同盟」で、現在の「連合」労働組合に当たる。
日産ではモノを言う社員がいなくなり、上意下達・画一主義という硬直した企業風土に変質してしまった。従って現場から問題点の指摘や提言・アイデアが全く上がって行かない風土となり、組織が硬直し生き生きとした会社全体が脈打つような組織活動も消えた。
当然の帰結として、営業利益は凋落を重ね異例の外国人経営者のゴーンを招聘したのである。
ゴーンはやがて「上意下達」「画一主義」という日産の悪しき社風に気づき、悪意を持つ独裁者になっていった。しかし、会長個人のみの利益追求に走ったものの、咎める人間は存在せず、モノ言わぬ部下や社員たちを脇目に年々悪行を重ねて行ったのである。
「あの親にして この子あり」という諺があるが、まさに今回は「あの日産にして このゴーンあり」のパターンの事件である。東電・日産という二大反共労務管理企業が社会的な批判や指摘を受けるような事故・事件を起こしたことは単なる偶然ではなく必然だったのである。天網恢恢 疎にして漏らさず である。

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