イワン・アサノヴィッチは「兼々業農家」を自負しています。もう20年来のことなのですが、ウデの方はと言えば余り言いたくはないのですが上がっていません。(-_-;)
ここ数日は秋の高気圧の南下によって朝晩は特に涼しくなりましたが、8月5日以降からは千葉県も記録的な猛暑が続いていました。
田と違って畑は、除草と灌水(水やり)は、この時期に欠かすことが出来ません。炎天下、畑の地面からは気温以上の猛烈な反射熱が上昇してきます。
除草のためには、腰を折り、地表から50cmぐらいのところに顔を寄せなければなりません。そんな時は炎天の熱よりも反射してくる地表熱の方が遙かに高いのです。
菜園作業と言えば、種まきや収穫などなど、さぞかし楽しい牧歌的な作業をイメージされる方が多いと思います。が、現実は40℃以上の地表熱を浴びながら、時には肥料混じりのスナボコリを被りながら、過酷で単調で終わりの見えない作業の毎日なのです。(>_<)
過酷で単調という、いわば絶望的な労働状況の中で、さりとて止める訳にはいかない重労働。
きっとそんな中で労働歌も生まれてきたのでしょう。それはささやかな希望へ!というよりも自暴自棄的な半ばヤケッパチの気持ちでしょう。
イワン・アサノヴィッチは一計を案じ、デジタルのウオークマンを購入しました。40℃以上の地表熱と肥料混じりの熱砂に対応すべく、CDアルバム「昭和の流行歌」全集20枚も購入しました。洋曲のオールデイーズCD10枚、青春歌謡全集CD10枚、ウオークマンには都合900曲が収録されました。いわば「労働歌」です。
懐かしい曲やお気に入りの曲を耳にしながらの農作業は、以前と較べて大分軽やかになってきました。
猛暑が続いた先週の農園です。「昭和の流行歌」を聴きながら草取りをしていました。イヤホーンからは昭和11年のヒット曲「忘れちゃいやヨ」が聞こえてきました。渡辺はま子が少し艶っぽくコミカルな調子で歌っています。
♪月が鏡であったなら 恋し貴男の面影を♪
♪夜ごとうつして 見ようもの♪ (後略)
…なんと、昭和の女性は慎ましやかで愛おしいではありませんか! イワン・アサノヴィッチは炎暑と地表熱とホコリにまみれる一時を忘れたりしてしまいました。
しかしその晩、月を仰ぎ見るころ、イワン・アサノヴィッチは還暦を迎えた妻と共に夕食です。食卓には発泡酒の缶ビールが置かれます、酒の弱いイワン・アサノヴィッチにはこれで十分です。
『さっさと飲んじゃって!いつまで経っても片づかないから。』と、我が家の昭和の女性の超現実的な言葉が飛んできます。
ああ!昭和は遠くになりにけり…です。(/_;)
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